【企業インタビュー】アムコン株式会社(フィリピン浄化槽汚泥の脱水装置の普及・実証事業)

アムコン株式会社(横浜市港北区)は2012年度の途上国政府への普及事業(※1)実施後、同年度の補正予算による普及・実証事業(※2)に採択され、2014年1月より同事業を実施しています。今回、同事業担当者、ヴァルート事業部 海外営業グループ グループマネージャーの菊池誠二さんにお話を伺いました。

2015年1月28日

日本で約1,000台の販売実績の汚泥脱水機

アムコン社の汚泥脱水機

【御社の製品について教えてください。】
 当社が扱う汚泥脱水機とは、バキュームカーが収集した汚泥を脱水し、“水分の少ない固形物”と “濾水(ろ水)”に分離するための装置です。当社の製品は目詰まり等のトラブルが非常に少なく、24時間の無人運転も可能で、ランニングコストも他社製品と比べると格段に抑えることができます。

70万人都市のセブ市で、汚泥処理がなされていない実情を知って

汚泥脱水機の設置現場を視察するセブ市のラマ市長(中央)とアムコンの菊池さん(左)

【JICAの制度に応募した経緯はどのようなものですか?】
 横浜市がフィリピンのセブ市へ民間企業との合同調査団を派遣した際に、当社も参加しました。そこで、70万人も人口がいるセブ市で汚泥処理がされていない実情を目の当たりにし、当社の脱水機が有効であると感じました。そしてJICAの中小企業海外展開支援事業を知り、応募に至りました。
 今までのセブ市では、バキュームカーが収集した汚泥はごみ処理場へ無処理で捨てられたり、その他の場所に不法投棄されていましたが、この事業がきっかけでセブ市汚泥管理委員会が立ち上がり、汚泥処理に関する条例が可決されました。現在は 脱水後の“ろ水”は排水基準を満たす水質に処理した後、河川に放流していますし、“固形物”は有機肥料としての再利用を検討しています。当社の脱水機がセブ市の環境保全に関し、大きな効果があると確信しています。

一番苦労したのは、機材の設置工事

旧下水処理場の一角に汚泥脱水機を設置しました

【セブ市でのプロジェクトクトで大変だったことはありますか?】
 2014年4月に当社の汚泥脱水機を現地の旧下水処理場に設置して、同製品の普及・実証事業を行う計画でした。しかし、セブ港での通関に手間取り、機材の現場到着が2週間遅れてしまいました。日数に余裕をもって計画していたけれども、それ以上に遅い到着だったため、その後の機材の設置作業が大変でした。

セブ市に当社の脱水機を設置したことで、すごく喜ばれました

【本案件を実施して良かったことはありますか?】
 セブ市において、当社の製品を活用して今まで行っていなかった汚泥処理を行うことで、セブ市政府やセブ市議会議員の他、市民の方々にも大変喜んでいただいているので、とても達成感があります。
 また、当社の製品の評判が広がり、セブ州の他の市町村から視察に来てくださるので、良いPR活動ができています。フィリピンの公共事業省も本製品を高く評価してくださり、2015年には1,200以上の自治体関係者に当社の製品を紹介してくださるとのことで、今後、フィリピン国内の多くの自治体からの関心が高まることを期待しています。また、フィリピン開発銀行も本製品に関し、関心を持っていると聞いています。


 セブ市が適正な汚泥処理を実施できるよう、大活躍中のアムコン社。これからの課題は、セブ市に汚泥脱水機の運転・維持管理をしっかり引き継ぐことや汚泥処理料金の徴収体制の整備などだという。今後、ますますの活躍が期待されます。