【実施報告】国際理解教育/開発教育 教員セミナー(基礎編)

2019年7月11日

【基礎編】6月29日(土曜日)

6月29日、JICA横浜センターにて「国際理解教育/開発教育 教員セミナー(基礎編)」を開催し、神奈川県・山梨県内の小中高等学校の先生や学生など、36名にご参加いただきました。本セミナーは、国際理解教育/開発教育の指導者としての技術・能力の向上を図ることや参加者同士のネットワークの構築をねらいとして、毎年行われているものです。

今回は、「開発教育についてレクチャーと体験で体系的に学ぶ一日」をテーマとして、国際理解教育/開発教育の基礎概念や基本手法を学ぶレクチャーと、明日から教室で実践できるワークショップを体験できる内容で開催しました。

国際理解教育/開発教育の基本を学ぶ

午前中はまず、JICA横浜 市民参加協力課 中野貴之職員より、自身の青年海外協力隊での現地での体験を交えながら開発途上国の現状を伝える内容と国際理解教育/開発教育に関するJICAの取り組みについてお話しました。実際に子どもたち向けに実施できる簡単なグループワークも交えた話で、参加者も授業を受ける側の気持ちも体験しながら、学ぶことができるものでした。

【画像】次に、かながわ開発教育センター(K-DEC)代表の山西優二氏(早稲田大学教授)より、「国際理解教育/開発教育の目標・方法・動き」というタイトルで、国際理解教育/開発教育の基礎概念についてじっくりとお話しいただきました。国際理解教育/開発教育の歴史などについて、熱く語られる姿勢に参加者全員が引き込まれていました。
参加者からは、「開発教育に関する基本的な考えを知ることができました。支援と協力、人材育成などの言葉を使う上で自分の考えが及んでいないような事柄が多く、あらためて言葉を扱うことの難しさや大切さを学ばせていただきました」など、今後実践に取り組まれる参加者にとって、これからの実践で大事なポイントとなる基礎的な部分を学ぶことできたとの声が多く寄せられました。

昨年度 JICA横浜教師海外研修参加者が作成したワークショップを体験

【画像】午後のはじまりは、K-DECの小野行雄氏より、昨年度のJICA横浜教師海外研修参加者が研修を通して作成したワークショップ(参加型アクティビティ教材)(注1)を実施いただきました。この教材はブラジルにルーツを持つ参加者の実際の経験談や想いをもとに作成されたものです。
ジェスチャーゲームやスキットの実演と、より現場で活用しやすくするための改善案をグループごとに考えました。
参加者からは、「実際に生徒の立場になってワークショップをすると、どのような疑問やモヤモヤが生まれるのか、どんな気づきが得られるのか、具体的にイメージすることができました」などの感想が寄せられました。

参加者同士で学びあう

その後、本事業運営事務局・メディア総合研究所 福田訓久より、一日の研修を通しての気づきや収穫、疑問やモヤモヤについて整理する目的でふりかえりワークを行いました。 
参加者同士での学びの共有やモヤモヤを共有し、もっと知りたいことや今後深めていきたいことについてふりかえることができる時間となりました。

【画像】セミナーの終盤には、昨年のJICA横浜教師海外研修参加者である川崎市立子母口小学校 石井宏明先⽣より、教師海外研修にて作成したもう一つのアクティビティの体験も交えながら、ご自身の実践のご紹介をしていただきました。
続けて、教師海外研修OB会「Asante!」に所属する横浜国⽴⼤学附属鎌倉中学校 ⼾沼雄介先⽣より、Asante!の取り組みのご紹介をしていただきました。

1日のセミナーを終えて参加者からは、「モヤモヤを持ち帰るのが毎回楽しみです。ありがとうございました」など、一日の研修で得た気づき・収穫に加えて、モヤモヤ(もっと知りたい・深めたい)を学びとして持ち帰ることができたとの感想が多く寄せられました。

ご参加された皆さんが、本セミナーでの学びや気づきを活かし、今後の授業等で実践されることを期待しています。

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今年度は、以下の日程で国際理解教育/開発教育教員セミナーの開催を予定しています。
皆さまのご参加をお待ちしております。

〇2019年12月11日(水)国際理解教育/開発教育教員セミナー(基礎編)
     12月14日(土)国際理解教育/開発教育教員セミナー(基礎編)

〇2020年1月11日(土)・12日(日)国際理解教育/開発教育教員セミナー(応用編)
※応用編は2日間のプログラムでの開催を予定しています。
プログラムの詳細が確定次第、下記リンクにてご案内いたします。