藤掛洋子JICA技術顧問来ザ−「知識を『与える』のではなく智恵を引き出す」ザンビア版生活改善への熱い取り組み−

2014年10月24日

JICA/JOCV家政・生活改善の技術顧問である藤掛洋子先生(横浜国立大学大学院教授)に短期ボランティアへの技術支援を目的に2014年10月7日〜14日まで8日間、ザンビアへ来ていただきました。
前回の記事にもありますように(「ザンビアで始まった栄養ムーブメント!その第1弾として短期ボランティアが到着しました!2014年10月3日」)、現在ザンビア農業畜産省では栄養改善ムーブメントが動き出しており、その準備段階としてJICA短期ボランティアがグループ派遣され、先方政府と共に活動を行なっています。活動内容は、(1)基礎的な量的データの収集と質的データの収集(聞き取り調査)を通し、農村生活を今一度一度じっくり見直し、(2)彼ら・彼女らが伝統的に持っている知識やモノを活用した栄養改善ムーブメントにつながる種(事例)を探し、(3)普及員や農村のキーパーソンたちとザンビア農村部の栄養改善、ひいては生活改善を目指していこう、というものです。

今回の出張では、国際開発分野における生活改善のスペシャリストである藤掛洋子先生が、実際に農業畜産省の現地職員や短期ボランティアと共に複数の村落部に足を運び、丁寧な聞き取りを行なってきました。ボランティア達は、「これまでは、作った質問票を埋めていくことに精一杯だったが、藤掛先生と一緒に調査をして、相手の声に耳を傾けたり、引き出したりする聞き取りのスタイルがとても大切であり、またそこで得たデータを将来的にどのように役立てていくのか、とても明確になった」、「来年以降本格的に始動するこのムーブメントに対して、農業畜産省や派遣されてくる長期ボランティアのために、今自分達が活動の核となるような種を見つけていたい」と話してくれました。また、ある現地職員からは、「Dr.Yokoが聞き取りをしている時、村人が嬉しそうに話していたが、あんな姿をこれまで見たことがない。自分もそういう聞きとり方を学びたい」という声も出ていました。それに対して藤掛先生は「私たちができることは、ザンビアの農村の方々が本来持っている知恵やパワーを引き出していく、そういうお手伝いをすることです。ないもの探しをするのではなく、あるもの探していく発想の転換がとても大切です」とおっしゃっていました。

その後のプログラムで藤掛先生に、ルサカ州農業事務所のミーティングルームを使って講義・ワークショップを開催して頂きました。ワークショップでは、カウンターパートと短期隊員が共に集めてきた村落部の人々の語りをどのように整理し、どのようにまとめていくのか考えていきました。このワークショップを通し、これまで見えてきたものに加え、もっと深く掘り下げることでさらに見えてくるかもしれないトピックが明らかになりました。そして、ザンビア人職員と短期ボランティア達は質問項目の修正や質問の仕方、将来の活動の種(構想)にまで踏み込んだ内容について、活発な議論を行ないました。
ワークショップ後、藤掛先生には日本の戦後の生活改善の歴史と、ご自身の研究分野でもあるパラグアイにおける生活改善の事例ついて話して頂き、「栄養改善」と「生活改善」と「ジェンダー」がどのようにつながっていくのかを説明して下さいました。「パラグアイの事例がザンビアととても似ている」という声も会場から上がり、参加者も強い関心を示してくれました。

ザンビアで生活改善を取り入れた取り組みの歴史はまだ始まったばかりです。
しかしながら、現在、短期ボランティア、技術協力プロジェクト、JICAザンビア事務所、そして今回の藤掛洋子JICA技術顧問の出張と、まさに「オールJICA」体制でこのムーブメントを盛り上げていこうとしています。この始まったばかりのムーブメントがルサカ州農業事務所の主導で、そしてまたルサカ州のみならずザンビア全体の大きなうねりとなるよう、今後も継続的なサポートをしていきたいと思います。
長期ボランティアについては、現在募集期間中ですので、さまざまな分野からのご参加をお待ちしています。
「ザンビアの方々と共に悩んで、共に探していく。」そんな思いが、ザンビアの明日を変えていきます。

平成26年度秋 募集ボランティア要望調査票 青年海外協力隊(JV)

文責:田中哲平 企画調査員(ボランティア事業)

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ミーティングの参加者達

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ルサカ州農業事務所所長(中央)と

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現地オフィサー達と短期ボランティア

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自身の経験を共有する様子

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実際にフィールドで聞き取りを行なう様子