○技術協力及び青年海外協力隊の事業に関する日本国政府とレソト王国政府との間の協定
(平成28年9月13日外務省告示第351号) |
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日本国政府及びレソト王国政府は、技術協力及び青年海外協力隊員(以下「協力隊員」という。)の活動の促進により両国間に存在する友好関係を一層強化することを希望し、両国の経済開発及び社会開発の促進によりもたらされる相互の利益を考慮して、次のとおり協定した。
第1条 両政府は、両国間の技術協力及び青年海外協力隊の事業を促進するよう努力する。
第2条 この協定の下で実施される個別の技術協力計画を規律する別途の取決めが、両政府の権限のある当局間で合意される。日本国政府の権限のある当局は外務省であり、レソト王国政府の権限のある当局は外務・国際関係省である。
第3条 レソト王国政府の要請があった場合には、次の形態による技術協力が、独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」という。)により、日本国の現行法令に従い、かつ、前条に規定する取決めに基づき、JICAの負担で行われることになる。
(a) | 技術訓練をレソト国民に提供すること。
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(b) | JICAからの専門家(以下「JICA専門家」という。)をレソト王国に派遣すること。 |
(c) | 幅広い技術及び豊かな経験を有する日本人ボランティア(以下「日本人シニア海外ボランティア」という。)をレソト王国に派遣すること。 |
(d) | レソト王国の経済開発及び社会開発の計画に関する調査を行うため、日本国の調査団(以下「日本国の調査団」という。)をレソト王国に派遣すること |
(e) | 設備、機械及び資材をレソト王国政府に供与すること。 |
(f) | 両政府間で相互の同意により決定されるその他の形態の技術協力をレソト王国政府に対して行うこと。
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2 協力隊員が、JICAにより、日本国の現行法令に従い、かつ、両政府の権限のある当局間で合意する別途の派遣計画に基づき、レソト王国に派遣されることになる。また、協力隊員の任務の遂行に必要な設備、機械及び資材が、JICAにより、その使用に供されることになる。
第4条 レソト王国政府は、前条に規定する日本国の技術協力及び青年海外協力隊の事業の結果としてレソト国民が取得した技術及び知識並びに供与された設備、機械及び資材がレソト王国の経済開発及び社会開発に寄与し、かつ、軍事目的に使用されないことを確保する。
第5条 JICAがJICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団及び協力隊員を派遣する場合には、レソト王国政府は、次のことを行う。
1 | (1) | (a) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員に対し、国外から送金される給与及び手当に対して又は当該給与及び手当に関連して課される租税(所得税を含む。)及び課徴金を免除すること。 |
(b) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及びそれらの家族並びに協力隊員に対し、当該JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及びそれらの家族並びに協力隊員が最初の到着後六箇月以内に行う次のものの輸入に関し、領事手数料、租税(関税を含む。)及び課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得要件を免除すること。
(i) 携帯荷物 (ii) 身回品、家財及び消費財 (iii) レソト王国に派遣されるJICA専門家一名につき一台、JICA専門家の家族につき一台、日本人シニア海外ボランティア一名につき一台、日本人シニア海外ボランティアの家族につき一台及び協力隊員一名につき一台の自動車 |
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(c) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア及びそれらの家族並びに協力隊員に対し、(b)(iii)に規定する自動車の登録料を免除すること。 | ||
(2) | (a) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団及び協力隊員の任務の遂行に必要な適当な事務所その他の施設(電話及びファクシミリを含む。)を自己の負担で提供し、かつ、それらの運営費及び維持費を負担すること。 | |
(b) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団及び協力隊員の任務の遂行に必要な現地要員(必要な場合には、英語を解する適当な通訳を含む。)並びにJICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団及び協力隊員の相手方となる当該任務の遂行に必要なレソト人の要員を自己の負担で提供すること。 | ||
(c) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア及び協力隊員に係る次の諸経費を負担すること。
(i) レソト王国政府が管理する通勤手段に係る費用 (ii) レソト王国内の公用出張旅費 (iii) 公用通信費 |
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(d) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア及びそれらの家族並びに協力隊員に対し、適当な住宅の確保につき便宜を提供すること。 | ||
(e) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及びそれらの家族並びに協力隊員に対し、医療上の便宜を提供すること。 | ||
(3) | (a) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及びそれらの家族並びに協力隊員に対し、任期中、レソト王国に入国し、同国から出国し、及び同国に滞在することを許可し、外国人登録要件に係る手続に関し便宜を与え、並びに領事手数料を免除すること。 | |
(b) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員の任務の遂行に必要な全ての政府機関の協力を確保するために、JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員に対し、身分証明書を発給すること。 | ||
(c) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア及びそれらの家族並びに協力隊員に対し、自動車運転免許証の取得のための便宜を与えること。 | ||
(d) | 協力隊員に対し、その任務の遂行に必要な無線通信機の設置及び使用を許可すること。 | ||
(e) | JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団及び協力隊員の任務の遂行に必要なその他の措置をとること。 |
2 1に規定する自動車が、その後レソト王国内において、租税(関税を含む。)の免除又は同様の特権を有しない個人又は団体に売却され、又は譲渡される場合には、当該自動車に対してそれらの租税(関税を含む。)が課される。
3 レソト王国政府は、JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及びそれらの家族並びに協力隊員に対し、レソト王国において同様の任務を遂行しているいかなる第三国又は国際機関の専門家、シニアボランティア、調査団の構成員及びそれらの家族並びに協力隊員に類するボランティアに与えられているものよりも不利でない特権、免除及び便宜を与える。
第6条 レソト王国政府は、JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員の任務の遂行に起因し、当該任務の遂行中に発生し、又は当該任務の遂行に関連して当該JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員に対する請求が生じた場合には、当該請求について責任を負う。ただし、そのような請求がJICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員又は協力隊員の重大な過失又は故意から生じたことについて両政府が合意する場合は、この限りでない。
第7条
(1) JICAがレソト王国政府に対して設備、機械及び資材を供与する場合には、レソト王国政府は、当該設備、機械及び資材の輸入に関し、領事手数料、租税(関税を含む。)及び課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得要件を免除する。当該設備、機械及び資材は、陸揚港において保険料及び運賃込みの条件でレソト王国政府の権限のある当局に引き渡された時にレソト王国政府の財産となる。
(2) JICAがレソト王国政府に対して設備、機械及び資材を供与する場合には、レソト王国政府は、当該設備、機械及び資材の現地購入に関し、租税(付加価値税を含む。)及び課徴金を免除する。
(3) (1)及び(2)に規定する設備、機械及び資材は、両政府の権限のある当局間の別途の合意がない限り、第二条に規定する取決めに定める目的のために使用される。
(4) (1)及び(2)に規定する設備、機械及び資材のレソト王国内における輸送のための費用並びにそれらの交換、維持及び修理のための費用については、レソト王国政府が負担する。
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(1) JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員の任務の遂行に必要な設備、機械及び資材であってJICAが用意するものは、両政府の権限のある当局間の別途の合意がない限り、JICAの財産とする。
(2) レソト王国政府は、JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員に対し、(1)に規定する設備、機械及び資材の輸入に関し、領事手数料、租税(関税を含む。)及び課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得要件を免除する。
(3) レソト王国政府は、JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員に対し、(1)に規定する設備、機械及び資材の現地購入に関し、租税(付加価値税を含む。)及び課徴金を免除する。
第8条 レソト王国政府は、その指定する機関を通じ、JICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員と緊密に連絡を保つものとする。
第9条 レソト王国政府は、JICAがレソト王国において海外事務所(以下「JICA事務所」という。)を開設し、及び維持することを認め、また、日本国から派遣されてこの協定に基づく技術協力計画及び青年海外協力隊の事業に関連してJICAにより与えられる任務をレソト王国において遂行する駐在員、職員並びに日本人シニア海外ボランティア及び協力隊員の調整員(以下それぞれ「JICA駐在員」、「JICA職員」及び「JICA調整員」という。)を受け入れる。
2 レソト王国政府は、次のことを行う。
(1) | (a) | JICA駐在員、JICA職員、JICA調整員及びそれらの家族に対し、国外から送金される給与及び手当に対して又は当該給与及び手当に関連して課される租税(所得税を含む。)及び課徴金を免除すること。 |
(b) | JICA駐在員、JICA職員、JICA調整員及びそれらの家族に対し、当該JICA駐在員、JICA職員、JICA調整員及びそれらの家族が最初の到着後六箇月以内に行う次のものの輸入に関し、領事手数料、租税(関税を含む。)及び課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得要件を免除すること。
(i) 携帯荷物 (ii) 身回品、家財及び消費財 (iii) レソト王国に派遣されるJICA駐在員一名につき一台、JICA職員一名につき一台、JICA調整員一名につき一台、JICA駐在員の家族につき一台、JICA職員の家族につき一台及びJICA調整員の家族につき一台の自動車 |
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(c) | JICA駐在員、JICA職員、JICA調整員及びそれらの家族に対し、(b)(iii) に規定する自動車の登録料を免除すること。 | |
(d) | JICA駐在員、JICA職員、JICA調整員及びそれらの家族に対し、任期中、レソト王国に入国し、同国から出国し、及び同国に滞在することを許可し、外国人登録要件に係る手続に関し便宜を与え、並びに領事手数料を免除すること。 | |
(e) | JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員に対し、身分証明書並びにJICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員及び協力隊員を送迎するために空港に出入国手続地点を越えて入るための特別通行証を発給すること。 | |
(f) | JICA駐在員、JICA職員、JICA調整員及びそれらの家族に対し、自動車運転免許証の取得のための便宜を与えること。 | |
(g) | JICA調整員に対し、その任務の遂行に必要な無線通信機の設置及び使用を許可すること。 | |
(h) | JICA駐在員、JICA職員及びJICA調整員の任務の遂行に必要なその他の措置をとること。
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(2) | (a) | JICA事務所に対し、JICA事務所の活動に必要な設備、機械及び資材(自動車を含む。)の輸入に関し、領事手数料、租税(関税を含む。)及び課徴金並びに輸入許可証及び為替証明書の取得要件を免除すること。 |
(b) | JICA事務所に対し、JICA事務所の任務の遂行に必要な設備、機械及び資材(自動車を含む。)の現地購入に関し、租税(付加価値税を含む。)及び課徴金を免除すること。 | |
(c) | JICA事務所に対し、(a)及び(b)に規定する自動車の登録料を免除すること。 | |
(d) | JICA事務所に対し、事務所の経費であって国外から送金されるものに対して又はこれに関連して課される租税(所得税を含む。)及び課徴金を免除すること。 |
3 2に規定する自動車が、その後レソト王国内において、租税(関税を含む。)の免除又は同様の特権を有しない個人又は団体に売却され、又は譲渡される場合には、当該自動車に対してそれらの租税(関税を含む。)が課される。
4 レソト王国政府は、JICA駐在員、JICA職員、JICA調整員及びそれらの家族並びにJICA事務所に対し、レソト王国において同様の任務を遂行しているいかなる第三国又は国際機関の駐在員、職員、調整員及びそれらの家族並びに事務所に与えられているものよりも不利でない特権、免除及び便宜を与える。
第10条 レソト王国政府は、レソト王国に滞在中のJICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員、JICA駐在員、JICA職員、JICA調整員及びそれらの家族並びに協力隊員の安全を確保するために必要な措置をとる。
第11条 両政府は、この協定から又はこれに関連して生ずることのあるいかなる事項についても相互に協議する。
2 この協定は、両政府間の書面による合意により改正することができる。
第12条 この協定の規定は、この協定が効力を生じた後、この協定が効力を生ずる前に開始した個別の技術協力計画にも適用され、また、当該計画に関連するレソト王国に滞在中のJICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員、JICA駐在員、JICA職員、JICA調整員及びそれらの家族並びに当該計画に関連する設備、機械及び資材にも適用される。
2 この協定の終了は、両政府間の相互の同意により別段の決定が行われる場合を除くほか、実施中の個別の技術協力計画及び青年海外協力隊の事業が完了する日までの間当該計画及び事業に影響を及ぼすものではなく、また、当該計画及び事業に関連する任務を遂行するためにレソト王国に滞在中のJICA専門家、日本人シニア海外ボランティア、日本国の調査団の構成員、JICA駐在員、JICA職員、JICA調整員及びそれらの家族並びに協力隊員に対して与えられる特権、免除及び便宜に影響を及ぼすものではない。
第13条 この協定は、署名の日に効力を生ずる。
2 この協定は、一年間効力を有するものとし、いずれか一方の政府が他方の政府に対し少なくとも六箇月の予告をもってこの協定を終了させる意思を書面により通告しない限り、毎年自動的に一年ずつ更新される。
以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの協定に署名した。
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2016年8月24日にマセルで、ひとしく正文である日本語及び英語により本書2通を作成した。
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日本国政府のために | レソト王国政府のために
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廣木重之 | トロハング・セカマネ |