【日系研修4】帰国研修員からの活動報告(後編)ーロンドリーナ市技術普及プロジェクトー

2018年8月28日

2014年度日系研修「特別支援教育」コースに参加したブラジルの小野ナンシー富美子さんから届いた帰国後の活動報告をお届けします。後編はロンドリーナ市での帰国研修員グループの活動をご紹介します。

日伯文化交流センターの設立

2015年9月、初めての会議にて

2017年11月、日伯文化交流センター誕生

2018年度日系研修参加者へのオリエンテーション

研修を終え帰国した2015年に、JICA研修報告をきっかけに、ロンドリーナ市に住む帰国研修員と会議を開きました。その時は10人の帰国研修員が集まり、一人ひとりの現在の活動について話したところ、帰国後の悩みとして①研修で学んだ事を母国で活かすことの難しさ②次の世代にどのように日系人としての誇りを持たせられるのか③町や日系人コミュニティーにおける技術普及の方法の3つがあがりました。
ロンドリーナ市はパラナ州でも一番日系人が多い町で、約2万人の日系人が暮らしています。その為、日本文化を守る活動も多く、和太鼓、日本歌、青年会、婦人会等色々な文化活動があります。ただ、子どもたちは日本文化に触れる事は出来ても、日系人あるいは日本人としての意識が薄いと感じる事が多いです。そのため、一カ月に一回皆で集まって力を合わせながら小さい活動を始めることを決め、パラナ日伯文化連合会の支援の下、日伯文化交流センターを設立しました。目的は次のとおりです。

1.帰国後に研修で学んだ事を市町村で活かせる場所をつくる
2.より多くの日系人に研修に参加してもらい、町あるいは日系
 コミュニティーで技術普及を進める
3.帰国研修員のトレーニングを行う
4.日本の文化にふれあい日系人としてのアイデンティティーを
 見つける
5.日本文化を次の世代に伝える
6.次世代に日本文化や日本語に興味をもたせる
7.日本の歴史そして移民の歴史を次の世代に伝える
8.北パラナ州の日系人会の力になる

主な活動

小野ナンシー富美子さん(2014年度日系研修員)
看護学院、保健師学部卒業
現在Colegio Marista de Londrina(保育園、小学校、中学校、高校)と看護学校で仕事をしている。日伯文化交流センター副部長(2018-2019年度)

2017年にJICA研修の広報や研修内容の紹介、応募者の支援等を行うプロジェクトがスタートしました。ロンドリーナ市では以前から年に2回(2月と10月)JICA研修の紹介をしていますが、プロジェクト開始後、これまで50人ぐらいだった参加者が、2017年は70人に増え、そのうち5人が日系研修員に決定、日本での研修に参加することができました。5人とも帰国後は日伯文化交流センターでボランテア活動をはじめています。
そして今年2018年3月にはパラナ州連邦研究所(IFPR)、ロンドリーナ州立大学歴史学部と共に、日系人会研究を始めました。北パラナ州の日系人会の状況を調べるための研究です。

私は日系研修に参加したことによって、自分の中の何かが変わりました。とても意味の深い経験をさせてもらい、日系人という意味に立ち触る感動的な経験でした。この事をもっと多くの人たち、日系の若世代の人たちに知ってもらい、日系人として誇りを持った若い世代を育ててられるように頑張りたいと思います。

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日系研修をきっかけに、ご自身の中で何かが変わったという小野さん。若い世代にもその想いを引き継いでいこうと活動されています。JICA横浜はこれからも日系研修を通じて、遠くて近い、中南米の国々で活躍する日系人のみなさんを応援していきます。

日系研修員受け入れ事業とは

中南米には213万人の日系人が暮らしています。彼らへの技術協力を通じ、移住先国の国造りに貢献することを目的に実施している研修が日系研修です。毎年約140名の日系研修員が農業、医療、保健福祉、教育といった分野の研修を日本で受けています。