【教師海外研修】実践授業レポート from 山梨県立甲府城西高等学校(小沢 智子教諭)

2018年1月26日

実践授業とは…

 実践授業とは、JICA教師海外研修に参加した先生方に、研修で得た経験を活用した授業プログラムを作っていただき、学校現場で実践いただくものです。

以下、小沢先生のレポートです

【画像】 12月6日(水)6校時、私が担任する高校2年生クラス(36名)において、実践授業を行いました。この日は、単元の最後の授業だったため、これまでの学習の総まとめとして、自分たちでSDGsをつくる活動を行いました。

【実践授業における目標】
 私は、この実践を行うにあたり、2つの目標を掲げました。
1つ目は、「地理歴史科の教員として、私の専門科目である日本史の授業にも、そして沖縄への修学旅行の事前学習にも応用できる授業を開発したい」ということ。
 2つ目は、この授業を通して、生徒たちに「世界で起きていることを我が事として捉え、考え、判断し、問題解決のために行動できる地球市民となって欲しい」というものです。
 生徒たちは、すでに総合的な学習の時間の中で、沖縄について歴史や文化を学んでいました。その中で、いかに沖縄とブラジルとをリンクさせるかが、ポイントとなりました。

【今回の実践授業に流れ】
 今回の授業は、アニメ動画「100年前のブラジルにタイムスリップ!」(※1)の登場人物になったつもりで、「自分だったら…」と共感的な学びを通して、「共生」や「異文化理解」について考える時間としました。授業の流れは以下の通りです。
1.前の時間に「ケンイチ(※2)」の立場になって考えた回答を見直し、学習内容を思い出す。
2.逆の立場の「ファビオ(※3)」の立場になって、「自分だったら…」という視点で考える。
3.双方の立場にたって、「最も適当」なSDGsを選ぶ。
4.「移民」に関する18個目のSDGsをつくってみる。

【自分なりのSDGs作りに取り組む】
 3のそれぞれの立場にたってSDGsを選ぶ場面では、「ケンイチはこれだよね!」、「ファビオはブラジルから来たのだから、ブラジルにはこういうのが必要じゃない?」などと、それぞれの立場から想定し様々な意見が飛び交いました。意見が対立したグループもありましたが、お互いの意見に耳を傾け、納得するまで話し合い、グループとしての見解を導き出すことができました。
 それぞれのグループが選んだSDGsの目標を並べ、「色々選んでくれたね。でも、先生は、移民に関して、これだ!と思うものがないんだよね。だから、みんなだったら、どれを選ぶか教えてもらいたかったの」と切り出し、「これまで学習したことを踏まえて、移民について自分なりに18個目のSDGsをつくってみよう!」と呼びかけると、生徒たちはそれぞれ自分なりのSDGsをつくりはじめました。時間内に完成させることはできませんでしたが、作業に取り組む様子から、生徒たちなりにこの実践授業を「解釈」していることが感じられました。

【実践授業後の取り組みについて】
 この実践授業後、本校2年次生は沖縄への修学旅行に出発します。私のクラスは、2日目のクラス別行動で南風原文化センター(※4)を見学する予定です。沖縄からはブラジルをはじめとした国々へ多くの方が移民をした歴史があり、センターでは沖縄の移民の歴史も学ぶことができます。センターから頂いた「ワークシート」に記入しながら見学することで、「移民学習」の総まとめとしたいと考えています。

                          山梨県立甲府城西高等学校  小沢 智子


※1:アニメ動画「100年前のブラジルにタイムスリップ!」
   公益財団法人 浜松国際交流協会(HICE)が公開しているアニメーション教材。
※2:ケンイチ
  上記アニメ動画の登場人物。中学生。
  (本校には外国籍の生徒が複数在籍しており、「共生」や「異文化理解」は目の前に迫る問題と
   なっている。そのため、このアニメを活用して、「自分事」として考える機会を設けた)
※3:ファビオ
  上記アニメ動画の登場人物。ケンイチが在籍する中学校にブラジルから転校してきた。
  日本語が分からない設定。

※4:南風原文化センター
  南風原文化センターは、南風原・沖縄に関する歴史資料や沖縄戦に関する展示、そして移民や
  むかしの暮らし等の展示を行っています。

                 
               ◆◇◆お知らせ◆◇◆

研修の最終報告会を2018年2月4日(日)「よこはま国際フォーラム2018」での分科会で行います!

 ※報告会は、「よこはま国際フォーラム2018」(2月3日・4日の2日間)のプログラムの一つ
  として開催されます。
  受講希望の方は、よこはま国際フォーラムへの事前参加申込および参加費が必要となります
 (当日申込もあり)。詳細は、下記関連リンクにてご確認ください