帰国隊員の思い出語り -川柳を添えて-第5回

2019年5月17日

神奈川県・山梨県に縁がある帰国隊員による開発途上国の豆知識や
派遣中の思い出、普段聞くことができない隊員のリアルな心情を川柳と共にお届け!
今回のテーマは『祝日』です。

久留米のご挨拶

読者の皆さんいかがお過ごしでしょうか?
本コーナー担当の久留米です!
さて、当コーナー第5回となりました!こんなに続くとは想像しておらず大変嬉しい気持ちです。みなさんゴールデンウイークはどのようにお過ごしでしたか?
祝日で嬉しかった人、反対に忙しかった人、色んな方がいると思いますが私は祝日を楽しく過ごさせていただきました。
大型連休にちなんで今回は「祝日」をテーマに語っていただきます。

第4回の隊員:穂坂 ちひろ(28年度2次隊/スリランカ/理学療法士)

大家さん家族と

穂坂 ちひろ(ホサカ チヒロ 写真:中央)
隊次・任国・職種:
28年度2次隊/スリランカ/理学療法士
使用言語:シンハラ語
☆好きなスリランカ料理:パリップ(ダール豆のカレー)
☆マイブーム:南アルプス市内の神社、お寺、古墳などを歩いて巡ること
☆行ってみたい国:ジョージア
☆山梨のお気に入り:南アルプス、八ヶ岳など雄大な山々
☆座右の銘:反省はしても後悔はしない

JICA山梨デスクとして、山梨県内のJICA業務の窓口を担当している穂坂ちひろです。青年海外協力隊として、スリランカのモナラーガラという田舎町で活動していました。
私が2年間過ごしたスリランカは、インド洋に浮かぶ小さな島国です。スリランカという国名は、公用語であるシンハラ語で“光り輝く島”という意味を持つそうで、その名の通り自然が豊かでとても美しい国です。日本では目にすることのないほど色鮮やかな果物や野鳥に囲まれ、南国ならではの環境に日々癒されていました。
意外に思われるかもしれませんが、第二次世界大戦後世界で一番早く正式に日本と外交関係を結んだのはスリランカです。そのきっかけとなったのはサンフランシスコ講和会議。当時スリランカの大統領であったジャヤワルダナ氏の「憎悪は憎悪によって止むことはなく、愛によって止む」という仏陀の言葉を引用したスピーチにより、日本は分割統治を免れ、国際社会に復帰する足がかりを得たという逸話があります。
そんな日本と深い結びつきを持ったスリランカで、地域を巡回する理学療法士として主に障害を持つ子どもたちに携わっていました。現地の方々に支えられ、充実した2年間を送ることが出来ました。

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思い出語り:テーマは「祝日」

夜のお寺

今年のゴールデンウィークは10連休でしたね。皆さんどのように過ごしたでしょうか?日本の祝日は年間16日ほどですが、スリランカの祝日はなんと26日!ご存知の方も多いと思いますが、スリランカでは仏教、ヒンズー教、イスラム教、キリスト教と4つの宗教が信仰されており、それぞれの宗教にちなんだ祝祭日が全国的な休日になるため、一説では「世界で一番休日が多い国」とも言われているそうです。
様々な宗教が混在しているスリランカですが、国民の約7割は仏教徒です。仏教徒にとって月に1度の満月の日(ポヤデー)は非常に重要で、祝日となります。学校や仕事などの活動は全て休みになり、白い服を着てお寺に行き、身を清めるという習慣があります。私もポヤデーの日には大家さんや友人と一緒にお寺に行き、仏陀に祈りを捧げていました。大勢の人たちが一堂に会し、祈りを捧げる姿はとても神秘的です。

友人と「お寺に行こう!」と約束したポヤデーの日のこと。迎えに行くと言われていたので、朝から家で待っていました。しかし待てど暮らせど友人からの連絡はなく、今日の約束はなくなったのかな?と思い始めた夜8時。やっと友人が現れ、「ヤム!(行くよ!)」と何事もなかったかのようにお寺に連れて行かれました。満月の夜のお寺は幻想的でとても美しかったのですが、約束に対する捉え方の違いに少しモヤモヤした1日でした。しかしそんな日々も今となっては良い思い出になり、日本に帰国してからも毎月満月の日にはスリランカのことを思い出し、お世話になった人たちに思いを馳せています。

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4月21日、スリランカで大規模な爆発事件が発生いたしました。
今回の件で亡くなった方々に対し、謹んで追悼の意を表し、ご冥福をお祈りいたします。
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久留米の川柳 

6月8日(土)イベント開催します!
ラグビーの楽しみ方、魅力などが分かるイベントです!
皆さん来てね!

□■□■ それではここで一句 □■□■□■□■□■□■

友のヤム! もう夜だけど やむをえず

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国が違えば文化が違う、習慣が違う。
じゃあ約束の捉え方だってきっと違う。
受け入れられるかどうかは置いといて違いを認めることが
理解の第一歩じゃないでしょうか?
違って当然!そう思うことは簡単そうで意外に難しい。
見落としがちな大切なことを教えてくれる思い出でした。

お粗末様でした。 □■ 久留米 陽平 □■

国内協力員とは?

国内協力員とは、帰国した隊員が未来の隊員をサポートするお仕事です。
主な業務内容は派遣前と帰国後に各自治体で行われる表敬訪問の調整業務、広報やイベントの運営などです。
業務を通して、たくさんの支えがあって協力隊が成り立っていることを知ることができました。
協力隊として国際協力の最前線を知った次のステップとして支える側に興味がある方はぜひ検討してみてください!