健診を楽しくする工夫を模索しています

現在本プロジェクトではパイロット地域において地域や職場での健康診断を実施し、特定された生活習慣病ハイリスク者への追加健診や行動変容のための動機付け(MI)面談を促す「ウェルネス推進システム」導入のためのパイロットを行っています。この中で、関係者間の連携不足や保健人材の業務負荷、保健施設へのアクセス、住民の健康への意識の低さ等のために、ハイリスク者の行動変容につながりにくいという問題に直面しています。こうした問題への解決へ向け、運営指導調査団として弘前大学大学院医学研究科健康未来イノベーションセンターの三上達也教授がフィジーを訪問し、プロジェクトチームへの改善策や具体的な取組に係る提言を行いました。

弘前大学は、啓発型健診であるQOL(Quality of Life)健診を開発し、弘前市から青森県内全域に広めてきた実績があり、三上教授はQOL健診において中心的な役割を担っています。本プロジェクト関係者による弘前での2023年10月実施のQOL健診視察を踏まえ、受診者自身が楽しみながら身体の状態を知ることができるという特徴をフィジーの健診にも取り入れることが健診受診率の向上や参加者の意識づけのヒントになるのではないかと考えました。そのため、現地での調査では、フィジーの理学療法専門家や職場の健康づくり委員会等との協議を行いました。職場健診の見学では、健診受診者からの協力を得て簡易的な下半身の筋力テストを実施しました。多様な民族が集まるフィジーでは、体格にばらつきがあることから、テスト方法及び基準について検討する必要がありますが、受診者が楽しんで健診を受けることのできる要素を取り入れることに対して前向きな反応・意見を得ることができました。

3月4日 簡易ツーステップテストの実施

3月4日 簡易ツーステップテストの実施

3月7日 三上教授によるプレゼンテーション後

3月7日 三上教授によるプレゼンテーション後