○独立行政法人国際協力機構業務方法書
(平成15年10月1日規程(企)第10号)
改正
平成20年10月1日規程(企)第28号
平成23年3月30日規程(総)第10号
平成27年3月19日規程(総)第4号
平成30年9月21日規程(総)第25号
令和7年4月17日規程(総)第9号
第1章 総則
(目的)
第1条 この業務方法書は、独立行政法人通則法(平成11年法律第103号。以下「通則法」という。)第28条第1項の規定に基づき、独立行政法人国際協力機構(以下「機構」という。)の行う業務の方法について基本的事項を定め、もって業務の適正な運営に資することを目的とする。
(業務運営の基本方針)
第2条 機構は、我が国の国際協力に関する基本政策に即応しつつ、開発途上地域に対する技術協力の実施、有償資金協力及び無償資金協力の実施並びに開発途上地域の住民を対象とする国民等の協力活動の促進に必要な業務を行い、中南米地域等への移住者の定着に必要な業務を行い、並びに開発途上地域等における大規模な災害に対する緊急援助の実施に必要な業務を行い、もってこれらの地域の経済及び社会の開発若しくは復興又は経済の安定に寄与することを通じて、国際協力の促進並びに我が国及び国際経済社会の健全な発展に資することを業務運営の基本方針とする。
2 機構は、通則法第29条に定める中期目標に基づき、同法第30条及び第31条に定める中期計画及び年度計画を定め、これらの計画に沿って業務の運営に当たるものとする。
(関係機関との連絡等)
第3条 機構は、その業務を実施するに当たっては、関係各府省の協力の下に行うとともに、民間団体その他関係機関との連絡協調関係の緊密化を図り、業務の円滑かつ効率的な運営を期するものとする。
(用語)
第4条 この業務方法書において使用する用語は、通則法及び独立行政法人国際協力機構法(平成14年法律第136号。以下「法」という。)において使用する用語の例による。
第2章 条約その他の国際約束に基づく技術協力の実施に関する業務
(技術研修員の受入れ及び研修)
第5条 機構は、条約その他の国際約束に基づき、開発途上地域からの技術研修員に対し、技術の研修を行うものとする。
2 機構は、相手国政府等の要請に基づき、研修員の受入れについてその研修実施機関、研修時期及び期間の決定、研修実施計画の作成その他の研修の実施に必要な業務を行う。
(研修・宿泊施設の設置・運営)
第6条 機構は、前条の研修員のための研修施設及び宿泊施設を設置し、運営するものとする。
2 機構は、宿泊施設の利用者から施設の維持管理の実費を考慮して適正に定める金額を徴収するものとする。
(技術協力のための人員の派遣)
第7条 機構は、条約その他の国際約束に基づき、次の各号に掲げるところにより開発途上地域に対する技術協力のため人員を派遣するものとする。
(1) 相手国政府等の要請に基づき、技術協力のための人員の派遣についてその候補者、派遣時期及び期間の決定その他の派遣実施に必要な業務を行うこと。
(2) 技術協力のための人員に対して効果的な活動を行うための必要な指針の提示等を行うとともに、派遣中随時その活動状況を把握し、必要な作業の監理を行うこと。
(機材の供与)
第8条 機構は、条約その他の国際約束に基づき、前条に掲げる業務に係る技術協力その他開発途上地域に対する技術協力のための機材を供与するものとする。
2 機構は、相手国政府等の要請に基づき、機材の供与についてその品目仕様の選定、購入、輸送その他の機材の供与の実施に必要な業務を行う。
(技術協力センター)
第9条 機構は、条約その他の国際約束に基づき、次の各号に掲げるところにより開発途上地域に設置される技術協力センターに必要な人員の派遣、機械設備の調達等その設置及び運営に必要な業務を行うものとする。
(1) 技術協力センターの設置及び運営の各段階に応じて、必要となる各種調査の実施に必要な業務を行うこと。
(2) 技術協力のための人員の派遣及び機械設備等の供与の実施については第7条及び第8条の規定を準用すること。
(3) 前2号の他、技術協力センターの設置及び運営の円滑かつ一体的な遂行に必要な業務を行うこと。
(基礎的調査)
第10条 機構は、条約その他の国際約束に基づき、次の各号に掲げるところにより開発途上地域における公共的な開発計画に関し、基礎的調査を行うものとする。
(1) 相手国政府等の要請に基づき、調査団の派遣についてその編成、派遣時期及び期間の決定、効果的な調査を行うための指針の提示その他の調査の実施に必要な業務を行うこと。
(2) 調査の実施状況を把握するとともに、必要な作業の監理を行うこと。
第3章 有償資金協力に関する業務
(円借款)
第11条 機構は、条約その他の国際約束に基づく有償資金協力として、開発途上地域の政府、政府機関若しくは地方公共団体(以下「政府等」という。)(当該貸付けの対象である開発事業又は経済の安定に関する計画が継続している間に、開発途上地域の政府等以外の者となる場合(開発途上地域の政府等が、法人等(法人その他の団体又は個人をいう。以下同じ。)となる場合を除く。)を含む。)又は国際機関その他の外務大臣が指定する者に対して、その行う開発途上地域の経済及び社会の開発に寄与し、かつ、我が国との経済交流を促進するため必要と認められる事業(これらの事業の準備のための調査又は試験的実施を含む。以下「開発事業」という。)の実施に必要な資金又は当該開発途上地域の経済の安定に関する計画の達成に必要な資金を貸し付けるものとする。(この業務を以下「円借款業務」という。)
2 円借款業務は、次の各号に定めるところにより行う。
(1) 貸付金の使途 開発事業の実施に必要な資金又は当該地域の経済の安定に関する計画の達成に必要な資金とする。
(2) 貸付けの相手方 開発途上地域の政府等(当該貸付けの対象である開発事業又は経済の安定に関する計画が継続している間に、開発途上地域の政府等以外の者となる場合(開発途上地域の政府等が、法人等となる場合を除く。)を含む。)又は国際機関その他の外務大臣が指定する者とする。ただし、独立行政法人国際協力機構法の一部を改正する法律(平成18年法律第100号。以下「改正法」という。)附則第2条第1項の規定により機構が承継することとなった権利又は義務のうち、廃止前の国際協力銀行法(平成11年法律第35号)第23条第2項の規定に基づく貸付けに関するものを行使又は履行する相手方(当該貸付けが継続されているものに限る。)については、当該貸付けが継続されている限りにおいて、貸付けの相手方に含むものとする。
(3) 貸付けの方法 証書貸付とする。あらかじめ契約により貸付額の限度を設けて行うことができる。
(4) 利率 開発途上地域にとって重い負担にならないよう緩やかなものとし、別途定める。
(5) 償還期限 開発途上地域にとって重い負担にならないよう緩やかなものとし、別途定める。
(6) 償還の方法 分割償還又は定期償還によることとし、開発途上地域にとって重い負担にならないよう緩やかなものとし、別途定める。
(7) 担保及び保証 必要に応じて、機構が適格と認める物的担保又は保証を徴求するものとする。
(8) 手数料 第1項の規定による貸付けについては、当該資金の貸付けに係る手数料を、借入人等から徴収できるものとする。
(海外投融資)
第12条 機構は、我が国又は開発途上地域の法人その他の団体その他の外務大臣が指定する者に対して、その行う開発事業の実施に必要な資金又はその設定する計画であって開発途上地域の経済及び社会の持続可能性の向上に資するもの(以下「持続可能性の向上に資する計画」という。)の達成に必要な資金を貸し付け、当該資金に係る債務の保証を行い、当該資金の調達のために発行される社債若しくはこれに準ずる債券(以下「社債等」という。)を取得し、又は当該開発事業の遂行のため特に必要があるときは出資をするものとする。(この業務を以下「海外投融資業務」という。)
なお、海外投融資業務の実施においては、次の各号に定めるところにより行う。
(1) 対象とする開発事業・持続可能性の向上に資する計画 海外投融資業務の対象とする開発事業又は持続可能性の向上に資する計画は、当該国政府の開発政策等に沿い、かつ、開発効果の高いものとする。
(2) 事業計画等の適切性と達成の見込み  開発事業の事業計画又は持続可能性の向上に資する計画(以下合わせて「事業計画等」という。)の内容が目的及び採算性等の観点から適切なものと認められ、かつ達成の見込みがあると認められるものを対象とする。なお、本条第2項から第5項の業務の実施は、資金調達コストと事業リスクに見合う利回りが得られると見込まれる場合に限るものとする。
(3) 民間事業補完 開発事業等の内容、貸付け、債務の保証、社債等の取得若しくは出資の期間、債務者の信用及び担保・保証の状況等を勘案して、一般の民間金融機関による貸付け、債務の保証、社債等の取得又は出資では事業が成立しないことが認められる場合において、機構は海外投融資による貸付け、債務の保証、社債等の取得又は出資を行う。貸付け、社債等の取得又は出資の際には、機構と協調した形での一般の民間金融機関の参画を促す。
2 海外投融資業務のうち資金の貸付けは、次の各号に定めるところにより行う。
(1) 貸付金の使途 開発事業の実施又は持続可能性の向上に資する計画の達成に必要な資金とする。
(2) 貸付けの相手方 我が国又は開発途上地域の法人その他の団体その他の外務大臣が指定する者とする。ただし、改正法附則第2条第1項の規定により機構が承継することとなった権利又は義務のうち、廃止前の国際協力銀行法第23条第2項の規定に基づく貸付けに関するものを行使又は履行する相手方(当該貸付けが継続されているものに限る。)については、当該貸付けが継続されている限りにおいて、貸付けの相手方に含むものとする。
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(3) 貸付金の金額 原則、貸付け決定時における開発事業又は持続可能性の向上に資する計画の費用総額の70%を上限とする。ただし、特に必要と認められる場合は、最大80%を上限とすることができる。
(4) 貸付けの方法 手形貸付又は証書貸付とする。あらかじめ契約により貸付額の限度を設けて行うことができる。
(5) 利率 開発途上地域にとって重い負担にならないよう緩やかなものとし、金融市場への影響も考慮の上、別途定める利率を下回らないものとする。
(6) 償還期限 開発途上地域にとって重い負担にならないよう緩やかなものとして別途定める。
(7) 償還の方法 原則として、分割償還又は定期償還によることとし、開発途上地域にとって重い負担にならないよう緩やかなものとして別途定める。
(8) 担保及び保証 必要に応じて、機構が適格と認める物的担保又は保証を徴求するものとする。
(9) その他貸付けの条件等 その他貸付けの条件等については別途定める。
3 海外投融資業務のうち債務の保証(開発途上地域の地場銀行等(地域開発金融機関を含む。)が地場中小企業等に対して行う融資ポートフォリオ(原則新規のポートフォリオを対象とする。)を部分保証するスキームに限る。)は、次の各号に定めるところにより行う。
(1) 保証対象となる貸付金等の使途 開発事業の実施又は持続可能性の向上に資する計画の達成に必要な資金とする。
(2) 保証の相手方 我が国又は開発途上地域の法人その他の団体その他の外務大臣が指定する者とする。
(3) 保証の金額 原則、保証決定時における開発事業又は持続可能性の向上に資する計画の費用総額の50%(協調保証では協調先と合計で50%)を上限とする。
(4) 保証の方法 原則として、証書による保証の方法によって行う。
(5) 保証料率 開発途上地域にとって重い負担にならないよう緩やかなものとし、金融市場への影響も考慮の上、別途定める保証料率を下回らないものとする 。
(6) 保証期限 開発途上地域にとって重い負担にならないよう緩やかなものとして別途定める。
(7) その他保証の条件等 その他債務の保証の条件等については、別途定める。
4 海外投融資業務のうち社債等の取得は、次の各号に定めるところにより行う。
(1) 社債等の使途 開発事業の実施又は持続可能性の向上に資する計画の達成に必要な資金とする(原則としてESGラベル付債券を対象とする。)。
(2) 社債等の取得の相手方 我が国又は開発途上地域の法人その他の団体その他の外務大臣が指定する者とする。
(3) 社債等の金額 原則、社債等の取得決定時における発行計画額の70%を上限とする。
(4) 社債等の取得の方法 社債等の取得の方法は、応募その他の方法とする。
(5) 取得価格 開発途上地域にとって重い負担にならないよう緩やかなものとし、金融市場への影響も考慮の上、別途定める取得価格を下回らないものとする。
(6) 償還期限 開発途上地域にとって重い負担にならないよう緩やかなものとして別途定める。
(7) 償還の方法 開発途上地域にとって重い負担にならないよう、緩やかなものとして別途定める。
(8) 担保及び保証 必要に応じて、機構が適格と認める物的担保又は保証を徴求するものとする。
(9) その他社債等の取得の条件等 その他社債等の取得の条件等については、別途定める。
5 海外投融資業務のうち資金の出資は、次の各号に定めるところにより行う。
(1) 出資金の使途 開発事業の実施に必要な資金とする。
(2) 出資の相手方 我が国又は開発途上地域の法人その他の団体その他の外務大臣が指定する者とする。ただし、改正法附則第2条第1項の規定により機構が承継することとなった権利又は義務のうち、廃止前の国際協力銀行法第23条第2項の規定に基づく出資に関するものを行使又は履行する相手方(当該出資が継続されているものに限る。)については、当該出資が継続されている限りにおいて、出資の相手方に含むものとする。
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(3) 出資が必要とされる場合 出資は、開発事業の実施のため、特に必要があるときに行う。
(4) 出資の限度額 原則として、出資を受ける者の資本の額の50%以下(ただし、現地企業等への直接出資については25%以下)とし、最大株主の出資割合を上回らず、かつ無限責任は取らないこととする。ただし、別途定める事業については、現地企業等への直接出資について50%未満(最大株主にならない範囲かつ無限責任は取らない場合)まで出資できることとする。また、機構は、会社法(平成17年法律第86号)及び会社法施行規則(平成18年法務省令第12号)で定める子会社又は子法人を持たない。この場合において、株式等の処分の過程における、一時的な出資限度額は別途定める。
(5) 出資の方法 原則として、株式又は持分(以下「株式等」という。)の取得の方法による。普通株のほか、優先株を含む種類株等も対象とすることができる。
(6) 出資により取得した株式等の処分 出資により取得した株式等は当該株式等の全部又は一部を処分することが適切であると認められる場合(機構の出資がその目的を達成したと認められる場合又はその目的の達成が困難であると認められる場合をいう。)には、なるべく速やかに処分に努めるものとする。また、機構は、出資に際して、株式等の処分にかかる方針を定める。
(7) 機構の株主としての監視 機構は、株主として議決権行使等を通じて必要な経営の監視を行う。ファンド向け出資の場合は、当該ファンドの業務運営にかかる基本方針等を通じ、対象事業が開発事業に合致することを確認する。
(8) その他出資の条件等 その他出資の条件等は別途定める。
6 その他海外投融資業務の実施に関して必要な事項は別途定める。
(有償資金協力に関する業務の委託)
第13条 機構は、銀行法(昭和56年法律第59号)に規定する銀行、長期信用銀行法(昭和27年法律第187号)に規定する長期信用銀行、信用金庫、全国を地区とする信用金庫連合会、農林中央金庫、保険会社、農業協同組合法(昭和22年法律第132号)第10条第1項第10号の事業を行う全国の区域を地区とする農業協同組合連合会、株式会社国際協力銀行及び株式会社商工組合中央金庫(以下「銀行等」という。)に対して、前2条に定める業務のうち、次に掲げる業務の一部を委託することができる。
(1) 資金の貸付け及び出資の申込受付に関する業務
(2) 資金の貸付け又は出資に関する調査及び審査の業務
(3) 資金の貸付けの手続きに関する業務
(4) 貸付けに係る資金の管理及び回収の業務
(5) 外貨の調達、処分に係る業務
2 機構は、前項各号に掲げる業務の委託をするため、銀行等との間に業務委託契約を締結し、かつ、当該銀行等に対して委託業務に必要な委託手数料を支払うものとする。
第4章 無償資金協力に関する業務
(無償資金協力に関する業務)
第14条 機構は、開発途上地域の政府等若しくは国際機関又は法人その他の団体に対して行われる条約その他の国際約束に基づく無償資金協力(外務大臣がその実施のために必要な業務の全部又は一部を自ら行うものとして指定するものを除く。)の実施のために必要な業務を行うものとする。
なお、無償資金協力の実施において、資金その他の財産を贈与し、又は開発途上地域の政府等に代わってその債務を弁済する方法は、それぞれ別途定める。
2 機構は、前項に規定する無償資金協力以外の無償資金協力のうち、その適正な実施を確保するために機構の関与が必要なものとして外務大臣が指定するものに係る契約の締結に関し、調査、あっせん、連絡その他の必要な業務を行うとともに、当該契約の履行状況に関し必要な調査を行うものとする。
第5章 国民等の協力活動の促進及び助長に関する業務
(募集、選考及び訓練)
第15条 機構は、開発途上地域の住民と一体となって行う国民等の協力活動を志望する個人の募集、選考及び訓練を行うものとする。
2 前項の募集、選考に当たっては、当該個人が開発途上地域の経済及び社会の発展又は復興に協力し、これら地域との親善と相互理解を深めたいとの奉仕の精神を有し、かつ、異質の生活環境に対する適応力を有することをその基準とするものとする。
(訓練施設の設置・運営)
第16条 機構は、前条第1項の訓練を行うための施設を設置し、これを運営するものとする。
(派遣及び支援業務)
第17条 機構は、条約その他の国際約束に基づき、第15条の選考及び訓練を受けた個人を開発途上地域に派遣するとともに、派遣中の個人の活動に対する支援に必要な業務を行うものとする。
(国民等の協力活動を志望するものから提案された業務の委託)
第18条 機構は、開発途上地域に対する技術協力のため、国民等の協力活動を志望するものからの提案に係る次の事業であって外務大臣が適当と認めるものを、当該国民等の協力活動を志望するものに委託して行うものとする。
(1) 当該開発途上地域からの技術研修員に対する技術の研修
(2) 当該開発途上地域に対する技術協力のための人員の派遣
(3) 当該開発途上地域に対する技術協力のための機材の供与
2 前項の業務の委託に当たっては、提案を行うものの主体的な発意が最大限尊重されるとともに、迅速かつ円滑に事業が行なわれるよう努めるものとする。
(知識の普及及び理解の増進)
第19条 機構は、国民等の協力活動に関し、知識を普及し、及び国民の理解を増進するものとする。
第6章 移住者に対する援助及び指導等に関する業務
(調査及び知識の普及)
第20条 機構は、海外移住に関し調査及び知識の普及を行うものとする。
2 前項の知識の普及に当たっては、海外移住の意義及び内容並びに移住先の事情について広く国民に周知されるよう努めるものとする。
(移住者に対する相談、指導等)
第21条 機構は、海外において、移住者の事業、職業その他移住者の生活一般について、相談に応じ、及び指導を行うものとする。
2 前項の相談及び指導に当たっては、移住者の移住先国の生活への適応、移住先国民との融和及び文化的、社会的地位の向上に留意しつつ行うものとする。
3 第1項の相談及び指導を行うため、必要に応じ、農業協同組合等の団体の育成をはかるものとする。
(移住者に対する援助)
第22条 機構は、海外において、移住者の定着のために必要な次に掲げる福祉施設の整備その他の援助を必要に応じ行うものとする。
(1) 移住者の生活安定のため、移住先国の施策を補完して必要な医療及び衛生上の措置を講ずること。
(2) 移住先国の施策を補完して移住者子弟教育の助成につとめること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、移住先国の施策を補完して、必要な措置を講ずること。
第7章 大規模な災害に対する緊急援助の実施に関する業務
(災害緊急援助の実施に関する業務)
第23条 機構は、開発途上地域等における大規模な災害に対する緊急援助の実施に必要な次の業務を行うものとする。
(1) 国際緊急援助活動その他の緊急援助のための機材その他の物資を備蓄し、又は供与すること。
(2) 国際緊急援助隊の派遣に関する法律(昭和62年法律第93号)に基づき、国際緊急援助隊を派遣すること。
(3) 国際緊急援助隊の派遣に関する法律に基づき、国際緊急援助活動に必要な機材その他の物資の調達、輸送の手配等を行うこと。
第8章 人員の養成及び確保に関する業務
(人員の養成及び確保)
第24条 機構は、法第13条第1項第1号、第4号ハ、第6号並びに同条第2項の業務の遂行に必要な人員(以下この条において「技術協力のための人員等」という。)の養成及び確保に必要な業務を次の各号により実施するものとする。
(1) 人材登録のために必要な業務を実施すること。
(2) 技術協力のための人員等の確保に必要な業務を実施すること。
(3) 派遣する技術協力のための人員等に対して必要な研修を実施すること。
第9章 調査・研究業務
(調査・研究)
第25条 機構は、法第13条第1項第1号から第7号までに掲げる業務に関連して必要な調査及び研究を行うものとする。
第10章 附帯業務
(附帯業務)
第26条 機構は、法第13条第1項第1号から第8号までに掲げる業務に附帯する業務を行うことができる。
第11章 その他の業務
(法附則第3条に定める業務)
第27条 機構は、機構が法附則第3条に定める業務を行う場合の業務の方法について、別に定める。
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第12章 外務大臣の指示による業務に関する事項
(緊急の必要がある場合の外務大臣の要求)
第28条 機構は、外務大臣から法第40条の規定に基づき、法第13条に規定する業務又は機構の外国にある事務所について必要な措置をとることにつき求めがあったときには、正当な理由がない限り、その求めに応じるものとする。
第13章 業務受託の基準
(業務の受託)
第29条 機構は、法第13条第3項の規定により業務を受託しようとするときは、別に定める規程に基づき、機構に業務を委託しようとするものと受託契約を締結するものとする。
第14章 業務委託の基準
(業務の委託)
第30条 機構は、自ら業務を実施するよりも、委託して実施することが効率的であると認められる業務(第13条に規定するものを除く。)については、その業務の実施を委託することができる。
2 機構は、前項の委託をしようとするときは、受託しようとする者とその委託に関する契約を締結するものとする。
第15章 競争入札その他契約に関する基本的事項
(契約の方法)
第31条 機構は、売買、貸借、請負その他の契約を締結する場合においては、第2項及び第3項に規定する場合を除き、公告して申込みをさせることにより競争に付するものとする。
2 契約の性質又は目的により競争に加わるべき者が少数で前項の競争に付する必要がない場合及び同項の競争に付することが不利と認められる場合においては、指名競争に付するものとする。
3 契約の性質又は目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付することができない場合及び競争に付することが不利と認められる場合においては、随意契約によるものとする。
4 契約に係る予定価格が少額である場合その他別に定める場合においては、第1項及び第2項の規定にかかわらず、指名競争に付し又は随意契約によることができる。
第16章 その他業務の執行に関して必要な事項
(環境社会配慮)
第32条 機構は、別に定める環境社会配慮のためのガイドラインを指針とし、業務運営を行うものとする。
(不正行為等に対する措置)
第33条 機構は、不正行為等に対しては、法令並びに別に定める規程及びガイドラインに基づき厳正な措置をとるものとする。
第17章 役員(監事を除く。)の職務の執行が通則法、法又は他の法令に適合することを確保するための体制その他独立行政法人の業務の適正を確保するための体制の整備に関する事項
(内部統制に関する基本方針)
第34条 機構は、役員(監事を除く。)の職務の執行が通則法、法又は他の法令に適合することを確保するための体制その他独立行政法人の業務の適正を確保するための体制を整備するとともに、継続的にその見直しを図るものとする。
(法人運営に関する基本的事項)
第35条 機構は、法人の運営基本理念及び運営方針を策定するものとする。
2 機構は、役員及び職員(以下「役職員」という。)の倫理指針及び行動指針を策定するものとする。
(理事会の設置及び理事の分掌に関する事項)
第36条 機構は、理事会の設置及び理事の分掌に関する規程等を整備するものとする。同規程等には、以下の事項を定めなければならない(該当事項を一つの規程等で定める場合のほか、個別の事項ごとに適切な規程等で定める場合も含む。以下同じ。)。
(1) 理事長を頂点とした意思決定ルールの明確化
(2) 理事長の意思決定を補佐する理事会の設置
(3) 理事の事務分掌明示による責任の明確化
(4) 本部・国内機関・在外事務所会議の開催
(中期計画等の策定及び評価に関する事項)
第37条 機構は、中期計画等の策定及び評価に関する規程等を整備するものとする。同規程等には、以下の事項を定めなければならない。
(1) 中期計画等の策定過程の整備
(2) 中期計画等の進捗管理体制の整備
(3) 中期計画等に基づき実施する業務の評価体制の整備
(4) 中期計画等の進捗状況のモニタリング
(5) 評価活動の適切な運営に関する以下の事項
イ 業務手順に沿った運営の確保
ロ 業務手順に沿わない業務執行の把握
ハ 恣意的とならない業務実績評価
(6) モニタリング及び自己評価を基にした適切な業務実績報告の作成
(内部統制の推進に関する事項)
第38条 機構は、内部統制の推進に関する規程等を整備するものとする。同規程等には、以下の事項を定めなければならない。
(1) 内部統制に関する重要事項を理事会の審議事項とすること
(2) 内部統制を担当する理事の決定
(3) 本部における内部統制推進部門の指定及び推進責任者の指定
(4) 国内機関、在外事務所における内部統制推進責任者の指定
(5) 内部統制を担当する理事に対する、内部統制推進部門からの報告の実施
(6) 内部統制を担当する理事から理事会への報告及び改善策の検討
(7) 内部統制を担当する理事と職員との面談の実施
(8) 内部統制を担当する理事によるモニタリング体制の運用
(9) 内部統制推進部門におけるモニタリング体制の運用
(10) 研修の実施
(11) コンプライアンス違反等の事実発生時における対応方針等
(12) 反社会的勢力への対応方針等
(業務手順の作成に関する事項)
第39条 機構は、業務手順を作成するものとする。
(リスク評価と対応に関する事項)
第40条 機構は、業務実施の障害となる要因を事前にリスクとして識別、分析及び評価し、当該リスクへの適切な対応を可能とする規程等を整備するものとする。同規程等には、以下の事項を定めなければならない。
(1) リスク管理に関する委員会の設置
(2) 業務部門ごとの業務フローの認識及び明確化
(3) 業務フローごとのリスク因子の把握及びリスク発生原因の分析
(4) 把握したリスクに関する評価
(5) リスク顕在時における対応方針、広報方針・体制
(6) 保有施設の点検及び必要な補修等
(7) 事故・災害等の緊急時に関する事項
イ 防災業務計画及び事業継続計画の策定及び計画に基づく訓練等の実施
ロ 事故・災害時の対策本部の設置、構成員の決定
ハ 事故・災害時の初動体制の構築及び情報収集の迅速な実施
(情報システムの整備と利用に関する事項)
第41条 機構は、業務の効率化、正確性の向上及び情報伝達の確実化(理事長の指示及び法人のミッションが確実に役職員に伝達される仕組み並びに職員から役員に必要な情報が伝達される仕組みを含む。)等を目的に、情報システムを整備し、利用する。この場合において、機構は情報システムの整備及び利用に関する規程等を整備するものとする。なお、業務変更に伴う情報システムの改変は適宜速やかに行うものとする。
(情報セキュリティの確保及び個人情報保護に関する事項)
第42条 機構は、情報セキュリティの確保及び個人情報保護に関する規程等を整備するものとする。同規程等には、以下の事項を定めなければならない。
(1) 情報セキュリティの確保に関する事項
イ 情報システムのぜい弱性対策、アクセスログの定期的点検、情報リテラシーの向上等情報システムにまつわるリスクに対するコントロールが適切に整備・運用されていることを担保するための有効な手段の確保
ロ 情報漏えいの防止(特に、システム管理を外部に委託している場合における情報漏えいの防止)
(2) 個人情報保護に関する事項
イ 個人情報保護に係る点検活動の実施
ロ 「独立行政法人等の保有する個人情報の適切な管理のための措置に関する指針」の遵守
(監事及び監事監査に関する事項)
第43条 機構は、監事及び監事監査に関する規程等を整備するものとする。同規程等には、以下の事項を定めなければならない。
(1) 監事に関する事項
イ 監事監査規程の整備に対する監事の関与
ロ 理事長と常時意思疎通を確保する体制
ハ 補助者の独立性に関すること
ニ 機構の内部規程における権限の明確化
ホ 監事・会計監査人と理事長との会合の定期的な実施
(2) 監事監査に関する事項
イ 監事監査規程に基づく監査への協力
ロ 補助者への協力
ハ 監査結果に対する改善状況の報告
ニ 監査報告の主務大臣及び理事長への報告
(3) 監事によるモニタリングに必要な以下の事項
イ 監事の理事会等重要な会議への出席
ロ 業務執行の意思決定に係る文書を監事が閲覧・調査できる仕組み
ハ 機構の財産の状況を調査できる仕組み
ニ 監事と会計監査人との連携
ホ 監事と内部監査担当部門との連携
ヘ 役職員(監事を除く。)の不正、違法、著しい不当事実の監事への報告義務
ト 監事から文書提出や説明を求められた場合の役職員(監事を除く。)の応答義務
(内部監査に関する事項)
第44条 機構は、内部監査を担当する室を設置し内部監査を実施する。この場合において、内部監査の結果に対する改善措置状況は、理事長に報告されるものとする。
(内部通報・外部通報に関する事項)
第45条 機構は、内部通報及び外部通報に関する規程等を整備するものとする。同規程等には、以下の事項を定めなければならない。
(1) 内部通報窓口及び外部通報窓口の設置
(2) 外部通報窓口の運用方法
(3) 内部通報者及び外部通報者の保護
(4) 内部通報が、内部統制を担当する理事や監事に確実にかつ内密に報告される仕組みの整備
(入札・契約に関する事項)
第46条 機構は、入札及び契約に関する規程等を整備するものとする。同規程等には、以下の事項を定めなければならない。
(1) 監事及び外部有識者(学識経験者を含む。)からなる契約監視委員会の設置
(2) 入札不調等により中期計画等の達成が困難となる場合の対応方針
(3) 談合情報がある場合の緊急対応
(4) 契約事務の適切な実施、相互けん制の確立
(5) 随意契約とすることが必要な場合の明確化
(予算の適正な配分に関する事項)
第47条 機構は、運営費交付金を原資とする予算の配分が適正に実施されることを確保するための体制整備及び評価結果を法人内部の予算配分等に適切に活用する仕組みの構築を行うものとする。
(情報の適切な管理及び公開に関する事項)
第48条 機構は、情報の適切な管理及び公開に関し、法人文書管理規程等を整備し、法人の意思決定に係る文書が適切に管理されることを担保するとともに、財務情報を含む法人情報をウェブサイト等で公開するものとする。
(職員の人事・懲戒に関する事項)
第49条 機構は、職員の人事管理方針に関する規程等を整備するものとする。同規程等には、以下の事項を定めなければならない。
(1) 業務の適正を確保するための定期的な人事ローテーション
(2) 職員の懲戒基準
(3) 長期在籍者の存在把握
第18章 役員等の損害賠償責任
(役員等の責任の一部免除又は限定)
第50条 機構は、役員及び会計監査人の通則法第25条の2第1項の賠償責任について、法令に定める要件に該当する場合には、主務大臣の承認によって、賠償責任額から総務大臣が定める額を控除して得た額を限度として、免除することができる。
附 則
この業務方法書は、外務大臣の認可のあった日〔平成15年10月1日〕から施行する。
附 則(平成20年10月1日規程(企)第28号)
この業務方法書は、主務大臣の認可のあった日から施行する。
附 則(平成23年3月30日規程(総)第10号)
この業務方法書は、主務大臣の認可のあった日から施行する。
附 則(平成27年3月19日規程(総)第4号)
この業務方法書は、主務大臣の認可のあった日から施行する。
附 則(平成30年9月21日規程(総)第25号)
この業務方法書は、主務大臣の認可のあった日から施行する。
附 則(令和7年4月17日規程(総)第9号)
1 この業務方法書は、主務大臣の認可のあった日から施行する。
2 本則第12条第3項及び第4項に規定する業務については、この業務方法書の施行日から2年間において、他の開発金融機関と協調で行うものに限るものとする。