「大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクト フェーズ2(J-PRISM II)」第3回合同調整委員会を開催しました

2020年3月16日

J-PRISM II 廃棄物管理専門家
孔井 順二、小谷 倫加恵

2020年2月24日、気候変動省にて「大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクト フェーズ2」(通称、「J-PRISM II」)(プロジェクト期間:2017年2月~2022年2月)の第3回合同調整委員会(Joint Coordination Committee: JCC)を開催しました。JCCはJ-PRISM IIのバヌアツ関係者が一堂に会して、1年間のプロジェクト進捗の確認と、次年度の活動計画の承認を行う年次総会です。

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第3回合同調整委員会(Joint Coordination Committee)終了後 プロジェクト関係者集合写真(2020年2月)

J-PRISM IIでは、「国家廃棄物管理及び汚染防止戦略(NWMPCS)2016~2020」の実施・モニタリング能力の強化を目指して、気候変動省 環境保護局(DEPC)、ポートビラ市役所(PVCC)、ルーガンビル市役所(LMC)とともに一丸となって活動を行っています。今回のJCCで、新たにLMCの助役やシェファ州がカウンターパート(C/P)として加わりました。
また、これまでプロジェクトで容器デポジット制度(CDS)(注)の導入可能性について検討を行って参りましたが、2019年10月30日付でCDS導入の基本方針が閣議決定したことを受け、今回のJCCで正式にJ-PRISM IIとしてCDSの法制化に向けた活動を支援することが決定しました。

(注)使用済の空き缶やPETボトルといった容器の購入者が、購入する際に「預かり金」を支払い、指定の場所に持ち込むとその支払った預り金が払い戻される制度。

J-PRISM II国別PDM(Project Design Matrix)(バヌアツ)

  • 成果1:NWMPCSを実施するための環境保護局(DEPC)の組織・制度的能力が、ワーキンググループの協力を得て強化される。
  • 成果2:廃棄物管理計画に基づき、ポートビラ市役所(PVCC)の廃棄物管理が適切に実施及びモニタリングされる。
  • NEW!成果3:バヌアツ国における3R+Returnの推進に向けた経済的インセンティブの枠組みが

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成果1:国家廃棄物管理及び汚染防止戦略2016~2020(NWMPCS) ワーキンググループ優先活動

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全国廃棄物管理計画ワークショップ記録集(2020年2月28日)

2018年6月に国家戦略推進のためのワーキンググループを形成し、特に重要なものや支援が必要なものを優先活動として選定し、計画に従って優先活動を実施しています。優先活動は毎年進捗に応じて見直しを行っており、以下は第3回JCCで合意された2020年の優先活動です。

  • 優先活動1:地方自治体(州・市)の廃棄物管理計画のための仕組みづくり
  • 優先活動2:国家ごみ減量計画(2021~2025)の策定
  • 優先活動3:容器デポジット制度の導入に向けた制度設計の支援(成果3として実施)
  • 優先活動4:学校環境教育の普及推進

成果2:ポートビラ市廃棄物管理計画策定のためのパイロットプロジェクト

ポートビラ市役所とJ-PRISM IIは、廃棄物管理計画(2021~2030)の策定に向け、以下のパイロットプロジェクト(PP)を実施しています。

PP1:ポートビラ市収集改善
PP2:民間収集モニタリング(GPSトラッキング)
PP3:ウェストピッカー労働改善
PP4:市場コンポスト
PP5:ホームコンポスト&ガーデニング
PP6:学校環境教育
PP7:環境週間の啓発活動(イラストコンテスト)
PP8:有料袋制度改善

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処分場スタッフのごみステーション製造の様子(PP1:ポートビラ市収集改善)

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ウェストピッカー啓発ワークショップ(PP3:ウェストピッカー労働改善)

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セントラルマーケットでの分別指導(PP4:市場コンポスト)

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小学校での環境教育とコンポストの実演(PP6:学校環境教育)

成果3:容器デポジット制度(CDS)導入に向けた技術作業部会の設置

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第1回容器デポジット制度(CDS)技術作業部会

閣議決定に基づき、環境保護局(DPEC)のイニシアティブのもと、2019年12月に政府機関、飲料メーカー、輸入業者、市民団体などの関係者を集めたCDS技術作業部会(ワーキンググループ)を設置しました。2020年3月までに4回の会議を開催し、バヌアツで実現可能な制度や仕組みについて議論を重ねています。