プロジェクトニュース_29

メソアメリカ保全生物学会(SMBC)(注)「生物多様性保全における市民参加ガバナンス」シンポジウム開催報告

MAPCOBIOは2017年10月31日にSMBCにて「生物多様性保全における市民参加ガバナンス」と題したシンポジウムを開催しました。今回のプロジェクトニュースではこのシンポジウムの開催報告をさせていただきます。

シンポジウムでは朝9時から夕方5時まで、休憩などを挟みながら合計17(コスタリカ10名、メキシコ3名、ニカラグア2名、キューバ1名、そしてMAPCOBIOを代表して本田専門家)の発表が行われました。発表タイトルについては以下の通りです。

シンポジウムは首都サンホセにあるクラウンプラザホテルのCahuita2という、シアター形式で50名程度収容できる会場で行われました。時間帯によって多少変動がありましたが常時90%程度の席が埋まり、多い時では立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。

シンポジウム発表の多くは、実際に参加型保全活動に関わっている実務者が、それぞれの活動地における事例を発表するというものでした。またいくつかの発表は参加型保全活動についてより学術的なアプローチや検証を行い、考察を加えたものもありました。

発表の中では様々な工夫や取り組み、学びなどについて語られていました。改めて参加型保全活動というものはこの地域においては必須であると同時に、サイトや保全対象によって様々な対応を取る必要があり、万能な対応策などはないということが認識されました。

参加型保全活動に関わる環境行政の実務者、NGO職員、研究者がこうした機会にお互いの取り組みについて共有しあい、互いに学ぶ機会は非常に貴重で重要なものです。今回MAPCOBIOが主催したシンポジウムには、カウンターパートのSINAC職員や、JICAが実施している課題別研修「保護地域協働管理を通じた生態系保全」に参加している中南米各国の研修生も多く会場に足を運んでいました。

こうしたカウンターパートや研修生がまた新たに学び、他の実務者や研究者らとのつながりを深める機会をプロジェクトで提供することができたことは大変有意義であったと感じています。そしてこの場における学びや関係者とのつながりを通じて、それぞれの現場でさらに活躍してくれることを祈念しています。


(注)メソアメリカ保全生物学会(Sociedad Mesoamericana para la Biología y la Conservación, SMBC):中米カリブ地域の生物多様性や自然資源の管理や保全について研究者、実務者、学生が互いに学び交流する場として1996年に創設された。翌1997年にホンジュラスで第1回大会が開催され、以後開催国を変えながらこれまで毎年開催されてきた中米カリブ地域の生物多様性・自然資源管理分野では非常によく知られた学会。コスタリカでは2002年、2010年、2017年と、これまで3回開催されている。

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シンポジウムの様子