【教師海外研修】実践授業レポート from 横浜市立港南台ひの特別支援学校(池野 絵美教諭)

2018年1月19日

実践授業とは…

 実践授業とは、JICA教師海外研修に参加した先生方に、研修で得た経験を活用した授業プログラムを作っていただき、学校現場で実践いただくものです。

以下、池野先生のレポートです

【画像】 12月8日(金)、横浜市立港南台ひの特別支援学校の中学部1年生を対象に、国際理解教育の実践授業を行いました。

【中学部1年生での取り組み】
 今年度、中学部1年生の生徒たちは、ブラジルの子どもたちに宛てて手紙を書いたり、学校祭で「いろいろな国の音楽」をテーマに発表に取り組んだりして、外国の文化に親しんできました。その他にも、音楽を表現したり、国旗を造形したりする活動を通して、言葉や地理にも関心を広げていきました。そして今回、生徒たちは、世界にいろいろな国があることへの理解を深め、異なる文化との出会いの楽しさや喜びを感じたり、それぞれの文化の違いや良さに気づいたりすることを目標に、ブラジルの食や音楽を体験する活動に取り組んでいます。

【実践授業の流れについて】
 12月8日の授業では、下記(1)~(4)の順で「ポン・デ・ケージョ」(ブラジルで親しまれているチーズパン)の調理実習に取り組み、ブラジルの食文化を体験しました。

(1)ブラジルの食文化をしろう
 授業の冒頭では、「ポン・デ・ケージョ」に関するクイズとともに、ブラジルの食べ物を紹介しました。生徒たちは「ポン・デ・ケージョ」という聞きなれない言葉に、「これから何を作るのかな?」という疑問や期待をもち、興味津々な様子でした。
 ブラジル渡航時の飛行機内から撮ったブラジルの風景や、生徒たちが書いた手紙をブラジルの子どもたちに届けたときの写真を見せると、「飛行機乗った?」、「お友達?」等の声が聞かれ、生徒たちは、自分が書いた手紙がブラジルに届いたことを知り、うれしそうでした。
 世界地図の学習をしてきた生徒が、日本からブラジルへ飛行機を飛ばし、みんなでブラジル旅行へ出発!しました。

【画像】(2)ブラジルのポン・デ・ケージョをつくろう
 今回、「ポン・デ・ケージョ」の材料には、ブラジル食品店で購入した粉を使用しました。この粉は、袋を開けた瞬間にチーズの香りがあたり一面に漂います。生徒たちは、おどろいた顔をしたり、何度も嗅いでみたり、さまざまな反応が返ってきました。材料を混ぜているときには、「チーズの匂い!」、「つよい」等の感想がでました。粉をこねて感触を確かめたときには、「もっちり」や「やわらかい」等の感想がでました。
 生徒たちはオーブンの前に集まり、焼き上がりを楽しみにしていました。

【画像】(3)ブラジルと日本の食べ物をくらべてみよう
 ポン・デ・ケージョのできあがり。このときには「いい匂い」という感想が多く聞かれました。授業では、日本とブラジルそれぞれに異なる食文化があることへの理解を深めるために、給食室と連携して、普段から食べ慣れている「給食の食パン」と食べ比べたり、「マテ茶」と「緑茶」を飲み比べたりする機会を設けました。生徒たちは、それぞれの味や香り、見た目の特徴を感じたり、その違いを考えたりしました。ポン・デ・ケージョは「もちもち」、「まるい」、「チーズ」、食パンは「ふわふわ」、「やわらかい」、マテ茶は「甘い」、「色が麦茶みたい」、緑茶は「苦い」、「緑色」など、さまざまな感想がでてきました。それぞれの写真や感想を、ワークシートで日本とブラジルに分けながらまとめました。

(4)まとめ
 調理実習を振り返り、それぞれのクラスで出てきた感想を発表しました。さまざまな感想が聞かれたなかでも、一番多かった感想は、それぞれ「おいしい」、「すき」、「いいにおい」でした。生徒達には、異なる文化に関心をもち親しむことは、私たちの生活を豊かにすることにつながること、これからも異なる文化との出会いを前向きに楽しんでほしいことを伝えました。この日の給食はロシア料理のボルシチ。最後に飛行機はブラジルからロシアへ飛び立ち、授業を終えました。

【今後について】
 ブラジル研修では、寿司や焼きそば等、さまざまな日本食が親しまれている様子に触れることができました。今回は写真で少し紹介するに留まりましたが、それぞれの文化の良さを受け入れ生活を彩る姿として、機会を見つけて生徒達に伝えていきたいと思いました。
今回の研修を通じて、ブラジルという国について知ることで、日本の文化を振り返る機会を多く得ることができ、また国境を越えた人の交流や絆の大切さを感じました。今後も研修で学んだことを生かしていきたいと思います。

                       横浜市立港南台ひの特別支援学校 池野 絵美


                 ◆◇◆お知らせ◆◇◆

研修の最終報告会を2018年2月4日(日)「よこはま国際フォーラム2018」での分科会で行います!

 ※報告会は、「よこはま国際フォーラム2018」(2月3日・4日の2日間)のプログラムの一つ
  として開催されます。
  受講希望の方は、よこはま国際フォーラムへの事前参加申込および参加費が必要となります
 (当日申込もあり)。詳細は、下記関連リンクにてご確認ください