【日系研修5】日本の経営事例を学び、ビジネスのさらなる発展につなげる

2017年12月21日

行方タチアナさん(左)と植田カロリーナ真夢さん(右)

 日系研修「起業・後継者のための経営力強化」コースに、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、ペルーの日系人10名が参加しました。このコースは起業者、事業経営者を対象に、経営改革や新規事業等の事例を通して、事業経営のノウハウや失敗しない経営のポイント等を習得することを目的として実施されました。

 研修員はそれぞれが起業していたり、家族が始めた事業の後継者だったりなど、様々な形で事業運営に携わっています。分野は食品、ホテル、IT、自動車産業、アパレル等と様々ですが、各自が事業を運営するにあたっての課題を克服したい、また事業の拡大を模索したいといった、共通の目的をもって研修に臨みました。

 今回は10名の中からブラジルの研修員2名をご紹介します。

行方タチアナさん

 行方(なめかた)タチアナさんはブラジルでリハビリクリニックを経営しています。理学療法士としての資格や経験はあるものの、さらに経営力・営業力を強化して数年後には事業を拡大したいという目的をもって研修に参加しました。市場分析や財務分析等の経営にかかわる手法だけではなく、ビジネスパートナーとの関係構築やモチベーション向上も事業経営における重要な要素となることを学ぶことができたそうです。また、リハビリなどを行っているブラガンサパウリスタ文化協会老人会で勉強会やセミナーを開催することも計画しており、現地日系社会においても高齢者の健康維持に貢献したいとの意欲を語ってくれました。

植田カロリーナ真夢さん

 植田カロリーナ真夢(まゆめ)さんは家族で経営している食品会社で部長を務めています。従業員数は100名、ブラジル人の大好きなコッシーニャ(ブラジル風コロッケ)やポンジケージョ(チーズパン)を製造し大型スーパーマーケット等へ卸しています。コスト削減や増益のための知識を得て事業拡大を目指すため、本研修に参加しました。研修の中で具体的なアクションを考えることができ、帰国後に取り組むべきことが明確になったようです。
 会社の経営方針や戦略は経営の実権を握る植田さんのお父さんが考えていらっしゃいます。多くの従業員を抱える企業なので、その経営方針や戦略を社内全体で共有することの重要性も研修の中で学びました。講師の先生からは、従業員の目につくところに基本理念や方針、戦略を掲げることを勧められました。簡単なことですが社員に経営者の考えを伝えるには非常に有効な手段となります。

帰国後のビジネス展開を期待

 研修の最後に、研修員は各自の事業を詳細に分析し、それぞれのビジネスプランを作成しました。このプランは短期・中期・長期ごとの取り組みについて記載しており、自分自身の進捗管理のみならず、社員との意思統一やスポンサー等協力者への説明にも活用できるものです。定期的に見直し、軌道修正をしていくことで、より良い事業経営が実現できることでしょう。
 今後、研修員のみなさんがそれぞれのビジネスをさらに発展させていくことを期待したいと思います。

【画像】全員のビジネスプラン発表を終え、無事に研修終了

日系研修員受け入れ事業とは

 中南米には213万人の日系人が暮らしています。彼らへの技術協力を通じ、移住先国の国造りに貢献することを目的に実施している研修が日系研修です。毎年約140名の日系研修員が農業、医療、保健福祉、教育といった分野の研修を日本で受けています。