【教師国内研修】実践授業レポート from 横浜市立梅林小学校(三枝涼輔教諭)

2022年3月18日

 JICA横浜では教員の方々を対象に教師国内研修※1を実施しています。今年度は7名の方々にご参加頂きました。実践授業とは、このJICA教師国内研修に参加した先生方に、研修で得た経験を活用した授業・ワークショップを作っていただき、学校現場で実践いただくものです。
三枝先生のレポートです。

授業を行うにあたって

 2021年12月2日、担任をしている個別支援学級の道徳の授業で、教師国内研修の授業実践を行いました。日々の児童の関わり合いの中で、自分と異なる意見や考えを受け入れられなかったり、自分の考えを押し付けてしまったりと他者意識という点でトラブルが起きてしまうことがあります。今回の研修を受けて、性別、国籍などではなく、一人ひとりにそれぞれに文化があり、考えがあると改めて感じ、「多文化共生」は人と人とが理解し合うことで進んでいくと思うようになりました。

本時の実践

アニマルカード

ワークショップ後の発表

 まずはアイスブレイクとして、ドブル※2を行いました。子どもたちにはドブルを通して、身近なところにもそれぞれの意見があることを認識させたいため、「好きな食べ物」「好きな教科」など自分の考えを伝え、相手の考えを聞いてからワークショップという流れにしました。

 ワークショップでは、まず生き物のイラストが書かれたアニマルカードを12枚ずつ配布し、「グループにしてみてください」と問いかけました。子どもたちは、「魚類、鳥類」や「食べられる、食べられない」「色」など、思い思いのグループを作っていました。
 
 その後、私が「どのグループが正解ですか?」と問いかけました。どんな反応をするかと思っていましたが、「みんな正解じゃん」「間違いなんてないよ」という声が上がりました。最後の発問として、「自分とちがう考えって、ダメなの?」と問い、少人数でサークルトークをしました。話し合いは活発に行われ、いろいろな意見が出ました。発表してくれた児童の中には、「みんなちがってみんないい」「人それぞれだから、同じでなくてもいい」「性別、国籍が違くても、親友になれる」「違いがあるから面白い」といった意見がありました。

 個別支援学級ということもあり、教科書やプリントを用いた授業が苦手な児童もいます。今回の実践を通して、ワークショップを取り入れた授業の有効性を感じました。また、子どもたちが終始楽しそうに活動していたことが印象に残っています。楽しい活動だったからこそ、真剣に話し合うことができたのだと思います。

※1 コロナ禍を踏まえJICA教師海外研修の代替として2020年度より実施。通年のプログラムで研修を通してワークショップ教材を作成頂いております。

※2 カード同士を見比べて同じ絵柄を見つけるカードゲーム