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【研修報告】研修員の福岡県研修旅行~東ティモール国別研修「違法・無報告・無規制(IUU)漁業の抑止にかかる政策・対策」~

2018年2月1日

福岡県漁業取締船しんぷうの視察にて

 JICA横浜国際センターは、昨年度に引き続き東ティモール国別研修「違法・無報告・無規制(IUU)漁業の抑止にかかる政策・対策」を実施しました。東ティモールでは、多くの外国船によるIUU漁業により毎年多額の被害が発生しています。東ティモールから水産局職員と海上警察官が参加し、日本でのIUU漁業抑止の取り組みを学び、必要な政策及び対策とその実施体制についての理解を向上するとともに、水産資源管理及び地域発展の視点を備えた対策能力の向上を目指しました。

福岡県にて研修

九州漁業調整事務所での漁業取締講義の様子

水産庁漁業取締船白鴎丸の視察の様子

福岡県漁業取締船しんぷうの視察の様子

鐘崎漁港での視察の様子

 2017年12月6日~12月8日の3日間、福岡県での研修旅行を実施しました。

【水産庁九州漁業調整事務所と福岡県農林水産部】
 水産庁と県それぞれの担当者から漁業取締についての講義をいただき、取締業務内容の類似点や相違点を理解すると同時に、両者の連携体制について学びました。研修員の多くは、日本の漁業取締の現場では、違法漁船を拿捕した際、48時間という限られた時間で事案処理が進められている事に大きな驚きと関心を示しており、沢山の質問が上げられました。研修旅行初日には水産庁漁業取締船白鴎丸の見学を行い、研修員は数々の最新の設備に目を輝かせていました。翌日には福岡県漁業取締船しんぷうの乗船視察を行い、GPSプロッターやレーダー等の機器の具体的な使い方について説明をいただき、研修員は講師の指導に真剣に耳を傾けていました。

【宗像漁業協同組合】
 自国漁船が自国海域で操業していると常に洋上に漁業者の目があり、当局への通報も容易に行われるため、違法行為はしにくくなります。この状況が外国漁船の違法行為の抑止につながります。そのためには自国漁業の振興が必須であることから、漁業振興の事例を見学するために研修旅行最終日に鐘崎漁港を訪問しました。ここでは、漁業振興のための施設として、製氷施設や冷蔵・冷凍施設、鮮魚センター等を見学しました。宗像漁業協同組合の事業内容説明では、研修員は特に漁船の建造支援や漁具等の購入のための貸付等を行う信用事業に大きな関心を示しました。「信用事業は零細漁業者の事業拡大を容易にし、収入や生活の安定化にも貢献する」とのコメントが上がりました。訪問時期が12月上旬だったこともあり、宗像市鐘崎のみに伝わる正月料理「のうさば」(別名:鐘崎かずのこ)が荷捌き所の竿に吊るされている様子も見学をすることができ、日本の正月・食文化に触れる機会にもなりました。

 東ティモール水産局からのペドロ研修員は、特にIUU漁業取締当局による取締り・事件捜査を学ぶための講義・視察が有益であったとコメントしています。実際にどの様に海上で違法漁船を発見し、取締官が移乗し捜査を行うか、拿捕した際48時間という短時間にどのような捜査手法で事案を処理するかということを理解出来たそうです。今後、東ティモールに適応可能な取り締まり方法を官民セクターが協力して確立し、実施準備していきたいと意欲を燃やしていました。

 今回の研修成果が、将来の東ティモールのIUU漁業の抑止に反映され、IUU被害の減少に貢献することを期待しています。

                     (記事制作協力)一般社団法人マリノフォーラム21

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持続可能な開発目標(SDGs)への貢献

SDGsとは、2015年9月の国連総会で採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」と題する成果文書で示された具体的行動指針。17の個別目標とより詳細な169項目の達成基準からなる。

本研修コースは、SDGsで定められた17の個別目標のうち目標14.「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」への貢献が期待される。