事例紹介

J I C A ベトナム北西部水源地域における持続可能な森林管理プロジェクト
( S U S F O R M - N O W )と民間企業3社との連携
実施団体:住友林業株式会社、アスクル株式会社、一般社団法人ヤンマー資源循環支援機構、JICAなど

本プロジェクトは、ベトナム・ディエンビエン省での取り組みで、JICAが実施した「ディエンビエン省REDD+パイロットプロジェクト」によって、ベトナム国内で第1号となる、地方省の「REDD+アクションプラン(PRAP)」が策定されました。

2013年からは民間企業(住友林業株式会社、アスクル株式会社、一般社団法人ヤンマー資源循環支援機構)3社がSUSFORMNOWと連携を開始。REDD+実証活動として、過剰な焼畑を減らすための生計向上活動支援、森林保全・再生のためのレンジャーや住民による森林パトロールと植林などを行い、同時に森林モニタリングシステムなど、REDD+実施のために必要な地元の能力強化を支援しています。

2015年度、民間企業3社はコーヒー栽培指導のプログラムを開始しました。この取り組みは、焼畑よりも採算性の高いコーヒーの栽培・加工を指導し、生計向上と森林保全を両立させようという取り組みです。高品質の豆が採れた際は通常の流通ルートではなく、技術指導のパートナーでもあるハノイのコーヒーショップに相場より高い価格で直売できることになっています。

栽培や加工の技術だけでなく、販路の選択肢を増やすことによって、地域住民が自らの手でコーヒービジネスを成功させる可能性をさらに広げることができます。ビジネスの観点をもって地域のポテンシャルを見極め、支援を行う取り組みは、民間企業らしいアプローチです。

「生計向上」を目指すプログラムと「森林管理」を目的としたプログラムを同時に進めることで、森林と共存する持続的な社会を実現することは、REDD+ならではの目標でもあります。官民連携でそれぞれのノウハウを集結することで、CSRだけでは限界のある取り組みそのものも「持続可能」になっていくのではないでしょうか。

日本の強みをいかした気候変動緩和への貢献に向けて大きな可能性を感じる、REDD+プラットフォームの枠組みを象徴する官民連携プロジェクトの事例といえます。

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