【実施報告】2019年度 国際理解教育/開発教育教員セミナー(基礎編)

2020年1月9日

国際理解教育/開発教育教員セミナーは、国際理解教育/開発教育の指導者としての技術・能力の向上を図ることや参加者同士のネットワークの構築をねらいとして、毎年行われているものです。

12月11日(水曜日)、および12月21日(土曜日)

国際理解教育/開発教育の基本概念の解説を行う小野氏

12月11日には10名、12月21日には16名、神奈川県を中心に小中高等学校の先生方やNGO職員の方などにご参加いただきました。
当日は、かながわ開発教育センター(K-DEC)小野行雄氏を講師として、国際理解教育/開発教育の基本概念および手法の講義と、ワークショップの実践がありました。

国際理解教育/開発教育の基本概念について、図式を交えながら丁寧に説明いただきました。その後、参加型学習を進める手法として、ロールプレイ(注1)やシミュレーション(注2)を活用した教材の紹介をいただきました。フォトランゲージ(注3)については、失敗例なども交えながら手法をより効果的に活用する方法などを教えていただきました。

(注1)ロールプレイ:ある特定の(自分と違う)立場の人(場合によっては、動物やモノの場合もある)になったつもりで、ある問題について考え、それを表現する手法。

(注2)シミュレーション:ある事象をモデル化、単純化して、それを擬似的に体験する手法。

(注3)フォトランゲージ:写真を使って行う参加型のアクティビティ(学習活動)。

映像を活用したワークショップ体験の様子

 
ワークショップ体験の時間では、ロールプレイを行いました。フィリピンのある村の課題解決にむけて、村人、現地NGOスタッフ、地方自治体職員、日本NGOスタッフの役割になりきって話し合いました。短時間でも白熱の討議が繰り広げられており、参加者は「ついつい入り込んでしまった」「対象に合わせて指示カードの内容を変えれば実施できそう」などと振り返りました。

また、JICA地球ひろば作成の映像教材(注4)を活用したワークショップも体験しました。「難民」についての映像をグループでストーリー全体、背景のヒトに注目して観る、背景のモノに注目して観るなどとそれぞれが何に注目して映像を観るかの役割分担を行い、ストーリーを追っていきました。その後、映像の中で疑問に思うこと等を中心にグループごとに話し合いを行いました。
参加者からは、「そういうとらえ方もあったのか」というような声が終始あげられており、一つの映像でもそれぞれ異なった視点を定め、映像を観察することで気づく事柄が変わること、一人ですべてに注目してみるよりも多様な気づきが得られることなどを実感している様子でした。

(注4)JICA地球ひろば— 授業で使える10分映像集(アクティブラーニング教材)
(本セミナーでは、「難民:逃れた後の生活」の映像を使用しました。)