2018年度1次隊 任地へ出発!(青年海外協力隊)

2018年8月1日

冬まっただ中の7月上旬。大きな荷物を抱えながら、13名のボランティアがザンビアへ到着しました。最近日本語を習い始めたザンビア人ナショナルスタッフの「ようこそ、ザンビアへ!」「お疲れ様です!」の挨拶に、少し驚きつつも笑顔になりながら空港を後にし、3週間の現地訓練をスタートさせました。今回は2名のボランティアが、念願の青年海外協力隊として赴任した今の気持ちを語ってくれています。

まず1人目は、南部州のモンゼに派遣される大澤隊員です。

大澤 明浩隊員:青年海外協力隊、職種「小学校教育」、配属先「チャールズルワングア初等学校」

ザンビアの印象は?

アフリカ大陸ザンビアに降りたったとき、はじめに視界に飛び込んできたのは頭上に広がる青空でした。手が届きそうな雲と爽やかなそよ風に身を包まれるそんな感じがしました。到着した7月はちょうど冬の季節で、アフリカの冬といってもそれほどではないだろうという想定を超え、毛布にくるまるほどの寒さでした。やはり直に肌で感じてみなければわからないということを改めて考えさせられました。

ザンビアの教育面では、理数科教育や情操教育が十分に進められていない印象を漠然ともっていました。派遣前訓練の中で、実際にザンビアのカリキュラムやテキストをもとに授業を考えたとき、段階を踏んだ指導計画や子どもの興味を引く教材作りのアイディアが必要だということを実感しました。それと同時に、丁寧に整備された日本の指導計画のレールに安心しきって乗っている自分が、このザンビアの地で教員としての真の力が試されるということも感じました。子どもたちのために努力されているザンビアの先生たちから、多くのことを学びたいという期待を持つことができました。

応募動機

田舎で育ってきた私にとって、学校にやってくるALT(外国語指導助手)やテレビを通して知る外国人や外国文化はとても魅力的で、いつか海外で現地の人と関わりたいという思いが芽生えました。ようやく大学生時代に途上国を訪ねる機会を得て、地雷被害者の家族を支援しているNGO団体の一員として、途上国の子どもたちに日本語指導をしました。実際に現地の人と関わったことや途上国での暮らしから、将来は国際協力の教育分野で力になりたいという思いを確かなものにし、協力隊を志しました。

協力隊の活動をより実りのあるものにするために、まずは小学校教諭としての実務経験を積む道を選択しました。7年間の教員生活の中で外国籍の子どもたちを担任し、また、国際教育研究会常任委員として国際理解の実践を積むなど、着実に準備をしてきました。学習活動を通して、多様な文化に触れることで子どもたちの視野を広げ、違いを認める態度を育むことができる手応えを得ました。一方で、外国籍の子どもたちが日本で安心して学校生活を送るには、様々な障害があることにも気づきました。外国につながりをもつ子どもたちと日本の子どもたちが互いの文化を受容し共生するためには、途上国の地域に根ざした協力隊の活動経験は大いに役立つと考えました。そのことも応募を決意した大きな動機となっています。

要請内容と抱負

配属先の学校では主に算数と体育の指導を行います。新規の要請のため、現場で求められていることをしっかりと理解し、日本人の代表としての自覚をもつことを心がけたいと思います。そのためには、子どもたちや同僚と積極的にコミュニケーションを図ることが大切だと考えます。派遣前訓練や現地訓練を通して学んだ語学や文化、同期隊員との共同生活から感じた協調することの大切さや様々な発想、そしてこれまでの教員経験を生かして支援していきたいと思います。2年間の任期を終えた後は、日本の子どもたちに、異文化に触れることが楽しく自らの心を豊かにしてくれるものであるということを知ってもらうために、この貴重な協力隊の経験を伝えていければと思います。

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トンガ語クラスの先生とクラスメイトたち(上段右端が大澤隊員)

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配属校があるモンゼの人たち

現地訓練最終日の決意発表では、ゆっくりとしたとても聞き取りやすい現地語で、「子どもたちが楽しめる授業をしたい!」と抱負を語った大澤隊員。配属先の同僚や子どもたちとコミュニケーションをとる時にも、習った現地語が強い味方となってくれるはずです。これから築き上げる任地の人々との関係を土台に、日本とザンビアの子どもたちの懸け橋となる大澤隊員の姿が目に浮かびます。

続いて二人目は、中央州カブエへ赴任の田中隊員です。

田中 穂乃佳隊員:青年海外協力隊、職種「公衆衛生」、配属先「ナコリ地域ヘルスセンター」

ザンビアの印象は?

とても親しみを感じました。最初に目に入った空港からみた自然や空の広さは、出身地の北海道に近いものを感じました。ザンビアの今の季節は冬ですが、丁度日本の家を出てきたときと同じくらいの気温です。これから暑くなると思うので、少し怖いながらも楽しみです。ザンビアの方はとても気さくで、親切です。町に買い物に行った時は、探しているものを伝えるとみんなが次々と店を教えてくれたり誰かを探してくれたり、番組ロケをしているような感じで糸がつながっていきました。お礼や挨拶をすると日差しの明るさのような笑顔を向けてくれます。砂埃が舞ったり、道路のど真ん中でモノを売っていたり、道ですれ違う時に挨拶を交わしたり、どこか時間にルーズだったり、星空がとても綺麗だったり、日本にいるだけでは気づかなかった景色に新鮮さを感じています。

応募動機

生活に密着した関わりをしたいと思ったことが一番のきっかけです。初めに国際協力に携わりたいと思ったのは、中学生だったときの社会の授業中です。私が当たりまえと思っているものがないことで命を落とす人が世界にはたくさんいると知り、何かできることはないかと考えました。最初は、医療があれば人が救えると思い、医療者になることを目指しました。しかし、医療を学ぶ中で、「もし命を救えたとして、そのあとはどうするのだろう」と考えることがありました。そのきっかけはマズローの欲求段階という理論です。人の欲求を段階的に表したもので、生きる上で基盤となる欲求が満たされて初めて、自己実現などの欲求が出てくるという考え方です。医療が必要な人、そうでない人でも、食べることや飲むことの基本的な欲求は生きる上で重要です。特に食べ物を食べることは体を作ることであり、誰かと食べることは楽しさや安心感も生むことがあります。そこで、命を救うところだけではなく、継続して生きて、食べていけるよう、環境を整えるところに携わりたいと思いました。そして、生活を支援するにはその土地の文化や習慣を理解する必要があると思います。協力隊は一緒に暮らし、一緒に食べて、地域住民の方の生活を理解したうえでサポートができる環境なので、私にとってはなによりも叶えたい選択肢でした。

要請内容と抱負

活動のメインはプロジェクトのフォローアップです。配属先のカブエは数年前まで大きなプロジェクトがあったため、その継続で子供の栄養改善、成長チェック活動の支援や環境衛生の改善の支援を行います。まだ任地には行っていないので詳しいことはわかりませんが、離乳食の作り方がわからない、子供が順調に成長しているのか判断できていないことがあるそうです。さらに、ザンビアはHIVの罹患率も高く、若年者への啓発も重要です。具体的な活動は決まっていないことが多いですが、何らかの形で、自分のもつ知識や思いがザンビアの人の暮らす環境に貢献できるように頑張ります。ザンビアの方からたくさんザンビアのことも学んで、成長していきたいと思います。また、音楽が好きで日本から楽器(ヴェノーヴァ)を持ってきたので、ほかの面でも交流を深め、コラボレーションしたいと思っています。

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ベンバ語クラスの先生たちと(下段右から2番目が田中隊員)

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ストリートチルドレン保護施設・孤児院訪問にて

いつも笑顔で親しみやすく、一緒にいると会話が弾む田中隊員。任地の人々と生活をともにすれば、その人柄に魅かれ、また癒されて笑顔になるザンビア人も多くいるはずです。「食べて、生きる」だけでなく「楽しさや安心感」を生み出せる存在として、任地で活動されることでしょう。

月が変わった8月1日、2018年度1次隊13名は任地での活動をいよいよ開始します。初心を忘れず、任地の人々に寄り添いながら2年間を過ごし、それぞれのもつ目標や想いを成し遂げられるような活動となることを期待しています。大澤隊員・田中隊員、ご協力ありがとうございました!