REDD+オフィシャル特派員

審査会レポート

 

2016年7月16日土曜日、東京・市ヶ谷のJICAビルにて、第1回REDD+オフィシャル特派員を決める審査会が開かれました。 たくさんの応募の中から、最終選考会の候補として選ばれたのは、それぞれ趣向を凝らした企画書で一次審査を通過した6組の方たちです。

この最終選考会では、審査員の前で6組のプレゼンテーションが行われ、オフィシャル特派員が選ばれます。どのような企画で誰が選ばれるのか、このプレゼンテーションで決まります。

審査の様子

審査の様子

いよいよ、ひとり目のプレゼンテーションです。最初のプレゼンテーターは、矢倉裕也さん。企画内容は、「映画館を作ろう!」カンボジアなどで移動映画館をされた経験を活かし、REDD+の現場を訪ねてドキュメンタリーを作り、それを各地で上映し、講演も行うという企画です。

審査会でも、森林を守ることの大切さを印象的な短編ムービーにまとめて上映されました。時にコミカル、時に重い課題をわかりやすく表現されたムービーは審査員にも好評で、全国での講演実績も評価されました。

矢倉裕也さん

矢倉裕也さん

2番手は「YRNやーん」。3名での応募です。このユニークなチーム名の由来は、「(やらない理由がない)やーん」ということ。企画は、日々、SNSに追われて余裕がなくなっている人、特に若い人に向けた内容で、森林とデジタルデトックスをうまく結びつけたものです。

Phone(スマホ)とrest(休憩)を合わせた造語のPhorest という企画で、具体的には、人と会っている時、一人の時間が欲しい時などに、自分がPhorest中であることを森林の写真やアイコンなどを使って、すぐに返信できない意思表示を伝える。このことにより、現実の世界とのつながりを大切にし、ゆっくり考える時間を作ることができる、というものです。また、送信者はPhorestの活動に興味を持ち、その切り口からREDD+を知るというように、拡散していく仕組みです。若い人たちのSNS 症候群の解決とともに、森林を守る活動の拡散をつなげるこの企画は、学生ならではの発想だと、特に高く評価されました。

YRNやーんの3名

YRNやーんの3名

3番目のプレゼンテーターは「Forest Ambassadors」。大学の国際教養学部に在学され、ともに長期海外在住経験を持つ二人組です。企画はREDD+現場を取材し、5分くらいのショートムービーを作成し、拡散するというもの。ムービーは通勤時間や待ち合わせ時間など、ちょっとした時間の合間に見てもらうことを意識して短くしています。ムービー内容は、雄大な自然、現地の文化から、森林破壊の現状に変わり、現地インタビューを挟み、私たち先進国のできることで締めるというように、短い中で伝わる工夫をしています。

さらにこのチームの特色は、ムービーに日本語だけでなく英語、中国語、フランス語、スペイン語の字幕をつけて発信するという国際経験を活かした企画にあります。日本のREDD+の活動を世界に発信するというスケールの大きな企画に、審査員からも好感が持たれました。

Forest Ambassadorsの2名

Forest Ambassadorsの2名

一人で応募してきた次のプレゼンテーターの飯塚帆南さんは、2016年度ミス日本みどりの女神であり、さらには農林水産省任命のみどりの広報大使でもあるということ。華やかなイメージのあるミス日本ですが、実際には、活動で森林関係の現場に行くことが多くあり、チェーンソー資格も取得されています。そんな彼女が今回応募した動機は、森林・林業関連の情報は、まだまだ知っている人が少数であるということを大使などの活動を通して痛感したから、だそうです。もっと多くの人に森林の現状を知ってほしい、次世代のことを見据えた行動をとらなければならない、という強い気持ちを持たれて今回応募されました。

具体的な企画が8つ提示され、実現できそうなものが多数ありました。REDD+の現場から毎日SNSによるレポート、写真・動画取材した素材を活用した展示会等の実施、子どもを対象にしたクイズ大会や紙芝居、母校の大学での講演会、REDD+の学生団体設立の働きかけなど、数多くのアイデアが提示され、審査員は一同感心しきりでした。

飯塚帆南さん

飯塚帆南さん

5番目はチーム「みどり」。横浜国立大学に在学するベトナム人留学生によるチームです。4名のメンバーは、森林破壊の原因の中でも特に、先進国の商業伐採に着目しました。日本が世界有数の緑の多い国であるにもかかわらず、世界3位の木材輸入国でもあります。その理由は主に経済的な理由からで、日本は自国の木材を使うことで森林破壊は緩やかになるのではないかと考えました。

その一方、途上国の商業伐採を止めると住民の仕事にも影響を与えるのではないだろうか。そうした商業伐採をめぐる動きを中心テーマに据えて現地の取材を行うという内容でした。応募の際に作成されたアニメーションは言語を超えてメッセージを伝えることができるもので、とても印象的であったと審査員一同から高く評価されました。

チームみどりの4名

チームみどりの4名

最後のプレゼンテーションは、広島からスカイプを通じて行われました。伊東将人さんは、大学院での防災分野の研究経験を活かした企画で、具体的には現地の家計調査とコミュニティ調査、フィールド実験を行うことを提案。そして、これらの調査結果の分析からこれからのREDD+の可能性を探るというものです。

自身の学生という立場を活かし、大学のイベントなどで発表。科学的な根拠に基づく分析結果を示し説得力を持たせることを計画。他の5組のプレゼンテーターとは一味違う研究者からのアプローチが評価されました。

伊東将人さん

伊東将斗さん

これで全てのプレゼンテーションが終了し、審査員による審議が始まりました。審査員はビジネスプロデューサーの谷中修吾さん、コンサベーション・インターナショナル・ジャパンの浦口あやさん、国際緑化推進センターの堀正彦さん、REDD+プラットフォーム事務局の宍戸健一さんで行われました。審議も真剣です。プレゼンテーションに刺激されてか、議論も熱のこもった内容になりました。

審議の様子
審議の様子

そして、最終的に第1回オフィシャル特派員に選ばれたのは、チーム「YRNやーん」、そして飯塚帆南さんとなりました。おめでとうございます!

これからREDD+のオフィシャル特派員として、REDD+の実践現場を訪問し、現場で起きていることや森を守る重要性を広めていただくことになります。詳しい活動内容などはREDD+ プラットフォームの各ページでも紹介していきます。

乞うご期待!

(REDD+プラットフォーム公式Webサイト編集部)


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