【日系研修9】「人」と「自然」が共生するブラジルを目指して

2016年3月31日

報告会を終えた
住田シモーネ小百合研修員

 ブラジル日系3世の住田シモーネ小百合研修員が約10ヶ月間に渡り、横浜国立大学で実施された「ユネスコMAB計画(※1)による生物圏保存地域を対象とした持続可能性科学」コースに参加し、先月報告会を実施しました。
 住田研修員はサンパウロにある州立植物研究所で研究助手として働いています。今回「急速な都市化が進むブラジルの生態系保全のために、日本の生物圏保存地域における日本モデルの取り組みについて学びたい」という強い気持ちを持ってこの研修に参加しました。

研修で印象に残ったこと

地元でとれたはちみつ等の特産物

 住田研修員が研修で特に印象に残ったことは2012年にユネスコ エコパーク(※2)に登録された宮崎県綾町の取組みでした。「綾町では農産物や工芸品等、地元のノウハウを生かした製品を産出しています。町民、行政、NGOが手を取り合って有機農業に力を注ぎ、オーガニック製品のブランド化に取り組む等、住民の暮らしと自然に配慮した取り組みが進められていることに驚きました。」と住田研修員。この訪問を通して町の伝統と住民の暮らし、そして自然に配慮したエコツーリズムを視察することができました。

小学生が作った地元のブナ材を用いたハンカチ

 また福島県 只見町を訪れた際、ユネスコスクール(※3)に認定されている小学校で子どもたちを対象とした環境教育の現場を訪問しました。そこでは地元の自然材料を用いた環境教育を通じて、子どもたちが人と自然との共生を学ぶ機会が設けられていたことにも感心したと言います。住田研修員は「このように子どもたちが、自分が生まれ育った土地についての理解を深め、その土地のことを好きになるためのプログラムは、環境保全と持続的な開発の両立を考えるための大切な教材であると感じました。」と話しました。

 住田研修員は日本で学んだことを活かし、将来はブラジルで全ての年齢層を対象とした環境教育に取組みたいと考えています。地球規模課題に取り組む日系人研究者としての住田研修員の帰国後の活躍が楽しみです。

(※1)MAB:人間と生物圏(MAB:Man and the Biosphere)(文部科学省HPより)
(※2) ユネスコ エコパーク:ユネスコが制定する「生物圏保存地域」の日本での正式呼称。生態系の保全及び持続可能な利活用を目的としている。 (文部科学省HPより)
(※3) ユネスコスクール: ユネスコ憲章に示されたユネスコの理念を実現するため、平和や国際的な連携を実践する学校。(文部科学省HPより)

日系研修員受け入れ事業とは

 中南米には177万人の日系人が暮らしています。彼らへの技術協力通じ、移住先国の国造りに貢献することを目的に実施している研修が日系研修です。毎年約140名の日系研修員が農業、医療、保健福祉、教育といった分野の研修を日本で受けています。