【草の根報告】みんなの力で女性に対する暴力のない安心な村づくりを!inインド

2017年12月19日

全校生徒が参加したポスターコンテスト

表彰された優秀作品

 “認定NPO法人地球市民ACTかながわ/TPAK”は、2014年から草の根技術協力事業(パートナー型)インド「最貧困層居住区におけるジェンダーによる暴力の抑止プログラムとセーフティネットの構築」(※1)を実施しています。
 2017年11月4日〜11月14日には、現地(インド)へ渡航し、事業対象地の村々で行われた「ジェンダー平等意識啓発やDV(ドメスティックバイオレンス)を受けたときに相談のできるしくみを普及する集会」に参加したり、日本人専門家によるリーダー・教師・警察官・村の女性を対象とした「DVとトラウマの理解とその対応に関する研修」の実施や、ジェンダー平等・DVをテーマにした中学校ポスターコンテスト(写真)の開催などの活動を行いました。
 
 以下、地球市民ACTかながわ/TPAK 板倉玲子さんによるこれまでの活動報告です。

今回の草の根事業を開始するまでと現地の事情 

 地球市民ACTかながわ/TPAKは、インド北部ウッタラーカンド州で2003年から活動を行っています。最初は子ども達の衛生教育から始め、女性の自立支援、リーダー育成、栄養と健康改善に関する活動を行ってきました。
今回の事業で活動対象としている10村はヒマラヤ山脈の麓に位置し、インドの中では少数派とされるイスラム教徒や、アウトカーストの人々(ヒンドゥー教の宗教的身分制度に属さない人々)が多く住む土地の痩せた気候の厳しい農村地域です。多くの人々は、日雇い労働や小作農に従事しており、収入が不安定で貧しい生活を強いられています。
 伝統的慣習により女性の地位が低く、ダウリー(女性側から男性側へ贈与する婚資金)、幼児婚、多産、女児堕胎、低学年での教育の断念、低い識字率、農作業や家事の重労働などの問題をたくさん抱えています。そして、私たちの10年に亘る活動でようやく見えてきたのが、取り扱いが難しいテーマであるDVの問題であり、その抑止事業の必要性です。

課題解決への取り組み

 男性だけでなく、女性たちの多くも夫から妻への暴力をごく当然と考えており、女性が暴力を受け、心や体に傷を負っていても、家族の恥として口外することができません。被害を警察に通報することは、村の和を乱すことに繋がり、被害者が村で暮らせないことになります。女性たちは教育も受けておらず、村の外に出ても働いて自立していける可能性は極めて低いのです。
 このDVの問題を解決するためには、村民のジェンダー平等意識を向上させ、村の中にDVを相談できる仕組みとなる安全網(セーフティネット)を作り、村全体が女性への暴力を抑止するセーフティネットとなることが求められます。
 本事業では、研修を通した男性・女性リーダーの育成、リーダーを中心とし、村の有力者を巻き込んだセーフティネットグループの結成、被害を受けた女性たちの避難場所となるDIC(ドロップインセンター)や村で女性たちが駆け込める場所(ヘルプスポット)の設置を行い、DV被害者が相談できる環境や問題を村の中で解決する仕組みを作っています。

インドの学校での啓発活動

ポスターコンテスト
(上)入賞した男子学生とその作品
(下)村で見た光景を描いた女子学生

 ジェンダー平等意識を向上させていくには、若い時からの啓発や教育が重要です。そのため、本事業では年に4回、村の中学校や高校でジェンダー平等やDVをテーマとした「ポスターコンテスト」や「クイズ大会」などを開催し、優秀作品や優秀者を表彰しています。
 理解ある校長先生や協力的な先生も現れ、集会のときに全校生徒に対し、ジェンダー平等について話をしたり、学校のカリキュラムに加えたいという学校も増えてきました。子どもが学校で学んだことを家で両親に伝える波及効果も見込まれ、家庭および村全体が暴力を抑止するセーフティネットになることを目指しています。

■「ジェンダー平等」ポスター展
2018年2月2日〜2月27日まで、JICA横浜2階回廊にて、
インドから届いたポスターコンテストの優秀作品の展示を行います。ぜひ、遊びに来てください(入場無料)。