JAPAN FESTIVAL in MONZE

2019年11月7日

2017年度3次隊 安藤允の/タゴレ プライマリースクール(青少年活動)
2017年度3次隊 田中悠太/シムカレ プライマリースクール(小学校教育)
2017年度3次隊 前川裕香里/セント・ヴィンセント・デ・ポール・コミュニティー プライマリースクール(青少年活動)
2017年度4次隊 坪井健悟/モンゼ プライマリースクール(小学校教育)
2018年度1次隊 大澤明浩/チャールズ・ルワンガ プライマリースクール(小学校教育)
2018年度1次隊 讃岐聖子/モンゼ・タウン・デイ セカンダリースクール(理科教育)
2018年度2次隊 足立ひかり/グウェンベ・デイ プライマリースクール(小学校教育)
2018年度2次隊 吉竹あすか/シチヤンダ プライマリースクール(小学校教育)
2018年度3次隊 日野恵実/モンゼ・ボーディング セカンダリースクール(PCインストラクター)

開催経緯・目的

南部州モンゼでは、現在9名のJOCVが活動している。お互いの配属先に行って共同で活動をしていたり、助け合ったりと普段から隊員同士のつながりは強い。同じ任地にJOCVが9人もいるこの機会に何か一丸となってできるプロジェクトをしたいということからこの企画は始まった。

我々9名全員が学校配属だったので、日本文化を紹介したい、現地の人々との交流を増やしたいと考え、国際相互理解を目的としてJapan Festival in Monzeを開催することとなった。

開催当日の様子

当日は、JOCV26名とUNZA(ザンビア大学)で日本語を学ぶ学生2名、Peace Corpsで活動するアメリカ人3名、配属先の同僚1名の協力のもとイベントを開催した。

名前をひらがなで書く、浴衣の着付け体験、日本の昔遊び、日本クイズ、和食体験、習字、柔道、ソーラン節などで日本文化を紹介することにした。その他に、保健衛生の企画として身体測定や、かまどでの水の煮沸の実演なども行った。

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広報用チラシ。モンゼ市内の店舗や学校に掲示。

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受付の様子。配属先の同僚も手伝ってくれている。

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受付の様子。開場と同時に、長蛇の列ができた。

名前をひらがなで書くコーナーでは、漢字、カタカナ、ひらがなのどれにするかを話し合い、日本独自の文字で柔らかい印象を与えるひらがなを筆ペンで書くことにした。初めて見る文字による自分の名前はとても新鮮だったようで、嬉しそうにその文字を見せてくれた。

浴衣の着付け体験では、会場に入りきれないほどの長蛇の列ができ、予定を一時間延長して対応した。うまく袖を通せなかったり、ひもや帯で締められたりすることに戸惑いつつも、ドレスアップのような気持ちになるのか、浴衣を着付け終わるとみんな笑顔で写真撮影に臨んでいた。

日本の昔遊びでは、コマ、竹とんぼ、けん玉、お手玉、万華鏡、射的を行った。見たこともないコマやけん玉などの道具に来場者が試行錯誤しながら取り組んでいた。

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ひらがなで書かれた自分の名前を見せてくれている様子。

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浴衣着付け体験。帯を結んでいる様子。

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昔遊び。けん玉に挑戦中。

ソーラン節では、「これぞアフリカ!?」と感じるくらい、初めて聞く日本の音楽にも、みんなノリノリで踊った。弾む掛け声が聞かれ、はじけるたくさんの笑顔が見られた。

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法被を着た隊員の動きを模倣して、ソーラン節の振り付けを学んでいる様子。

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柔道を体験している様子。男の子にも女の子にも大人気だった。

「空手教えて」と任地では武道が人気。もちろんこの日の柔道も大人気。畳のまわりには二重三重の人だかりができ、「僕も!」「私も!!」と体験したい子どもたちでいっぱいだった。

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習字で書いた自分の名前と記念撮影。写真後方では、UNZAの学生がお手伝い。

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三択式の日本クイズ。

普段は、鉛筆またはボールペンと硬いもので文字を書くことに慣れているザンビア人。習字体験では、硯と筆、半紙を準備し、本格的に書を体験できるようにした。ぐにゅぐにゅと筆で書くのはまさに新境地。また、UNZA(ザンビア大学)に通うザンビアの学生さんが日本文化を紹介する活動をしていたことは、来場者にとって日本文化を学ぶ良いモデルになったようだ。

和食体験では、みたらし団子とチンゲン菜に似た野菜で現地で最も一般的に食されている“レイプ”のおひたしなどを作った。案内段階から、日本食に興味を持ってくれる人がとても多かった。「甘い」「柔らかい」「もっと欲しい」と日本食は好感触。ザンビアでも手に入る食材なので、これを機に食べ方工夫のきっかけになればと感じた。

日本文化を紹介する展示では、三択クイズで答えを自分でめくる形式にし、来場者自身のペースで行えるようにした。開催後、学校でこのクイズにあった内容の「寿司は?」と尋ねられ、日本文化に興味を持ってもらえたことが窺えた。

かまどを用いた水の煮沸では、レンガを組み立てるところから実践し、来場者が興味深くその様子を見守っていた。

身体測定のコーナーでは、身長と体重の測定をした。測定後、身長の伸びや体重の増加など、友人たちと楽しそうに語り合いながらブースから出てくる様子が見られた。日本の学校とは異なり、日常的に自身の数値を知ることはないので、健康状態を知る良い機会となったようだ。

イベントを振り返って

日曜日開催ということで、教会に行く人もいるので200名の来場者を想定していたが、当日はその予想をはるかに上回る470名もの来場者が訪れた。

この活動を通して、交流が活発になり、体験を共有することができた。後日、生徒の方からイベントの感想を伝えに来てくれ、商店で働く人と雑談を交わすようにもなった。ラジオ局員、DEBS(District Education Board Secretary:郡教育事務所)のオフィサーなどとも交流が生まれ、増え、深まったりもした。

当初我々が目的として掲げた国際相互理解を深めることができたのはもちろんのこと、隊員同士が持っている知識・経験を共有し合うことにより、我々自身が日本文化について理解を深める良い機会ともなった。浴衣の着付け、おはじきの遊び方など、このイベントを通して知ったことが多かった。

最後に、このイベントの成功はみんなの協力があってこそだと感じた。一人ではもちろん、9人でもこのように大きなイベントはできなかった。改めてJOCVを始めとするこのイベントに関わった多くの人々に感謝の気持ちを述べたい。イベントが当初考えていたものよりもどんどんと大きくなっていく中で、JOCVのエネルギーと実行力のすさまじさに感嘆した。活発な会議、実践、補い合い、それぞれが自ら考えて動いていく…。大きなトラブルもなく、無事にイベント終了を迎えられたのは、きっと小さなところでみんなが未然に防いでくれたから。このような仲間と活動し、つながりを持てたこともイベントで得られた宝物である。

今回のイベントの様子は、こちらのURLと配属先向けレターから確認することができます。写真・動画撮影、編集は全てJOCVが行っているので、ぜひチェックしてみてください!