【教師海外研修】実践授業レポート from 横浜市立本宿中学校(露崎 麻沙夫教諭)

2018年1月30日

実践授業とは…

 実践授業とは、JICA教師海外研修に参加した先生方に、研修で得た経験を活用した授業プログラムを作っていただき、学校現場で実践いただくものです。

以下、露崎先生のレポートです

写真1:グループワークの様子

 12月15日(金)に、私が担任している中学2年生のクラス(28名)を対象に、社会科の授業として教師海外研修の実践授業を行いました。

【実践授業について】
 「日系人は日本の宝だ」。ブラジルに渡ったある日系の方が言っていた言葉です。日系の方々と交流をしていく中で、素晴らしい方々と出会う機会をもつことができました。私は、社会科の教員として、「移民」「日系」について伝える責任と義務を強く感じました。
 今回の授業では、ブラジルには日本に関わるものが多いことに「気づき」、私が研修で出会った素晴らしい日系人の存在、活躍(ジャポネス・ガランチード(訳:信頼される日本人))を「知り」、「移民」「日系人」のことを「伝える」ことをねらいとして授業を行いました。

【実践授業の流れ】
 今回の授業は、以下の流れで行いました。

(1)フォトランゲージ(※1)
  「ブラジル?日本?どちらの国で撮られた写真か分けてみよう!」
(2)「なぜブラジルに日本のものが多くあるのだろうか?」について考える
   個人予想→班で共有→班で一つの予想をクラス全体に発表する。
(3)「日系人」「移民」について知る
   ・日系人の定義 ・現在の日系人の数 ・ブラジルで出会った日系人 
   ・研修で訪問した日系人に関する施設等の紹介
(4)「なぜモニュメントや、日本人街ができるほど、日本のものが浸透したのか?」
   「みんなが日々生活している中で、大事にしていることは何だろう?」 
   →問いについて考え、発表する。日々生活で大切にしていることが認められ、現在のジャポネ
    スガランチード(信頼される日本人)という言葉として残っていることに気づかせる。
(5)日系人の皆さんと「ふるさと」を歌う動画視聴。
(6)振り返りを行う。

写真2:日系社会から通じた日本の制度の信頼によって、サンパウロ州の警察に採用されている

写真3:実践授業の様子

(1)フォトランゲージの活動では、答え合わせの際、日本食や習字などブラジルに日本のものが多く存在していることに対して、「えーっ!」「そうなのー?」と、驚きの声が多くあり、日本とブラジルの意外な接点に気づいてもらえたようです。(写真1)

(2)「なぜブラジルに日本のものが多くあるのだろうか?」という問いに対しては、「ブラジルの人は日本が好きだから」という予想が大半でした。もちろん、移民について気づいている班もありました。

(4)生徒が日々大事にしていることとしては、「あいさつ」や「礼儀」「感謝」「思いやり」などが挙がり、日系社会の信頼に関する事柄を紹介しました。(写真2)。日々大事にしていることが、信頼につながるということに少しでも気付いてもらえていればと思っています。

(5)日系人の皆さんと「ふるさと」を歌う動画を視聴した際は、生徒もシーンとして観ていました。今でもその時のことを思い出すと熱い想いがこみあげてきます。涙を流す人もいながらのふるさとの合唱は、今でも自分自身忘れられません。(写真3)
 
【実践授業に対する生徒の感想】
 日系の方々との素晴らしい出会いを通して、「現在の日系の方々の存在を知ってほしい!伝えたい!」という強い気持ちで今回の授業実践を行いました。以下、生徒の感想です。

・「日本とブラジルの関係が深く、日本人は信用されているということがすごく嬉しかったです。それは、今ブラジルにいる日系人の方々のおかげだと思ったので、それに恥じないような生活をしていきたいと思いました」
・「ブラジルのイメージががらりと変わり、日本への信頼の気持ちに驚きました。また、私達日本人もその気持ちに応えられるよう、日系人の存在を広めていけたらいいなと思いました」
・「こんなにも日本らしい景色、物がブラジルにあると知ってとても嬉しくなりました。驚くようなものばかりで、遠い国だけど親しみが感じられてブラジルをもっと知りたいと自分自身も思いました。そして実際に行ってみたいと感じました」
・「ブラジルに日本の文化がたくさんあるということに驚きました(リベルダージ東洋人街に鳥居があったことなど衝撃を受けました)。ブラジルと日本は遠いけれど、こうやって文化を通して交流して、つながれたらいいなと思います。よりブラジルについて知れたので良かったです」

 このように、生徒から前向きな感想が多くみられたことがとても嬉しかったです。今後も、一度きりではなく、「持続的な」実践ができるように、学び、実践していきたいと思います。

                            横浜市立本宿中学校 露崎 麻沙夫

                 
               ◆◇◆お知らせ◆◇◆

研修の最終報告会を2018年2月4日(日)「よこはま国際フォーラム2018」での分科会で行います!

 ※報告会は、「よこはま国際フォーラム2018」(2月3日・4日の2日間)のプログラムの一つ
  として開催されます。
  受講希望の方は、よこはま国際フォーラムへの事前参加申込および参加費が必要となります
 (当日申込もあり)。詳細は、下記関連リンクにてご確認ください