沖縄の農業、食品、観光のクラスター形成モデル、ベトナムの中部地域に活用期待

2011年8月3日

2011年7月24日〜28日、JICAは沖縄にて、観光業を通じた地域開発振興、官民連携による競争力強化及び産業振興をもたらす取り組み、沖縄県のビジョンについて、ベトナム政府に紹介することを目的とした国別研修を実施しました。

ベトナムからは、Dr. Nguyen Xuan Thangベトナム社会科学院院長を筆頭に、Mr. Nguyen Van Caoトゥアティンフエ省人民委員会委員長、Mr. Phung Tat Vietダナン市人民委員会副委員長、Mr. Nguyen Hong Truong交通省副大臣、Mr. Ho Anh Tuan文化スポーツ観光省副大臣、Dr. Tran DinhThienベトナム経済研究所長等、閣僚及び知事レベルの9名が参加するとともに、産業クラスターを専門とする日本大学の朽木教授、観光アドバイザーの安藤専門家、ベトナム事務所からは所長の築野と所員の室岡が全面的に同行しました。

沖縄とベトナム、特にフエやホイアン等のベトナム中部地方は、16世紀の琉球の時代から海を通じた交易により古くから関わりがあることから、食文化、歴史遺産等の面で少なからず親和性が認められます。本研修は、沖縄県航空物流ハブ事業推進委員会の委員であると同時に、ベトナム政府及び地方省へのアドバイザリー活動を10年以上も続けてこられてきた朽木教授が、ベトナムの地方部、特に中部地方にとって、沖縄の産業振興の取り組みが参考になること、両者を結びつけることで観光、貿易、文化等様々な面で交流が増し相互にメリットがあることを、ベトナム政府及び沖縄県ならびにJICAに提言されたことがきっかけとなって具体化されたものです。

7月25日の上原沖縄県副知事への表敬では、沖縄県にとってベトナム政府の高官が今回のスケールで来られたことは初めてで画期的な出来事であり、これをきっかけに過去に盛んだった両者間の交流を活性化したいとの意が示されました。これに対し、トゥアティンフエ省Cao人民委員長からは、2012年の4月に行なわれる国民的行事であるフエ祭りに招待したい旨表明されるとともに、ダナン市Viet副人民委員長からも、フエ祭りの機会を捉えてダナン市を訪問してほしいとの希望が述べられる等、今後の自立的かつ持続的な友好の発展が伺える機会となりました。

沖縄県の開発ビジョン、物流ハブ化、観光振興、産業振興等の具体的な説明を県側から受けた後、全日本空輸株式会社及び那覇港管理組合による物流改善の現場、沖縄県工業技術センター、沖縄健康バイオテクノロジー研究開発センター、沖縄職業能力開発大学校等の訪問による官民連携による産業振興の現場、オリオンビールや瑞泉酒造さらにはパイナップルパーク等の食品及び飲料製造ならびに販売の促進の現場、首里城における史跡の復旧による観光資源の開発の現場、平和記念公園における沖縄戦の歴史やその教育の現場等を訪問しました。

ベトナム側のミッションリーダーであるThangベトナム社会科学院院長からは、沖縄の農業、食品、観光のクラスター形成モデルはベトナムにとって参考になる、今回のベトナムからのメンバーは政策決定に関わる副大臣や知事クラスであり、研修で得られたことを実際にアクションに結びつけることが出来る、と述べられました。

最後に訪れた平和祈念資料館の視察後、Thienベトナム経済研究所長は、「沖縄の戦争、人々の受けた苦しみは、同じく悲惨な戦争を経験した多くのベトナム人が共有、共感するものである。これからも日本及び沖縄とベトナムが共に歩み、関係を強化していけるよう、我々も努力していきたい。」と、今後に向けた決意を示されたことが大変印象的でした(添付写真参照)。

今回の研修の成果は、ベトナム社会科学院からズン首相に報告されると共に、文化スポーツ観光省による発表、ベトナムにおける旅行ガイドへの掲載等により広く発信されるとともに、トゥアティンフエ省及びダナン市と沖縄県の交流、ベトナム社会科学院を通じたベトナム中部を中心とする地方部への開発計画及びその実施に際してのコンサルテーションに反映されることが期待されます。

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ゴーヤパーク

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副知事

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工業技術センター

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県庁との懇親会

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県庁担当との質疑

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職業能力開発大学校

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職業能力開発大学校

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職業能力開発大学校