草の根技術協力開始より1年〜パラグアイからの報告<その2>

2017年11月22日

ラ・コルメナ市からコロネル・オビエド市へ〜活動の拡大

 2017年9月8日(金)、カアグアス国立大学のキャンパス内でカアグアス国立大学、ニホン・ガッコウ大学、そしてプロジェクト実施団体である横浜国立大学の三者間で協定が結ばれ、コロネル・オビエド市でも正式にプロジェクトの活動が始まることとなりました。そして10月以降、オビエド市のトゥジュ・プク地区、サロ・カロ地区、サント・ドミンゴ地区、ラス・メルセデス地区にて、順次スタンダードコースが開始されています。また、ラ・コルメナ市ではスタンダードコースを終了した受講生23名がアドバンスコースに進むなど、プロジェクトは一気に新展開を迎えています。
 コロネル・オビエド市とラ・コルメナ市での活動、その様子を引き続き現地・パラグアイ事務所よりお伝えします。

解放感のある庭で講習会

【コロネル・オビエド市】

 10月17日、コロネル・オビエド市サロ・カロ地区にてスタンダードコースの講習会が開かれ、地域の女性18名が参加しました。当日のテーマは、手洗いとバナナケーキの作り方。講習会はミゲラ・アキノさんという女性の自宅の庭で行われ、受講生たちもリラックスした雰囲気。しかし、講師の説明には全員真剣なまなざしで聞き、前回学んだことを質問するなど、学びたいという姿勢にあふれていました。
 “都市部から離れたこの地域に人が来ることは少ないので、来てくれるのがすごく嬉しい。指導してくれることは何でも覚えたい”と、受講生たちは笑顔を見せました。

コスト計算の復習(左)・桃のジャム作り(右)

【ラ・コルメナ市】

 10月19日、ラ・コルメナ市で開催されたアドバンスコース、朝の雨が影響したのか17名の参加となりましたが、当日は桃のジャムとトマトピューレの作り方からコスト計算までの復習が行われました。
 講習会開始に先立ち、講師陣より女性団体の設立や、学んだことを実践する機会として毎週土曜日に開催されるミニフェリアに参加してはどうか、という提案がありました。ミニフェリアへの参加については受講生たちの中から“ジャムといった加工品は売られているのを見たことがないからジャムを出したら売れる”という声が聞こえてきました。また、講師の説明を終始メモに取るほか、講師の“これからは先輩になるから調理器具の片づけ等、しっかり手本になるように”という言葉には一瞬空気が揺れ全員姿勢を正す等、1人1人の「意識が高くなった」ように感じます。
 

指導するグラディスさん(左)

【講師陣の想い】

 コロネル・オビエド市とラ・コルメナ市の両日、講師を務めたグラディス・ブリトスさん(カアグアス国立大学教員(栄養学)、JICA帰国研修員)に最近のプロジェクトの状況について伺うと、コロネル・オビエド市での講習会はこれまで地域住民の共同活動(ご近所の方の治療費を工面する昼食会の開催)等により、二回延期せざるを得なかったとのこと。
 「この事業(講習会)の大切さを感じてもらうためには、まずこちらから彼女たちのライフスタイルを尊重しているという姿勢を見せ、誠実に相互理解と信頼を築いていかなくてはなりません。コミュニケーションは傾聴から始まります。」農村女性への想いからか、ぐっと声のトーンがあがりました。

オルガ講師。充実感に満たされています

 ラ・コルメナ市の講習会に参加した講師のオルガ・ガビランさんは “私自身、貧困の出で苦労しつつも子供を三人(弁護士、技術者、医者)育てることが出来た。今感じている達成感と感謝の気持ちを多くの農村女性にも感じてほしい。その一心でプロジェクトに関われることが嬉しい。”とコメント。オルガさんの笑顔には充実感にあふれています。

【画像】                   パラグアイ事務所 
                   NGO-JICAジャパンデスク 大石未来