家畜疾病診断・管理体制強化計画プロジェクト

The Technical Assistant Support to Improve the National Capacity of Animal Disease Diagnoses and Control

終了案件

国名
ウガンダ
事業
技術協力
課題
農業開発/農村開発
協力期間
2010年6月~2014年6月

プロジェクト紹介

ウガンダでは、畜産業が農業生産高の約13パーセントを占めています。しかし広範に蔓延する家畜の流行病と衛生改善体制の不備が、家畜および畜産物の品質と生産性に悪影響を与えていました。また、重要な国際越境性伝染病や人畜共通感染症も頻発していました。この協力では、農業畜産水産省(MAAIF)中央診断ラボラトリーとマケレレ大学獣医学科との連携による国家家畜疾病診断体制づくりを支援しました。これにより、家畜疾病の共同診断機関としての基礎を確立し、同国の家畜疾病対策の適切な実施・運営に寄与しました。

協力地域地図

家畜疾病診断・管理体制強化計画プロジェクトの協力地域の地図

事業評価

協力現場の写真

  • 共同家畜疾病診断センター(以下、J-NADDIC)のマケレレ大学側施設「中央診断センター」改修が完工した。開所式に農業畜水産省の畜産担当大臣がテープカットを行い、大学内外の関係者に施設を披露した。コンパクトな施設だが、総合病性鑑定が実施できるよう計画されている。 

  • ワキソ県獣医事務所にて、専門家チームとカウンターパートの討議。地方分権化により、ウガンダ国の家畜疾病対策は分断化され、中央の施策が末端に届きにくい仕組みにある。プロジェクトではJ-NADDICの2つのラボによる疾病診断情報の共有システム作りをめざしている。その情報は地方の各県獣医事務所において積極的に利用されることが見込まれている。 

  • マケレレ大学獣医学部中央診断センター(以下、CDL)にて近藤専門家、カウンターパートとともに病理解剖を行う。マケレレ大学では従来から研究室ごとに診断サービスを行っていたが、本プロジェクトの開始により、それらをCDLに一本化することになった。既得権益が絡むため、その道はけっしてやさしくない。 

  • 食肉衛生検査研修の受講生一同、ムバレ屠場にて。検査員(県獣医事務所スタッフ)たちは政府から一切の検査道具類を与えられていないが、プロジェクトで供与されたエプロンを着用し、専門職業者としての誇りを感じ取ったようだ。 

  • 安里短期専門家による5パーセント羊血液寒天培地作成指導。世界的共通の基本的な細菌学検査の培地だが、マケレレ大学の実習教育に含まれたことがないため、大学教員はもちろんフィールドの獣医官には初めての経験となる。 

  • キボガ県獣医事務所にて、大学教員を指導する安里短期専門家。牛乳から分離される潜在性乳房炎の原因細菌を血液寒天培地上に培養し、視覚的に分離同定が可能となる手法を指導している。このような衛生改善指導はウガンダで初めてのことで、この方法により農家ごとの対策指導が容易となる。 

  • 乳房炎原因菌の分離同定には牛乳を採材する際に雑菌混入させてはならない。搾乳時間に訪問することにより、各農場の搾乳手法の観察をすると同時に、培養結果とあわせて対策指導が可能になる。 

  • 短期専門家による指導者養成研修で養成されたトレイナー(県獣医官)が地域の農民に対して「搾乳・牛乳衛生改善」を具体的な結果を示しつつ講義指導する。従来、県獣医官が農民を対象にセミナーをすることは稀であり、また指導すべき技術も持っていなかった。農民たちは、機能するラボが自分たちの地域にあることに驚き、初めて見る自分たちの牛乳の細菌汚染状況を前にして、その改善方法について熱心な質問が出された。このような地道なやりとりの繰り返しで獣医官の信用は向上し、家畜衛生全般のネットワークの基礎が構築される。 

  • Kiboga県獣医事務所(DVO:District Veterinary Office)ラボラトリーに供与された機材 

  • Mpigi県獣医事務所(DVO:District Veterinary Office)ラボラトリーに供与された機材 

関連情報

関連・連携プロジェクト

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本プロジェクトの他の期・フェーズ

本プロジェクトの他の期・フェーズはありません。

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