【実施報告:山梨県】令和元年度「山梨県国際教育教員研修」が実施されました

2019年8月27日

8月21日、山梨県国際交流センターにて、山梨県総合教育センター、JICA横浜主催の「令和元年度山梨県国際教育教員研修」が開催されました。「授業に役立つ国際教育~山梨からグローバルな世界を捉える~」と題して実施された研修には6名の先生方が参加され、少人数で密度の濃い研修となりました。

午前の部

教師海外研修の報告をする佐藤雄二先生

<JICA教師海外研修(行政官コース:ルワンダ)参加者の報告>
まずは2016年度JICA教師海外研修行政官コースでルワンダを訪れた、笛吹市立御坂西小学校 佐藤雄二教頭先生より、研修の報告をしていただきました。ルワンダには、1994年4月6日からの約100日間で、国民の1割以上が虐殺されるという大変悲しい事件が起こった過去があります。佐藤先生はルワンダに行った際、この虐殺事件の被害者家族と加害者が一緒に生活しなければならない現実を目の当たりにしたそうです。
そのような研修での経験を踏まえ、“なぜアフリカを援助するのか?”、“ルワンダではなぜ今アフリカの奇跡が起きているのか?”といった問いを参加者の先生方に投げかけていました。また最後には、参加者の先生方が学校に戻った際、どのような授業を行うのかということを考えさせる素晴らしい講義でした。

JICA横浜 中野職員による講義

 
<開発教育/国際理解教育とは>
次にJICA横浜 中野職員より、「開発教育/国際理解教育」について講義を行いました。自身の青年海外協力隊での経験を基にしたワークを通して、他者との違いを“おかしい”ではなく“面白い”と思うこと、違いに興味を持つことで他者理解につながることを参加者に伝えました。また「開発教育/国際理解教育」の歴史や役割について解説し、これからの教育現場におけるグローバルな視点の重要性を語りました。

午後の部

講師の福田氏とワークショップを体験する先生方

午後はメディア総合研究所の福田訓久氏を講師として、アクティブラーニングの手法を学びました。まずは3人ずつのグループに分かれて自己紹介を行い、3人の意外な共通点を探すというワークを実施しました。本日の研修で初めて顔を合わせたという先生方も、このワークを通して積極的に相手のことを知ろうとすることが出来たと大いに盛り上がりました。
また授業ですぐに使えるアイスブレイクやミニワークを多数紹介しながら、ファシリテーションの手法についても話してくださいました。「こちらから一方的に話すのではなく、生徒に考えさせることが重要なのだと学んだ」「物事を広い視野で見て捉えることの重要性を感じた」など、先生方の意識にも変化があったようでした。

最後に

本日の研修の中で、「世界のことに目を向けることは、日本のことを知ることにもつながる」という話がとても印象的でした。教育現場においても世界のことを学び、地域や家族、さらには自分自身にも目を向ける機会の提供につながれば良いと思います。本当に学びの多い1日でした。来年度はさらに多くの先生方が本研修に参加してくれることを期待しています。                                 (報告:JICA山梨デスク 穂坂ちひろ)