【実施報告】第1回SDGs×かながわ開発教育セミナーを開催しました

2019年5月9日

3月30日、JICA横浜にて第1回「SDGs×かながわ開発教育セミナー」をかながわ開発教育センターと共催で開催し、小中高等学校の先生等57名にご参加いただきました。

今回のセミナーでは午前中に聖心女子大学の大橋正明教授と日本経済団体連合会の長澤恵美子統括主幹をお招きしての特別対談、午後にはSDGsワークショップを通して参加者同士で意見交換を行いました。

SDGsってなんだろう

聖心女子大学大橋正明教授(写真上)と日本経済団体連合会長澤恵美子統括主幹にSDGsについて、お話頂きました。

午前中はまず、聖心女子大学の大橋正明 教授より、「SDGsとは何か?~NGOの視点から~」と題して、SDGsが生まれた背景や、SDGs(※1)とMDGs(※2)の違い、SDGsの注意点などについてお話いただきました。
続いて、一般社団法人日本経済団体連合会の長澤恵美子 統括主幹より「なぜSDGsなのか~経済界の視点から~」と題して、企業がSDGsに取り組む意義や、SDGsと人権との関り、Society5.0(※3)とSDGsの関りなどについて、お話頂きました。
午前中の最後には、大橋氏、長澤氏による対談が行われました。両者の話からは、社会が変化するたびに新しい問題が出る事にも目を向けること、人々や企業が自ら変わる必要性、市民社会が指摘し続ける重要性など、SDGsを通して様々な視点が浮かび上がりました。

SDGsをカードゲームを通して体感

ワークショップではカードゲームを通し、SDGsを体感的に学びました。

午後には、一般社団法人イマココラボ森本菜都美氏によりカードゲーム「2030 SDGs(ニイゼロサンゼロ エスディージーズ)」が行われました。このカードゲームはSDGsの17の目標を達成するために、現在から2030年までの道のりを体験するゲームです。
会場を1つの世界に見立て、参加者はそれぞれ目標を持って2030年まで活動します。そして、世界全体の環境、社会、経済のバロメーターが存在し、参加者がプロジェクトを実行するたびに、世界のバロメーターが時にはプラス、時にはマイナスの変化を起こします。
参加者は個人の行動が世界に影響を与えていること、つまり自身がSDGsにつながっていることを体感しているようでした。


セミナーの終わりには、セミナーを通してのふりかえりの共有を行い、全プログラムが終了となりました。セミナー全体を通しての学びや今後の学校現場での実践について考えることができる重要な時間となりました。
参加者からは、「子供を含め、もっと多くの人がこのSDGsについて知る必要があり、皆一人ひとりできる事があるという事を伝えたい」や「SDGsについて、市民社会の形成とビジネスの両面から開発教育の実践を進めていきたい」などの感想が寄せられました。

ご参加された皆さんが、本セミナーでの学びや気づきを活かし、今後の授業等で実践されることを期待しています。なお、5月25日(土)には第2回目を開催予定です(関連リンク参照)。皆様のお越しをお待ちしています。

(※1)SDGsとは
持続可能な開発目標(SDGs)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。

(※2)MDGsとは
MDGsは、極度の貧困と飢餓の撲滅など、2015年までに達成すべき8つの目標を掲げ、達成期限となる2015年までに一定の成果をあげました。その内容は後継となる持続可能な開発のための2030アジェンダ(2030アジェンダ)に引きつがれています。

(※3)Society5.0とは
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)のこと。