【草の根報告】コーヒーは人をつなぐ〜インドネシア・フィリピンコーヒー生産者組織経験交流報告〜

2017年12月19日

研修での集合写真

 特定非営利活動法人WE21ジャパンは、2017年9月28日から10月5日にかけて、草の根技術協力事業(支援型)「フィリピン・ベンゲット州トゥブライ郡コーヒー栽培農家のコーヒー品質向上のための組織強化プロジェクト」の活動として、事業対象地の3つのコーヒー生産者組織の6名と共に、先進的な活動を行っているインドネシアのコーヒー生産者組織を訪問し、経験交流研修を行ってきました。

 以下、この交流を通じた学び合いの成果について、プロジェクトマネージャの小池絢子さん(WE21ジャパン)からの報告です。

コーヒーはひとをつなぐ〜ネットワークと組織化がマーケティングの鍵〜

全ての学びは経験交流によって行われた

 今回のインドネシア研修から得た大きな学びは、「ネットワークの重要性」でした。研修で訪問した協同組合“KSU COOP”(正式名称:KSU POM HUMBANG COOP&MASPEKAL)は、かつて組織として機能しなくなってしまった過去があります。その理由は、適切な人員の配置等の組織強化がなされないうちに、フェアトレード認証の取得、日本へのフェアトレードといった大きな活動を行ってしまったためでした。その経験から、「組織化が重要」と学んだKSU COOPは、地域の様々なセクターと協力して地域全体でコーヒー販売を行うという、地域のネットワークを活用した販売を展開し、のちに成功を収めました。「コーヒーツアー」はその事例の一つ。近隣に東南アジアで最大の湖、トバ湖という観光資源があることを活かして、地域の観光局と連携し、内外からの観光客をKSUがネットワークを構築している地域のカフェや農園に案内し、観光を楽しんでもらいながら地元コーヒーのアピールを行うことで、地域全体の生計向上につなげています。

インドネシアでの学びを活かすために〜競争ではなく協力したコーヒーづくりを〜

研修参加者がそれぞれの学びを報告

研修参加者のリーダーシップでインドネシアの学びを活かす活動計画が作られた

 「ネットワークを活かし、地域全体で生計向上を図る」というKSU COOPでの学びは、研修参加者たちにとって大きな意識改革となったようで、フィリピンへ帰国後すぐに参加者たち自身から「3つの生産者組織が連携したコーヒー生産計画」が提案されました。これまで各組織がそれぞれにコーヒーを生産し、収穫、加工、販売を行う構想を抱いていましたが、各組織が役割分担をし、3組織で協力してコーヒーを生産・販売するという新しい構想が掲げられたのです。
 「競争ではなく協力してコーヒーをつくる」……この構想を踏まえ、帰国後10月2日〜10月4日には、各生産者組織でインドネシア研修の報告とそれを受けての活動計画作りが行われました。ワークショップ形式でやってみたい活動を付箋で挙げてもらい、それらの活動を「今必要な活動かどうか」「実現可能かどうか」を基準に優先順位を付け、活動計画を立案しました。このワークショップではインドネシア研修参加者が積極的にリーダーシップを取り、最後には彼らが自らファシリテーター(進行役)を務めていました。
 インドネシアでの事例で、コーヒー生産における組織強化と組織間の協力の重要性を学んだ生産者たち。WE21ジャパンは、インドネシアがつないだ三組織共同でのコーヒー生産の夢が叶うよう、草の根プロジェクトを通じた支援を続けていきます。