JICA 中国の特色、これまでの実績

JICA 中国の特色

JICA 中国では、人類初の原爆投下から復興した経験に基づく平和構築や、国内有数の教員養成の実績に根差した基礎教育、日本の産業構造の縮図と言われる中国地方の知見を活かした民間セクター開発といった、この地域が有する特色を活かした研修事業を展開しています。

平和構築

広島は戦後(原爆投下後)地方自治体や市民の協働により劇的な復興を遂げました。JICA 中国では、主に紛争影響国や今なお紛争が続いている国々から主に地方行政官を招聘し、広島県、広島市の戦後復興の経験や知見について多くの地方行政官や伝承者からの講義を受けています。荒廃した街からの復興という視点では広島だけではなく、東日本大震災で大きな被害を受けた東北(仙台、東松島、いわき)も視察訪問地として赴きます。日本の経験・知見を自国の平和構築に活用し、平和で包摂的な社会の実現に寄与することを目的としています。

基礎教育

世界には、必要最低限の読解力や計算力を習得できていない子どもや若者が6.1 億人以上います。JICA 中国では、基礎教育分野においてJICA のメインパートナーとして関係を強化してきた広島大学をはじめとする中国地方の大学の協力のもと、教育行政、初等算数カリキュラム、教員養成など、各大学が得意とする教育分野の強みを活かした研修を行い、質の高い教育の提供に寄与することを目的としています。

乾燥地農業

日本では乾燥地農業に関する技術研修を実施できる組織体制や施設・設備、技術・経験を有する団体は極めて限 られていますが、その中でも、鳥取大学農学部は常にグローバルレベルで特色ある研究・教育活動を行ってい ます。JICA 中国では、同学部協力のもと、四半世紀に渡り課題別研修「乾燥地における持続可能で強靭な農業 のための土地・水・エネルギー管理」コースを実施しています。加えて、同学に設置されている乾燥地研究センター は、乾燥地の諸問題に組織的に取り組む日本唯一の研究機関であり、当該分野における持続可能な開発目標 (SDGs)の達成に資することを目的としています。

自治体との関わり

島根県隠岐郡にある海士町の協力のもと、青年研修「地方行政・地域開発」コースを実施しています。同町は、 過疎と財政難が進み、地域の活性化が大きな課題となっていましたが、2002 年以降、移住者の活用、地域産品の ブランド化等に取り組み、人口減少を覆す地方創生の代表事例となりました。これらの知見や技術を青年研修 で紹介し、研修参加国の課題解決のヒントを得ることを目的としています。

海上保安政策プログラム

GRIPS(政策研究大学院大学)及び海上保安大学校にて1年間所定科目を履修し、最終審査に合格すると GRIPS より修士号が授与される特殊なプログラムです。東南アジア諸国、インド環太平洋諸国を中心とした各国海上保安機関の幹部候補生と日本の海上保安庁職員が共に学ぶことで人的ネットワークの拡大も担うとと もにアジア地域の国際秩序の維持発展に寄与することを目的としています。

これまでの実績