【実施報告】2019年度 JICA横浜教師海外研修 第1回事前研修

2019年7月3日

6月22日に教師海外研修第1回目事前研修を実施しました。今年度も多くの方から応募があり、今回は7名(小学校2名、中学校3名、高校2名)が合格し、海外研修に向けての準備を行いました。

【チームビルディング】

研修説明を聞く参加者
いよいよ研修が始まります

今年度の研修先はブラジル連邦共和国です。「多文化共生と移民」を研修テーマとし、ブラジルや日系人の方々の生活・文化に触れることを通して、多文化共生や移民への理解を深め、帰国後は、現地での経験をいかしたワークショップ(参加型学習教材)の作成を目指します。

第1回目事前研修の午前中は、チームビルディングを目的に、自己紹介やチームのゴール、そしてチームとしてどのように研修を進めるか、について共有する時間となりました。

国内での事前事後研修と、ブラジルでの研修において大切にしたいこととして、簡単には答えの出ない事に対する「モヤモヤ」が挙げられました。参加者が疑問・不思議に思ったことが教材の骨格になることが多いという話には参加者も納得の様子でした。
また、参加者7名とスタッフ全員のチームとして、互いに気づかないことを気づかせ合いながら化学反応を起こすようなチームを目指そうと意を決しました。

【多文化共生について思うこと】

続いて、参加者が考える「多文化共生」の理想の姿と、その理想に対する児童生徒の現状を参加者同士で共有しました。多文化共生の理想イメージとして「違いを認め合える」「安心して違いが出せる」「本音で話し合える」などが挙がりました。また児童生徒の現状として「他者に興味関心が薄い」「周囲からの評価を過剰に気にする」「自分に自信が持てない」「違うから変だと思う」「違いをからかう」などが挙がりました。

【国際理解教育/開発教育について知りたいこと】

研修を通して学んでいくことになる「国際理解教育/開発教育」について、参加者が知りたいことや深めたいこと、または困っていることなどを共有しました。例えば「他人事から自分事にするための工夫」「教科との兼ね合い」「周囲の教員の巻き込み方」「様々な手法を知りたい」などがあり、今後の研修で習得すべき具体的なトピックが整理されました。

【海外移住資料館 見学】

海外移住資料館を見学

続いて海外移住資料館(注1)の見学を行いました。日本人海外移住の歴史、戦後復興支援として日系人も寄与したララ物資、日系人たちの現在など、丁寧な説明を聞きながら多くのことを考えたようです。「史実としての移民」「ララ物資のこと」「移住先での活躍」などを児童生徒に伝えたいという声や、「モヤモヤ」した点やもっと知りたいこととして「移民した人たちの苦労」「移住先での現地の人とのかかわり」「現在のアイデンティティ」などが挙がり、現地研修で習得すべき具体的なトピックを得ることができたようです。

【第1回事前研修を終えて】

付箋を使って情報を整理

1日のふりかえりとして、今後の研修に向けての課題整理を行った後、参加者が得た「本日の収穫!」について共有しました。「他校種の現状をたくさん知れた」「アドレナリン出まくり!元気!」「いろいろな方面からの視点」「すばらしい仲間との出会い」「移民を知って考える必要性」など、各々が収穫を得ることができ、有意義な研修となったようです。

次回、第2回事前研修は、「国際理解教育/開発教育教員セミナー(基礎編)」です。国際理解教育/開発教育の基本概念を学び、ワークショップ体験をします。

【教師海外研修とは】

教師海外研修は、国際理解教育や開発教育に熱心に取り組んでいる小・中・高の教員のみなさんを対象に、開発途上国における国際協力の現場を実際に体感することを通じて、途上国の現状や日本との関係について考え、その経験をそれぞれの教育現場で、児童・生徒の皆さんに伝え広げていただくことを目的として実施しています。