2019年度2次隊、任地へ出発

2020年1月8日

2019年12月1日、9名のボランティアがザンビアに到着しました。その後約4週間の現地訓練を終え、いよいよそれぞれの任地へと出発しました。今回2人の新隊員にお話を聞きました。まず一人目は、中央州セレンジェに派遣される原隊員です。

原 汐音 隊員:青年海外協力隊、職種「小学校教育」、配属先:ミセロ・カピカ・デモンストレーション初等学校

ザンビアの印象は?

ザンビアに到着してまず思ったことは、“なんて暑いんだ!”。見渡す限りの青い空に、大きな雲。まさに夏。日本を出る時には必要だったフリースがすぐ要らないものになったことを覚えています。そんな暑いザンビアに来て一ヶ月近く経とうとしています。最初は見る物全て、出会う人全てが新鮮でしたが、今はむしろ日本の景色の方が新鮮かもしれません。マンゴーがたわわに実った木、道ばたに並ぶ見慣れない野菜や果物、挨拶すれば誰とでも仲良くなれる習慣、どこまでも続くまっすぐな道。これが私の中で当たり前になってきているのですから、大変不思議なものです。けれどこれからザンビアで経験する全てのことが、もっと私の中で当たり前になっていくと思うと楽しみで仕方ありません。

応募動機

恥ずかしながら、応募動機は「漠然と申し込んでみたいと思った」でした。大学院を修了し、夢だった高校の教員として働こうと思ったとき、教科書の内容以外に教えられることが私にはあるのだろうかと疑問に思うようになったのです。そのときに不意に見つけた青年海外協力隊の文字。気づいたら申し込んでいました。ですから今、こうして隊員としてザンビアにいることは、私にとって幸運すぎることです。こんな奇跡を与えてもらった私、ザンビアのために粉骨砕身していく所存です!

要請内容と抱負

皆さんは「アフリカ」と聞くとサバンナのような大自然が広がる景色を想像するかもしれませんが、ザンビアの首都ルサカは驚くほど都会です。欲しいものは何でも手に入ります。そんな首都からバスで6時間程度かかる「セレンジェ」という場所に私の配属先はあります。セレンジェはいわば「田舎」。見渡す限りの地平線が広がります。ルサカのように多くの物は手に入りませんが、ルサカでは経験できなかった自然の美しさ、人の温かさがそこには溢れています。そこで私は小学校教員として現地の子ども達に算数と理科を教えます。理数科目が苦手と言われるザンビアの子ども達。大それたことかもしれませんが、私が教えた生徒達が少しでも算数と理科の楽しさを知ってもらえることが私の目標です。そのために同僚教員と協力しながら、少しでも素敵な授業ができるよう試行錯誤していきたいです。

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ベンバ語クラス(先生と生徒)

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任地セレンジェの風景

続いて2人目は、西部州モングに派遣される平松隊員です。

平松 悟 隊員:青年海外協力隊、職種「番組制作」、配属先:National Agricultural Information Services(NAIS)モング支所

ザンビアの印象は?

果てしなく広がる草原と強い日差し、発展途上の国々で暮らす現地の人々…多くの日本人が抱く「アフリカ」像とさほど変わらぬイメージを持ってザンビアに来ました。突き刺すような日差しと広い空はイメージ通り。イメージと違ったのは、首都ルサカが思った以上に発展していたことと、ザンビアの人々が少々控えめで、親切だったことです。アフリカの他国に比べても「日本人に似て謙虚」だそうですが、無暗にしつこくも押し付けがましくも無く、こちらから話しかけるとニッコリ笑って対応してくれるので、日本人とは相性がよさそう。

任地訪問で西部州モングに行きましたが、モングは適度に田舎で、ルサカほどの喧騒もなく住みやすい印象を受けました。何よりも街の西部に広がる大平原には感動!雨期には平原の中を流れる川が溢れ、この草原全てが水に沈んで巨大な川になるそうで、そこに沈む夕日は格別だそうです。またモングには貧しい人も多くいるのですが、皆フレンドリーで、道行く人に地元のロジ語で話しかけていたら、翌日には多くの人から名前を呼んでもらえるようになり、早くもモングの街が好きになりました。

応募動機

東京のテレビ局の主に報道部門で20年以上働き今年45歳。仕事は面白くやりがいに溢れていますが、サラリーマンにはできない「得難い経験」をしたい、やるなら健康で体力もある今しかないと、思い切って民間連携制度で応募しました(妻子と会社の理解に感謝)。どうせ行くなら、赴任地は文化的にも歴史的にも日本から最も遠いアフリカを希望。JICA側に「アフリカ」「英語圏」「首都ではない場所」と希望を伝えて要請を探してもらい、結果的にザンビアに来ることになりました。会社の肩書もサポートもない土地で何ができるのか…。多分困難しかありませんが、そんな「得難い経験」をしたいと思っています。

要請内容と抱負

私の配属先は、首都ルサカから西に長距離バスで約9時間離れたモングという地方都市にあるザンビア農業省の一部門「NAIS(ナイス)」のモング支所になります。ナイスはザンビア全土の農業関連の広報等を担っている組織で、テレビやラジオに農業振興の番組を供給しており、その番組制作のお手伝いをするのが私の仕事です。とはいえ、この1か月、街中でテレビを見かける機会はあまりなく、あっても欧州サッカーのチャンネルがずっと付いている…という状況です。さらに農業番組は農家向けに作っているはずですが、農家の方は総じて裕福ではなく、テレビを持っていない家庭も多いと聞いてます。日本とはまるで違うメディア状況の中、自分に何ができるのか考えたいと思っていますし、機会を見つけて、メディア以外のフィールドでもやれることをやってみたいと思っています。

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モングの西側に広がる大平原

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メイズ(トウモロコシ)の配給を待つ人々

2019年度2次隊の皆さんの任地でのご活躍を楽しみにしています。

ご協力いただいた原さん、平松さんありがとうございました。