○海外投融資業務における本人確認等に関する細則
(平成25年1月11日細則(企)第4号) |
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第1章 総則
(目的)
第1条 本細則は、独立行政法人国際協力機構(以下「機構」という。)が海外投融資業務(独立行政法人国際協力機構有償資金協力業務実施要綱(平成23年規程(企)第2号)第2条第2号に規定する業務をいう。以下同じ。)を実施する際に顧客の本人確認事項等の確認を行うために必要な事項を定め、海外投融資業務の適正な実施を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 本細則における用語の定義は、次のとおりとする。
(1) 「顧客」とは、機構の海外投融資業務に関して機構と取引又は契約締結行為(以下「取引等」という。)を行う自然人、法人、地方公共団体又は政府関係機関をいう。
(2) 「証券」とは、券面が発行されていると否とを問わず、株式、出資の持分、株式に関する権利を与える証書をいう。
(3) 「主管部等」とは、顧客との間で行う取引等に係る事務を担当する部等(独立行政法人国際協力機構組織規程(平成16年規程(総)第4号)第4条に規定する部・室・事務局をいう。)をいう。
(本細則の適用範囲)
第3条 本細則は、機構が海外投融資業務に関して顧客との間で行う取引等のうち、次の各号に掲げる取引等に関する事務について適用する。
(1) 金銭の貸借契約の締結
(2) 顧客からの証券の取得又は顧客に対する証券の譲渡(顧客又は機構の一方の意思表示により、機構による顧客からの証券の取得又は機構の顧客に対する証券の譲渡が行われる権利の当該顧客又は機構による取得を含む。)
第2章 取引時確認
(本人確認方法)
第4条 主管部等は、自然人である顧客との間で前条に掲げる取引等を行うときは、当該顧客から本人確認書類(別表第1に定める書類等をいう。以下同じ。)のうち同表第1号又は第3号に定めるものの提示を受ける方法により第5条に定める本人特定事項の確認(以下「本人確認」という。)を行わなければならない。
[第5条]
2 主管部等は、法人である顧客(本条においては、第5項に定める地方公共団体又は政府関係機関である顧客を除く。)との間で前条に掲げる取引等を行うときは、当該法人の代表者等(会社の代表者が当該会社のために取引等を行うときその他機構との間で現に取引等の任に当たっている自然人が当該顧客と異なるときに、当該取引等の任に当たっている自然人をいう。以下同じ。)から本人確認書類のうち別表第1第2号又は第3号に定めるものの提示を受ける方法により本人確認を行わなければならない。
3 主管部等は、顧客又は代表者等について、前2項に掲げる方法により本人確認を行う場合において、当該顧客又は代表者等から提示を受けた本人確認書類に記載されている当該顧客又は代表者等の住所、居所若しくは主たる事務所の所在地が現在のものでないとき又は当該顧客又は代表者等から提示を受けた旅券等(別表第1第1号ニに規定する旅券等をいう。)若しくはその写しに当該顧客又は代表者等の住所又は居所の記載がないときは、当該顧客又は代表者等から、次に掲げる書類(領収日付の押印又は発行年月日の記載のあるもので、その日が機構が当該書類の提示を受ける日前6ヶ月以内のものに限る。)のいずれかの提示を受けることにより、当該顧客又は代表者等の現在の住所、居所又は主たる事務所の所在地を確認することができる。
(1) 本人確認書類
(2) 国税又は地方税の領収証書又は納税証明書(前号に掲げるものを除く。)
(3) 社会保険料(所得税法(昭和40年法律第33号)第74条第2項に規定する社会保険料をいう。)の領収証書(第1号に掲げるものを除く。)
(4) 公共料金(日本国内において供給される電気、ガス、水道その他これに準ずるものに係る料金をいう。)の領収証書(第1号に掲げるものを除く。)
(5) 顧客又は代表者等が自然人である場合にあっては、前各号に掲げるもののほか、官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに類するもので、当該顧客又は代表者等の氏名及び住所又は居所の記載のあるもの
(6) 第1号に掲げるもののほか、日本国政府の承認した外国政府又は権限ある国際機関の発行した書類その他これに類するもので、同号に掲げるものに準ずるもの(当該顧客又は代表者等が自然人の場合にあってはその氏名及び住所又は居所の記載のあるもの、法人の場合にあってはその名称及び主たる事務所の所在地の記載のあるものに限る。)
4 第2項の場合は、当該顧客の本人確認に加え、当該代表者等についても第1項及び第3項の規定を準用し本人確認を行わなければならない。
5 主管部等は、地方公共団体又は政府関係機関である顧客との間で前条に掲げる取引等を行うときは、地方公共団体又は政府関係機関のために機構との間で現に取引等の任に当たっている自然人を顧客とみなして、第1項及び第3項の規定を適用する。
(本人特定事項)
第5条 顧客の本人特定事項は、次の各号に掲げる区分に応じそれぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 自然人 氏名、住所又は居所及び生年月日
(2) 法人 名称及び主たる事務所の所在地
(本人特定事項以外の確認)
第6条 主管部等は、顧客との間で第3条に掲げる取引等を行うときは、本人特定事項に加えて、犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則(平成20年内閣府、総務省、法務省、財務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省令第1号。以下「犯収法施行規則」という。)で定める方法により、次の各号に掲げる事項の確認(第4条に定める本人確認と併せて「取引時確認」という。)を行わなければならない。
[第3条]
(1) 取引を行う目的
(2) 自然人である顧客にあっては職業、法人である顧客にあっては事業の内容
(3) 顧客が法人である場合において、その事業経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして犯収法施行規則で定める者があるときにあっては、その者の本人特定事項
2 主管部等は、顧客との間で第3条に掲げる取引等であって、次の各号のいずれかに該当する取引を行うときは、犯収法施行規則で定めるところにより、顧客について、本人特定事項及び前項各号に掲げる事項並びに当該取引がその価額が犯罪収益の移転防止に関する法律施行令(平成20年政令第20号。以下「犯収法施行令」という。)で定める額を超える財産の移転を伴う場合にあっては、資産及び収入の状況の確認を行わなければならない。この場合において、第1号イ又はロに掲げる取引に際して行う本人特定事項の確認は、第1号イ又はロに規定する関連取引時確認を行った際に採った当該事項の確認の方法とは異なる方法により行うものとする。
[第3条]
(1) 次のいずれかに該当する取引として犯収法施行令で定めるもの
イ 取引の相手方が、その取引に関連する他の取引の際に行われた前項若しくはこの項(これらの規定を第4条第5項の規定により適用する場合も含む。)又は第4条第4項の規定による確認(ロにおいて「関連取引時確認」という。)に係る顧客又は代表者等になりすましている疑いがある場合における当該取引
ロ 関連取引時確認が行われた際に当該関連取引時確認に係る事項を偽っていた疑いがある顧客(その代表者等が当該事項を偽っていた疑いがある顧客を含む。)との取引
(2) 取引等のうち、犯罪による収益の移転防止に関する制度の整備が十分に行われていないと認められる国又は地域として犯収法施行令で定めるもの(以下この号において「特定国等」という。)に居住し又は所在する顧客との間におけるものその他特定国等に居住し又は所在する者に対する財産の移転を伴うもの
(3) 前2号に掲げるもののほか、犯罪による収益の移転防止のために厳格な顧客管理を行う必要性が特に高いと認められる取引として犯収法施行令で定めるもの
第3章 取引時確認記録及び取引記録等
(本人確認記録の作成及び保存)
第7条 主管部等は、第2章に定める方法により本人確認等を行った場合には、総務部長が別に定める様式を用いて、直ちに、別表第2に定める本人特定事項その他本人確認に関する事項等に関する記録(以下「本人確認記録」という。)を作成しなければならない。
[第2章]
2 前項に定める本人確認記録は、法務・コンプライアンス担当特命審議役が別に定める方法により、第3条各号に定める行為(第9条に定める本人確認済みの顧客との間の行為を含む。)が終了した日から当該行為に係る契約の終了日まで保存しなければならない。
[第3条各号]
3 第4条第3項各号に掲げる書類の提示を受けることにより、同項の規定により顧客又は代表者等の現在の住所若しくは居所又は主たる事務所の所在地の確認を行った場合には、当該確認に用いた書類又はその写し(以下「添付資料」という。)を本人確認記録に添付するものとする。
[第4条第3項各号]
4 主管部等は、添付資料を本人確認記録に添付するとき又は本人確認書類の写しを本人確認記録に添付するときは、別表第2各号に掲げるもののうち当該添付資料又は当該本人確認書類の写しに記載がある事項については、同表の規定にかかわらず、本人確認記録に記録しないことができる。
5 主管部等は、別表第2第8号から第10号までに掲げる事項に変更又は追加があることを知った場合は、当該変更又は追加に係る内容を本人確認記録に付記するものとし、既に本人確認記録又は別表第2第3号の規定により添付した本人確認書類の写し若しくは添付資料に記録され、又は記載されている事項(過去に行われた当該変更又は追加に係る内容を除く。)を消去してはならない。この場合において、主管部室は、本人確認記録に付記することに代えて、当該変更又は追加に係る内容を別途記録し、当該記録を本人確認記録とともに保存することができる。
(取引記録)
第8条 主管部等は、第3条に掲げる取引等を行った場合には、直ちに、文書又は電磁的記録を用いて作成する方法により、別表第3に定める顧客の確認記録を検索するための事項、当該取引の期日及び内容に関する記録を作成しなければならない。
[第3条]
2 主管部等は、前項に規定する記録(以下「取引記録」という。)を、第3条各号に定める行為の日から当該行為に係る契約の終了日まで保存しなければならない。
[第3条各号]
第4章 本人確認方法の特例
(本人確認済みの顧客に係る特例)
第9条 第3条に掲げる取引等(次項に定めるなりすまし等が疑われる取引を除く。)が、次の各号に掲げる場合における顧客との間の取引等であって、次条の方法により顧客が本人確認記録に記録されている顧客と同一であることを確認したときは、第4条に定める本人確認を行うことを要しない。
(1) 顧客について既に本人確認を行っており、かつ、当該本人確認について本人確認記録を保存している場合
(2) 地方公共団体又は政府関係機関と既に行為を行ったことがあり、その際に第4条第5項の規定により顧客とみなされる自然人について本人確認を行っており、かつ、当該本人確認について本人確認記録を保存している場合
[第4条第5項]
2 前項に定める「なりすまし等が疑われる取引」とは、次の各号のいずれかに該当する取引をいう。
(1) 取引の相手方が契約時本人確認(当該契約の締結に際して行われた本人確認(当該契約の締結が前項の本人確認済みの顧客との取引に該当する場合にあっては、既に行われた同項の本人確認)をいう。次号において同じ。)に係る顧客又は代表者等になりすましている疑いがある場合における当該取引
(2) 契約時本人確認が行われた際に本人特定事項を偽っていた疑いがある顧客又は代表者等との取引
(顧客について本人確認済みであることを確認する方法)
第10条 前条に規定する顧客が本人確認記録に記録されている顧客と同一であることを確認する方法は、顧客が本人確認記録(住所若しくは居所又は主たる事務所の所在地その他これらに準ずるものが記録されているものに限る。)に記録されている顧客と同一であることを示す書類その他のものの提示を受ける方法とする。ただし、顧客又は代表者等と面識がある場合その他顧客が本人確認記録に記録されている顧客と同一であることが明らかな場合は、この限りではない。
第5章 必要な措置
(取引時確認等を的確に行うための措置)
第11条 機構は、取引時確認、取引記録の保存等の措置を的確に行うため、当該取引時確認をした事項に係る情報を最新の内容に保つための措置を講ずるものとするほか、機構役職員に対する研修の実施その他の必要な体制の整備に努めなければならない。
第6章 細則
(本通知の運用)
第12条 本通知に定める手続を実施するために必要な事項は、法務・コンプライアンス担当特命審議役が別に定める。
附 則
この細則は、平成25年1月11日から施行する。
附 則(令和5年12月28日細則(総)第17号)
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この細則は、令和6年1月1日から施行する。