【神奈川県の先生方がJICA横浜で研修】 <レポート2>神奈川県教育委員会 国際教育研修講座

2017年10月19日

 8月21日(月)にJICA横浜国際センターにて神奈川県教育員会主催「国際教育研修講座」(※)が開催されました。
 本研修に、オブザーバーとして参加した「神奈川県教員 5年経験者社会体験研修」(関連リンク:レポート1参照)にご参加の先生方(寒川町立小谷小学校 椎野佳祐先生、藤沢市立善行小学校 藤原悟先生、茅ケ崎市立西浜中学校 小野多衣子先生、県立横浜明朋高等学校 大塚由美先生、県立大磯高等学校 杉山由紀子先生)に、レポートをしていただきました。

5年目経験者社会体験研修にご参加の先生方によるレポート

JICA横浜・倉科課長

<レクチャー:JICA事業説明及び開発教育支援事業について>
 研修ではまず、JICA事業説明及び開発教育支援事業についてJICA横浜市民参加協力課 課長 倉科和子氏からお話をいただきました。
 始めに、開発途上国の現状について、具体的な数字で説明がありました。印象的な数字は、「82人」と「8,688円」でした。これは何を表している数字でしょうか。
 「82人」は、もし、地球に暮らす人が100人だとしたら、開発途上国で暮らす人の数です。「8,688円」は、日本人1人が1年間でODA(政府開発援助)として支払っている額です。これは多いのでしょうか。それを考えるきっかけとして、ODAとJICA 事業について説明がありました。
 また、私たちにとって身近なJICA 横浜の事業として、教員が2週間程度開発途上国に訪問する「教師海外研修」、教員向けの「開発教育教員セミナー」、中高生を対象とした「国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト」、市民の国際理解促進のためのイベントやセミナーの説明もありました。
 これらのお話をとおして、私たち教員は、子どもと世界をつなぐ窓となり、子どもたちの目を世界へと向けられるよう、教育実践に取り組んでいきたいと感じました。

神奈川総合産業高校 増山教諭

<レクチャー:私と開発教育>
 神奈川県立神奈川総合産業高等学校の増山一光 教諭より「私と開発教育」というテーマでお話をいただきました。1つ目は学校設定科目「国際協力」について、2つ目は「教師海外研修」についてのお話でした。
 増山先生は学校で設定された科目「国際協力」の担当教員として、さまざまな工夫をこらしながら取り組んでおられました。開発教育に具体的な学習目標を設定し、何のために学ぶのかを、生徒たちに伝えながら授業をしているようでした。授業では、教科書を使用せず、国連・外務省・JICA のパンフレットなどを活用し、座学とアクティビティ(フォトランゲージやグループ学習など)を織り交ぜながら生徒の国際協力への意欲・関心を高めていました。
 ご自身が参加した教師海外研修での印象的なエピソードもお話しくださいました。研修先であるタンザニアの現地の方々に「日本の何に興味があるか」と尋ねた時のこと。増山先生は、今の日本の文化やサブカルチャー(漫画など)についての返答を予想していたそうですが、実際は「日本は1945年の原爆投下からどうやって立ち上がったのかについて興味がある」という歴史に関する返答が衝撃的で印象に残っているそうです。
 ご自身の経験談も盛り込んだ授業の実践は、生徒の視野を広げる授業としてとてもすばらしいと思いました。

ワークショップのようす

<授業で活用できる国際教育・開発教育教材の紹介と体験ワークショップ>
 「授業で活用できる国際教育・開発教育教材の紹介と体験ワークショップ」として、開発教育協会/DEARが作成した、多文化共生と人間尊重を考えるカードゲーム『レヌカの学び』を使いワークショップを行いました。
 ネパールという「国」ではなく、レヌカさんという1人の女性の視点に立って、日本の生活や文化との違いについて学びました。私たちが最も印象に残っているのは、食文化について。「ネパールでは1日に2食の生活習慣のため、朝ご飯を必ず食べるそうです。また、野菜や果物は手に取って一つひとつ確かめて購入するようです。日本のスーパーマーケットでは鮮度や清潔を保つため、多くがパッキングされていて、選べない状態で不親切だと不思議に思った」という言葉でした。
 このワークショップから、私たちは自分たちの生活や経験から物事を判断していることに気付かされました。先入観にとらわれず、広い視野を持って考える事の大切さを学びました。

メディア総研福田氏

 以上の内容で、国際教育研修講座は終了しました。
 その後、希望者のみの参加により、JICA横浜開発教育教員向け研修運営事務局である株式会社メディア総合研究所 福田訓久氏から国際理解教育/開発教育に活用できるファシリテーション等についてお話しいただきました。 ファシリテーションや他者理解と自己理解についてなど、学校教育をより豊かにする為には、何が必要かを考えさせられる内容でした。
 話の中で挙げられた「人は人中、田は田中」という諺のとおり、どんなにIT化が進んでも、人は人との関わり合いによって成長するものだと再認識しました。教師という仕事の大切さと責任を改めて感じ、今まで以上に自己啓発に取り組み、生徒に還元していきたいと思いました。

執筆者:寒川町立小谷小学校 椎野佳祐、藤沢市立善行小学校 藤原悟、茅ケ崎市立西浜中学校 小野多衣子、県立横浜明朋高等学校 大塚由美、県立大磯高等学校 杉山由紀子

※「国際教育研修講座」は、神奈川県の小・中・高等学校・特別支援学校の教員を対象とした研修で、講義・演習を通して国際教育の現状及び取組についての理解を深めることを目的としています。