2018年12月7日
国際協力機構(JICA)は、11月30日、ルサカにてザンビア共和国政府との間で、地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)「アフリカにおけるウィルス性人獣共通感染症の疫学に関する研究プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions:R/D)に署名しました。
本事業は、ザンビアでの先行プロジェクト「アフリカにおけるウィルス性人獣共通感染症の調査研究プロジェクト(2013年~2018年)」の成果を更に発展させ、ウィルス性人獣共通感染症の診断法の開発・改良を行うと共に、既知、新規のウィルスの特性等を分子疫学的に解析、リスク評価を行うことで、コンゴ民主共和国及びザンビアの疫学研究機能の強化を図るものです。
エボラ出血熱やジカ熱、高病原性鳥インフルエンザなどのウィルス性人獣共通感染症の発生は、公衆衛生上の緊急事態であるとして国際社会から懸念されています。コンゴ民主共和国ではエボラ出血熱が断続的に発生しており、同病は同国の社会・経済に対する大きな負担となっています。コンゴ民主共和国に国境を接するザンビアはウィルス性人獣共通感染症の脅威に曝されており、同感染症の検査診断やサーベイランス、アウトブレイク対応能力の強化がザンビア保健政策上の優先課題となっています。
本事業では、対象二カ国の研究機関との共同研究を通じて、検査診断能力やサーベイランス能力の強化、研究・教育ネットワークを通じた人材育成を目指します。これにより、中部及び南部アフリカ、将来的には、サブサハラ・アフリカにおける公衆衛生危機への対応能力の強化が図られることが期待されます。
対コンゴ民主共和国、ザンビア共和国
アフリカにおけるウィルス性人獣共通感染症の疫学に関する研究プロジェクト
2019年4月~2023年3月
ザンビア大学獣医学部(UNZA-SVM)、ザンビア大学教育病院(UTH)
コンゴ民主共和国及びザンビアのウィルス性人獣共通感染症の流行地域
本事業は、対象地域においてヒトと動物に感染するウィルスの感染状況や自然宿主、宿主域、伝播経路等の解明に向けた疫学研究能力の強化を行うと共に、人獣共通感染症ウィルスの検出法の確立を通じてウィルス性人獣共通感染症の検査診断能力の強化を図る。また、国際的なウィルス性人獣共通感染症の研究、教育のネットワークを強化する。