モンゴルを緑の国へ−草の根技術協力事業により、モンゴルの緑化に取り組む佐々木さんにインタビュー−

2009年6月11日

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モンゴルの緑化に取り組む佐々木さん(東アジア環境協働行動よこはま 代表)

草の根技術協力事業は、日本のNGO、大学、地方自治体、および公益法人の団体等とJICAが共同で実施する事業です。東アジア環境協働行動よこはま代表の佐々木一郎さんは、草の根技術協力事業支援型で植林やエコ学習でモンゴルの砂漠化を防止する活動に取り組まれています(2008年9月から2011年8月)。政治学がご専門の佐々木さんが植林を始められたきっかけや、モンゴルでの活動について伺いました。

政治学がご専門の佐々木さんが植林を始めたきっかけは何ですか?

私自身は、政治学の中でも市民の力を生かせるシステム作りやどう市民が責任を果たすべきかを研究してきました。その中で市民の責任は、生態系を再生し、子どもが健康に育つように市民自らが主体的に取り組むところにまずあるのではないかと思い、生態系再生保全の活動をするようになりました。
プロジェクトの直接的なきっかけは、2000年にモンゴルを訪れた際、ストリートチルドレンの自立支援活動をしている青年からの自立化事業に対する支援要請でした。
モンゴルでは当時、大卒者の就職率が半数以下にとどまっていて、環境面では砂漠化が深刻な問題でもあるので、資金面での支援ではなく雇用を増進しながら生態系の再生を図る植林事業の自立運営化構想を考えました。
その後、早速植林ツアーを実施し、今のプロジェクトに至ります。

ご自身のこれまでの活動や研究についてお聞かせください。

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区民向け植林推進等エコロジー講演会

上大岡での街づくりや福祉のまちづくりの研究、近年では地産エネルギー活用の開発研究などをしています。上大岡では、川の再生活動や子どもたち主役のミュージカルの実施、生活文化開発と商店街活性化策の開発実験を行いました。また、子どもに自然を体験させ、自然とはどういうものかということを体感してもらうような間伐作業やグリーンツーリズムのはしりのようなものも実施しました。自然と触れ合うことで変化する子どものを目の当たりにし、子どもの発達のためにも自然再生をしなければと実感しました。

草の根技術協力事業「モンゴル・バガノール区住民による植林事業およびエコロジー学習の自立運営体制の構築」プロジェクトで目指している社会ビジョンはどんなものなのでしょう?

まず、子どもが天真爛漫に一人ひとりの力を最大に発揮してもらいたいという思いがあります。先程も述べたとおり、モンゴルでは就職率がかなり低いのですが、子どもの健全な発達のために必要な環境作りと、青年の雇用確保に生態系産業やクリーンエネルギー産業等を創出する、という2本柱の構想です。砂漠化が進む中、バガノール地区の未来を支える次世代産業は、環境系が大きく担っていくと思っています。

プロジェクトの活動内容や成果は?

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エコ祭典成功、区を挙げた緑化推進にむけての区長との懇談

モンゴルでは、環境再生にむけた意識が急速に高まってきていますが、自立運営が可能な事業方式の植林活動が編み出されていないこと等がネックになっているといえます。そこに着目し、育苗・育林のための基盤整備や、人材育成、エコロジー学習等を行っています。活動の一つに、一人一本運動というものを実施しており、区の全面的な協力もあり、予想以上の広がりを見せています。2009年5月には、モンゴル国内のみならず海外からもNGO等が参画して、地球的視野を持って持続可能な世界を創造していくために交流、交歓をしようと、エコ総合祭典が開催されました。何より地元住民が前向きに取り組むようになってきており、成果が現れ始めたのを感じています。

佐々木さんの今後の抱負をお聞かせください。

これからは、日本の資源を再認識して環境を再生すべきだと思っています。海草を使った発電の実証試験等も会員の一人が進めており、海、陸、山の幸など自然資源を最大限に生かした革新的な技術投入も含めた、持続可能な世界への転換へ貢献していきたいと思っています。


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