【教師海外研修】実践授業レポート from 神奈川県立磯子工業高等学校(岩崎 大輔教諭)

2017年12月8日

実践授業とは…

 実践授業とは、JICA教師海外研修に参加した先生方に、研修で得た経験を活用した授業プログラムを作っていただき、学校現場で実践いただくものです。

以下、岩崎先生のレポートです

【画像】 11月9日(木)17時45分から、定時制3年次生を対象とした「総合的な学習の時間」において、今研修に係る国際理解教育の実践授業を行いました。
 この時間に先駆けて、生徒はブラジルに関する基礎知識や、日系人の歴史について学んでいます。ブラジルに対して、「自然いっぱい」、「未開のアマゾン」のようなイメージを持っていた生徒たちは、高層ビルの林立する大都会、サンパウロの写真を見て驚いている様子でした。また、ブラジルには日系人が多いということも新しい発見で、ブラジルについて知らなかったことがたくさんあったという感想が得られました。

岩崎先生の授業の様子

 本時では、日系ブラジル人の活躍や現状、「デカセギ」で来日する日系ブラジル人について知り、今後、移民を受け入れる側に回るであろう日本国民として、何をすべきか考えることを目的としました。
 はじめに、日本で活躍している日系ブラジル人(芸能人や、スポーツ選手)の紹介をすると、「知ってる!」「そうなんだ」といった声が上がり、生徒が興味を持ついいきっかけになったと思います。そこから、私が実際にブラジルで出会った日系人の方々について、写真を交えて紹介していきました。前時で、日系人について学んだものの、実際に地球の反対側でこうやって多くの日系人が生活していることを不思議に思う生徒の表情も見て取れました。

外国人児童生徒等へのアンケート結果(一部)

 その後、日系ブラジル人が多い日本の街の紹介などを経て、今後、ますます外国人労働者が増えるであろう日本において、我々は何をすべきか、自分が外国に「デカセギ」に行くつもりになって考える予定でしたが、その導入として、クラスに在籍している外国人児童生徒等(※)へのアンケート結果を発表しました(3年次には、外国人児童生徒等が多く在籍しています。中でも、言語的なサポートを必要とする生徒6名に対して、事前に簡単なアンケートを行っていました)。 
 「日本に来ることが決まったとき、どう思いましたか?」という質問には、「たのしみ!」というものもあれば、「行きたくなかったです」というものもあり、人によって180度違うというところが、聞いてみないとわからない面白さでした。また、「日本の良いところは?」には、「道がきれい」と3人が回答し、逆に「日本の悪いところは?」に、2人が「ルール(が厳しい)」と答えるなど、思いがけない回答に、生徒は興味津々でした。普段から、同じ教室で過ごしてはいますが、こういったことについて話し合ったりしたことがなかったので、とても新鮮だったようです。一方、アンケートに答えた側も、自分がこのような形で授業に登場することを戸惑いつつも、楽しんでいる様子で、一段と周りの生徒との会話が弾んでいました。この様子から、外国につながる生徒たちは、チャンスさえあれば、自分たちのことを周りの人に知ってもらったり、アピールしたりしたいという欲求を持っているということ、また、日本人の生徒は、そういったことを知りたがっているということがよくわかりました。
 
 このアンケートが盛り上がり、自分が「デカセギ」に行くつもりになって考えるというところまではたどり着けませんでしたが、外国につながりを持つ生徒にスポットライトを当てることで、双方の理解が深まっていく手ごたえのようなものを感じることができたのが大きな収穫でした。
 時間の関係で、話し合ったり、作業をしたりしながら思考を深めるといった活動はできませんでしたが、この課題は次回以降の授業に生かしていきたいと考えています。



                          神奈川県立磯子工業高等学校 岩崎 大輔


※外国籍の児童生徒に加え、日本国籍であるが、両親のいずれかが外国籍である等の外国につながる児童生徒をあわせて「外国人児童生徒等」と定義する。(出典:下記リンク)