パラリンピック陸上選手を対象としたトレーニングキャンプin Zambia

2020年2月21日

夏の2020東京オリンピック・パラリンピックを目前に控え、日本国外でもスポーツへの関心が高まってきています。ザンビアでは1月26日~1月30日の5日間、アフリカ4ヵ国(ザンビア・マラウイ・ジンバブエ・ギニアビザウ)のパラリンピック陸上選手を対象としたトレーニングキャンプが開催され、JICAからは相澤悠太朗隊員(2018年度2次隊、体育)と三浦広大隊員(2019年度2次隊、理数科教育)の2名がキャンプに参加し、強化トレーニングを支援しました。

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国立競技場にてメンバー全員での集合写真

このキャンプは相澤隊員の母校でもある日本体育大学が2017年11月より、スポーツ庁の委託事業でパラリンピック参加支援事業として展開しています。この事業は、東京2020パラリンピック大会の参加国数を過去最大数にすることを目標として、国際パラリンピック委員会が定めた支援対象国への出場支援を行っているものです。

相澤隊員はザンビアの小学校で体育を、三浦隊員は中学校で生物や化学を教えています。相澤隊員は、ザンビアのスポーツ事情をよく知る隊員として、そして日本体育大学の卒業生の一人として何か力になれることがあればと思いキャンプに参加しました。また三浦隊員は、大学時代に陸上選手であったことや、パラリンピックを目指している選手との交流もあったことから参加しました。

選手達自身が自らの成長を実感できるような工夫

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ウォーミングアップにパフォーマンスを向上させるための動的なストレッチが導入されるようになりました

キャンプは初日のベーシックトレーニング、コアトレーニングから始まり、2日目には記録会、3日目にはコーチングについてのワークショップと、記録会の映像を確認しながらの修正点の確認、4日目、5日目にはその修正と大会に向けた体力と身体づくりにフォーカスしたサーキットトレーニングとジムトレーニングを行いました。普段とは違うプロフェッショナルなトレーニングを行うことにより、一本毎走るごとに選手達の成長が目に見えてわかるほどでした。トレーニングが厳しく、ときに笑顔混じりの悲鳴を上げながらも、選手達自身も自分たちの成長を実感して楽しんでいる様子でした。

今回のキャンプ経験を活かして3月に開催される第5回国際パラ陸上競技会マラケシュ大会および5月のドバイ2020世界パラ陸上競技グランプリで、一人でも多くの選手が東京パラリンピックのエントリー資格を獲得できることを願います。

言葉が通じなくても、何かが通じた

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全盲の選手はガイドランナーと呼吸を合わせて走行します

相澤隊員、三浦隊員とも、今回のトレーニングキャンプを通して選手達と一緒に汗を流し、改めて国も障がいの有無も関係なく多くを分かち合えるスポーツの魅力に魅了されたようです。また、2人ともポルトガル語は理解できませんが、ギニアビサウの選手達に別れ際にお礼の言葉を頂いたときに、たしかに心が通じ合った感覚があったと言っていました。今回のキャンプは、選手の強化合宿ですが、隊員自身改めてスポーツが持つ無限の可能性を感じることができる素晴らしい体験となったようです。今後も、この体験をザンビアでの活動に活かしていくことを願っています。