【実施報告】「第7回SEISA Africa Asia Bridge2021」にて、「JICA横浜presents オンライントークセッション 協力隊とSDGs」を実施しました

2022年1月4日

 星槎グループ・世界こども財団・国際学園主催の国際交流イベント「第7回SEISA Africa Asia Bridge2021」内で実施した「JICA横浜presents オンライントークセッション 協力隊とSDGs」では、「協力隊から国際機関へ・日系社会を体感する・協力隊から起業家の道へ」の3部構成にて、各テーマと深く関わりのある方々から様々なお話を伺いました。

 第1部「協力隊から国際機関へ」では、元JICA海外協力隊員としてニジェール/ガボンにて感染症対策で派遣されていた日達真美さんにご出演いただきました。日達さんからは協力隊時代の活動体験と現在活動されている、WFPセネガル事務所でのお仕事についてお話を伺いました。セネガルからの生中継ということで、日本との時差はなんと9時間!現地では深夜の時間帯でしたが快く講師を引き受けていただき、ご登壇いただきました。今後のキャリアについて悩んでいる方々へ向けてのアドバイスでは、「自分で決めることが一番のパワーになり、自分の好きなことや得意なことを究めていくことの大切さを、現在の仕事に取り組みながら実感している。」とお話くださいました。3人のお子さんを育てながら、ご自身のもつ目標に向かって歩み続けている日達さん。「全てのお母さん、子どもたちが健康でいるために今後も関わっていきたいです。」との言葉がとても印象に残りました。

【画像】ニジェールの人たちの工夫する力についてお話しする日達さん

 続いて、第2部「日系社会を体感する」では、日系社会をテーマに、JICA横浜総務課海外移住資料館班から水野晴佳専門嘱託と岡崎友里非常勤嘱託をゲストに迎えました。2人は日系社会への派遣経験をもつ元協力隊員でもあります(水野ブラジル派遣・岡崎ボリビア派遣)。まずJICA横浜海外移住資料館のリニューアルについて紹介があり、その後は2人の協力隊経験談を写真と共に語ってもらいました。最後は、日系社会とは一体どのような場所だったのか、体感してきた日系社会について3人でトークセッションを行いました。(司会を務めました私もブラジル派遣隊員でした。)特に盛り上がったテーマとしては、日系社会のお祭り文化・コロニア語(現地語と日本語が融合した言語)・日本文化への関心の高さに圧倒…等々。日系社会には、多文化共生のヒントがあったと3人が共通して感じていたことも分かりました。

【画像】日系社会あるあるで盛り上がったトークセッション

 最後に実施した第3部「協力隊から起業家の道へ」では、元JICA海外協力隊員として中国にて環境教育で派遣されていた鈴木純さんにご出演いただきました。現在のご職業である、植物観察家・植物生態写真家の仕事内容について伺い、どのような経験を経て今があるのか、という所から新卒での協力隊参加、帰国後のキャリアの話へと展開していきました。まず講演の冒頭で「私は人生を目標地点に向かって計画的に歩んできたタイプではないです」と一言。「1個大事にしている想いがあり、今自分ができることは何かを1つ1つこなしていった先に、気付いたら起業していた」とお話をされていました。「人生は計画通りに進まないので、計画を立てないという実例の一つとして参考に」と語る鈴木さんの体験談は、当時の心境がよく伝わる写真と共に、非常に興味深い内容の数々でした。現在キャリアに悩んでいる方にとっては、新たな視点をもつきっかけとなったのではないでしょうか。「自分がしたいことと、したくないことをはっきりと持つ。それを見つけるためには、色々なチャレンジをすること」とアドバイスをいただきました。

【画像】大学卒業後の進路についてご家族と衝突…?! 相談の結果、新卒で協力隊に参加をしたとお話する鈴木さん

 本イベントにおいて、講師の皆様からは、協力隊員として世界の現場で得た経験を、現在の活動に存分に活かしていらっしゃる姿を見せていただく機会となりました。今年は、協力隊後のキャリアについてもお話をいただくテーマ設定でした。キャリアに悩まれている方々にとって、本ベントの講演が今後の参考となり、新たな一歩を踏み出すきっかけとなっていましたら大変嬉しいです。講師の皆様、貴重なお話を楽しく分かりやすくご講演いただき、誠にありがとうございました!
(報告:国内協力員 成田)