バズアジップ浜での水揚げ状況。バズアジップ浜は零細漁業の中心地であったが、漁業施設の整備は行われてこなかった。加えて2010年の港湾局による漁村の撤去により、零細漁業を取り巻く環境は一層悪化した。
バズアジップ浜での水揚げ状況。漁獲物は水揚げ後、炎天下の砂浜の上で取引される。非衛生な上に水揚げ後は施氷もされないことから漁獲物の鮮度の劣化が著しく、価値の毀損を招く結果となっている。
ソンゴロ浜での水揚げ状況。漁村はバズアッジップの北側に隣接するソンゴロ浜に移転した。漁民の大部分はベナン人で、主にサルディネラなどの浮魚を漁獲する。一方コンゴ人は底魚を主対象に操業する者が多い。
サルディネラ類の大部分は燻製加工され、比較的安価な食品として特に低所得層にとって重要な動物性タンパク源となっている。加工作業は劣悪な環境下での重労働であることから、労働環境の改善を望む声が強い。
鮮魚販売で氷は使用されておらず、ほとんどの市場で水の利用ができないため販売台の洗浄が不十分で、ゴミ処理が追いつかず、異臭やハエが大量発生するなど、市場の衛生環境は劣悪である。
プロジェクトの開始に当たり漁業省、零細漁民、加工業者、仲買人などの関係機関・団体の代表者に対して概要説明を行い、プロジェクトへの理解促進と協力を呼びかけた。
プロジェクトに対する要望の聴取や忌憚のない意見交換を行うために零細漁民、加工人、仲買人などの利害関係者をグループごとに招聘した公聴会を実施した(写真はベナン人漁民グループの公聴会)。
漁獲物は水揚げ直後から鮮度の低下が始まるため、劣化を最小限に抑えるための適切な対策が必要となる。漁業の実態を把握して改善策を検討するために、漁船に温度計と位置情報機器を取り付けているところ。
ソンゴロ浜が家庭ゴミの投棄で汚れていることから、環境整備の一環として浜の清掃活動をパイロットプロジェクトで取り組んでいる。清掃トライアルには漁業省、漁民などの関係者が参加した。
バリューチェーンを構築するためには衛生的な水揚げ場の整備が不可欠である。パイロットプロジェクトで水揚げ施設の導入効果を実証するために、施設建設サイトにおいて地盤を含む自然条件調査を実施した。