【日系研修1】帰国研修員からの活動報告ー工場における5S活動の実践(後編)ー

2018年7月10日

2017年度日系研修「改善と5S(1)」コースに参加したボリビアの島袋誠(しまぶくろ・まこと)さんから届いた、帰国後の活動報告(後編)をお届けします。前編では、5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)活動の「整理」「整頓」に関する活動の展開をご紹介しました。後編は、残りの3つ「清掃」「清潔」「しつけ」について、そしてさらに島袋さんの5S活動が生んだ成果についてもご紹介します。

会社の上層部を巻き込んだ5S活動の展開

(2017年7月22日)
各部署の責任者(多くが日系人)を対象とした、5S活動の研修会を実施しました。

(2017年7月24日)
5S活動について視覚化した5Sボードの作成に取り掛かりました。活動を視覚化しておくことは、5S活動の4つ目「清潔」、5つ目「しつけ」の活動が始まった際に重要な役割を果たすものです。

(2017年7月27日)
社長と取締役に対し、日系研修と帰国後の5S活動状況に係る報告会を実施しました。5S活動を視察するため、8月18日に社長と取締役の工場訪問が実施されることが決まりました。

「清掃」活動スタート

清掃場所毎に作成されたルーレット式の清掃当番表

(2017年7月29日)
小麦粉工場とパスタ工場の従業員向けに、5S活動の3つ目「清掃」に係る研修会を実施しました。この研修会では、清掃プログラムの実施及び詳細が確定し、清掃場所割当て図が策定され、清掃当番表が作成されました。清掃場所の割当てについては、製造ライン全体を作業場所毎に分けることにしました。

「清掃」活動を開始して3週間くらい経った頃、一部の従業員が『「清掃」活動の真の目的は、割当て場所をきれいにすることだけでなく、再度汚れてしまうことの無いよう、汚れの根本的な原因を排除すること』であると気付いたようでした。私は早速従業員達を集め、その気付きこそが「清掃」活動の真の意味であることを伝え、自らそれに気付き、汚れの根本を排除するための改善活動を始めた従業員達を褒め称えました。

次々と幅を広げる5S活動

管理方法標準化の工夫がされた工具ボード

(2017年7月31日)
パスタ梱包場と倉庫管理部門に対し、5S活動の1つ目「整理」に係る研修を行いました。これを以って、工場の全部門を巻き込んだ5S活動が実現しました。

(2017年8月1日)
機械のメンテナンス作業の効率を上げることを目的に、工具ボードの作成を始め、完成した工具ボードを利用して、工具の管理方法を確立させました。工具を使う従業員にはボード上でそれぞれ異なる色が割当てられており、工具を使用する際には工具が置かれていた位置に自分の色のマグネットを貼り付けます。また、各工具の配置箇所には線が引かれており、使用した工具を適切な位置に戻せる工夫もされています。工具を戻す際には、きれいにした上で正しい配置場所に戻すことが工具管理のルールとして定められました。

(2017年8月8日)
工場における5S活動を監視するため、2つのパトロールグループを立ち上げました。これは、小麦粉工場の従業員がパスタ工場における5S活動状況を確認し、反対にパスタ工場の従業員は小麦粉工場の5S活動状況を確認する、相互チェックの機能を果たすものです。

最後のステップ、「清潔」「しつけ」活動へ

(2017年8月21日)
5S活動の4つ目「清潔」に関する研修を実施しました。
8月8日に立ち上げられたパトロールグル—プについて説明され、今後は毎週月曜日にパトロールを実施することが決まりました。

(2017年8月28日)
5S活動の4つ目「清潔」に関する二度目の研修を実施しました。この段階で、他にも清掃用具管理方法や各部署の清掃ルール策定等、5S活動の標準化が進められていました。

5S活動の最後、5つ目は「しつけ」ですが、これについては、これまで従業員が整理・整頓・清掃等の活動を通して仕事に対する考え方を変えつつ、活動の達成感を得てきたことで、自然と身についてきていると感じています。

5S活動が認められ、認証取得

会社が取得したBPM証書

5S活動の成果を受けて、BPM(Buenas Prácticas de Manufactura=工場におけるグッドプラクティス)認証を取得する手続きを始めました。BPMとは、ISO(国際標準化機構)のメンバーであるIBNORCA(ボリビア品質標準化機構)がボリビアにおける食品工場の安全管理規格(NB/NM 324:2013)を基に評価し、発行する認証制度です。

(2017年9月13日)
BPM認証取得のための内部調査を実施し、BPM認証に値する評価を得ました。

(2017年11月17・18日)
BPM認証取得のためのIBNORCAによる調査が実施されました。5S活動を通じた工場のグッドプラクティスが評価され、BPM認証を取得することができました。社長と取締役は、BPM認証取得にとても満足していました。

(2018年5月15・16日)
BPM認証フォローアップのためのIBNORCAによる調査が実施され、工場管理に寄与する5S活動の継続的実践が改めて認められました。

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見事なリーダーシップを発揮して、島袋さんは会社全体を挙げて5S改善活動を展開し、見事ボリビアの認証取得にまで漕ぎ付けることができました。5S改善活動を取り入れ成長していった多くの日本企業のように、島袋さんの工場も今後さらに発展・繁栄していくよう応援しています。島袋さん、素晴らしい活動報告をありがとうございました。

日系研修員受け入れ事業とは

中南米には213万人の日系人が暮らしています。彼らへの技術協力を通じ、移住先国の国造りに貢献することを目的に実施している研修が日系研修です。毎年約140名の日系研修員が農業、医療、保健福祉、教育といった分野の研修を日本で受けています。