森から世界を変える
ソーシャルビジネスアワード
ユースサポーター意見交換会

「森林保全×ソーシャルビジネス」への
チャレンジで
自らの可能性も発見!

意見交換会には今回の企画に大きな熱意を持って参加してくれた3名のユースサポーターが参加してくださいました。

2018年2月7日(水)、東京・麹町のJICA本部にて、『森から世界を変えるソーシャルビジネスアワード』に参加したユースサポーター3名による「意見交換会」を行いました。プロジェクト総監修の谷中修吾氏(ビジネスプロデューサー)と、JICA地球環境部の森田隆博氏を交え、和やかな雰囲気で話が弾み、今回の企画を通じて「森林保全から広がるソーシャルビジネスの可能性を感じた」「視野が広がった」「成長できたと感じている」など、参加者自身の可能性を広げるプロジェクトであったことが語られました。

「開発途上国の森林を守るソーシャルビジネスを提案せよ!」をテーマとする『森から世界を変えるソーシャルビジネスアワード』では、18歳以上39歳までのユース世代の参加者を募集し、東京と神戸(関西)で開催したワークショップにそれぞれ約40名が参加。『森から世界を変えるREDD+ プラットフォーム』加盟団体や森林保全に関連するビジネスを展開している企業による「エキスパートTalk」などを通じて、開発途上国における社会的課題の現状を理解するとともに、ソーシャルビジネスのフレームワークを学びました。

アワードの最優秀賞受賞者はインドネシアへのスタディツアーに参加し、受賞メンバー以外の参加者も『REDD+ ユースサポーター』に登録。Facebookグループでの情報交換や、『エコプロ2017』でのワークショップ開催など、REDD+をより深く理解し、世の中に広めるための活動を継続していただきました。

インドネシアスタディツアー、食事中のひとコマ。

参加したREDD+ ユースサポーターのみなさん

勝然 大輔さん(大学生)
東京でのワークショップに参加。ビジネスアイデアの応募はできなかったが、国際協力や環境問題への興味があり意見交換会に参加した。

丁子 基彦さん(社会人)
神戸ワークショップに参加。参加者中最年長の38歳(当時)。プレゼンテーションでは手漉き和紙の技術で生計向上手段を創出する『森の語リスト』というビジネスアイデアを提案した。

赤塚 千春さん(社会人)
「途上国の森」を題材にしたVR(バーチャルリアリティ)テーマパーク『世界ふしぎの"森"発見』で最優秀賞受賞。インドネシアへのスタディツアーも経験した。

アワードに参加した理由……

8月に開催したプレゼンテーション参加者のみなさん。


勝然さん
父親が青年海外協力隊としてフィリピンで活動した経験を幼い頃から聞いていて、国際協力への興味がありました。自分自身もJICAのインターンシップでラオスへ行きました。今回のアワード開催はFacebookで知り、「官」であるJICAが中心となってソーシャルビジネスを切り口にしているのが面白そうだと感じてワークショップへの参加を決めました。


赤塚さん
企業のCSR部門で働いています。幼い頃から動物が身の回りにいるため、環境問題に特に興味があります。日頃から、世の中を変えていくような取組みができないかと思っているので、ソーシャルビジネスの視点から森林保全や国際協力を考える今回のテーマにはとても共感することができました。


丁子さん
紙を大量に消費する業界で働いていることもあり、環境に対して何か罪滅ぼしができないかと考えていたことが、アワードに興味をもった理由です。今は東京に単身赴任していますが、関西在住当時、神戸大学で開催されたビジネスアイデアのワークショップに参加してとても面白かったので、ぜひチャレンジしたいと考えました。

参加してみた感想は……


丁子さん
ワークショップからプレゼンテーションまで、参加者のアイデアは切り口が多彩で興味深かったです。学生の方、違う業界の方、また実際に森林保全やソーシャルビジネスに取り組んでいる方々と触れ合うことができ、自分の視野が自分でもびっくりするくらい広がったことを感じています。


赤塚さん
私は特派員としてインドネシアへ行くこともできました。普通の観光旅行ではなかなか行くことができない場所を訪問することができたり、現地の方と触れ合うことができたりと、とても貴重な体験を得ることができました。アワード参加後の一連の経験を通じて、自分自身が成長できたのではないかと思います。


勝然さん
学生でもあり、ビジネスのことを学ぶ機会は多くないので、ワークショップの内容はとても面白かったです。今回は大学院の入試と日程が重なって多忙だったこともありビジネスアイデアの応募はできなかったので、また次回のチャンスがあればぜひチャレンジしてみたいです。

インドネシアで貴重な経験を積んだREDD+オフィシャル特派員の4名。

ソーシャルビジネスへの手応えは……


赤塚さん
今回のアワードをきっかけに、総監修の谷中さんが主宰しているイノベーターカンファレンスに参加しました。ソーシャルビジネスに取組む人たちのお話しを聞く機会がありましたが、意欲的な取組みをしている人たちからは、「好き」の延長線上で活動に向き合っているエネルギーを感じます。私と黒岩さんのチームでは、スタディツアー時に撮影した映像を使い『エコプロ2017』で大日本印刷様とのコラボレーションが実現しました。チャンスを活かして、アイデアを実際のVRという形にすることでき、とても有意義だったと感じています。


丁子さん
参加者みんなのアイデアを見たり、実際にREDD+に取り組んでいる企業の方々のお話しを聞く中で、自分自身、ソーシャルビジネスにぜひ取り組んでみたいと思いましたし、「できる」という感触を得ることができました。


勝然さん
私はワークショップだけの参加だったこともあり、ソーシャルビジネスを実際に立ち上げていくのは「ハードルが高いのでは」と感じるのが正直な気持ちです。でも、自分が考えた物事が形になっていくのだとすれば、とても魅力的だと思います。

今後への期待や抱負……


赤塚さん
一日だけのワークショップの中で、ビジネスアイデアを考えるプログラムでしたが、森林についての知識や理解度には参加者の中で差があったのではないかと思います。森林への理解を深める時間がもっと多くてもよかったのではないでしょうか。例えば、日本国内の森林問題と、途上国が抱えている森林問題とでは種類が異なります。木は切るべきなのか、切ってはいけないのか・・・そういったことを整理した上で、ビジネスアイデアを考えていく過程も大切だと感じました。 今回のアワードに参加したことで、私自身は大きな刺激を受けることができました。これからも、新しい人脈や知識を広げていけるよう、さまざまなチャレンジを続けていきたいと思います。


勝然さん
ワークショップは内容も面白かったので、もっと長い時間を掛けて、深い知識が得られるプログラムでもよかったのではないかと思います。今回は東京と神戸の2カ所で開催されましたが、有意義なイベントですし、場所や機会をもっと増やして、多くの人が参加できるといいですね。 大学院への進学を考えていますが、大学院では途上国の開発を研究テーマにしたいと思っています。もともと環境には興味があるので、森林保全を論文のテーマに加えることを考えてみます。


丁子さん
今日の「意見交換会」もそうですが、ワークショップだけで終わるのではなく、共通の問題意識をもった人たちとの繋がりを継続するフォローアップの機会を設けていただいたのが、すごくいいなと感じています。プラットフォームの参加企業が所有している実際の森があれば、そこでワークショップを開くのもいいのではないでしょうか。 今後はぜひ、仕事や家庭と両立できる社会との関わりを確立したいと思います。「いつか」ではなく、すぐにでも「スタートするぞ!」という勢いで取り組みます!

JICA本部での意見交換会の終了後には、近くの中華料理店に場所を移して親睦会を行いました。親睦会には、『間伐の疑似体験ができる森林木育キット』を提案した伊藤喜久恵さん、そして『第1回REDD+オフィシャル特派員』である「YRN(やーん)」の渡邉梨香さんと末吉賢太郎さんの二人も参加してくれました。

「こうしたプロジェクトが単年ごとに終わってしまうのでなく、参加者が層のように積み上がっていくといいですね」(赤塚さん)
「ボランティアでも、これからも何か関われることがあればぜひ参加したいです」(丁子さん)
などなど、打ち解けた雰囲気の中で、ユースサポーターからの嬉しい言葉もありました。

ユースサポーターのみなさんからいただいた貴重なご意見を参考にして、さらに多くの方に参加していただけるような今後の展開を考えていきたいと思います。