事例紹介

カンボジア 熱帯低地林におけるR E D D +
実施団体:一般社団法人コンサベーション・インターナショナル・ジャパン

カンボジア中部、メコン川西岸に位置するプレイロング地域におけるコンサベーション・インターナショナル・ジャパン(以下、CI)による取り組みです。 プレイロング地域は、インドシナ半島最大級の熱帯低地常緑樹林です。常緑樹林や落葉樹林が連続して広がる中に多くの川が流れています。絶滅危惧種を含む多くの野生生物の貴重な生息地であり、メコン川とトンレサップ湖の重要な水源地です。また、この地域に暮らす人々は、家の材料や主要な現金収入源である樹脂等を森から採集しています。森は、物質的、経済的、文化的、精神的、あらゆる意味で人々の生活の土台です。

しかし、この地域の森林を守る法的枠組がない中、企業による大規模な伐採が大きな脅威となっています。住民や違法伐採者による農地転換や森林伐採も続いています。CIの取り組みでは、プレイロング地域の保護林化を推進し、カンボジア森林局による違法行為の取締を強化しています。また、森を守るには、そこに暮らすコミュニティとの連携が不可欠であり、コミュニティ自らが森林保全に取り組めるよう、保全契約という方法を採用する計画です。農業技術支援や保全活動への賃金提供など、コミュニティへの便益提供の仕組み作りにも踏み込んでいます。

CIは2011年以降、REDD+の実現可能性調査等を通じて、この地域の森林がおかれた危機的状況と、REDD+を活用したビジネスモデルのポテンシャルを調査してきました。気候変動と生物多様性等に関わる政策提言、企業とのパートナーシップを業務とする国際環境NGOとしての「強み」を最大限にいかした取り組みといえるでしょう。CIの活動の継続によって、日本とカンボジアにおける二国間クレジット制度の在り方についての検討がますます深まっています。

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