教師海外研修に参加した日本の先生が国立科学センターを訪問

JICAが実施する教師海外研修プログラムは、日本の学校に勤務する先生が、夏休みの期間などを利用して開発途上国を訪問し、現地の人々の生活や日本の国際協力に関する知識を深め、帰国後にそれぞれの学校や地域における国際理解教育の促進につなげる事業です。IPeCKプロジェクトの運営実施を担う国立科学センターでは、7月26日に、東京・埼玉・千葉・神奈川・長野各県から小・中・高等学校の先生計11名をお迎えしました。

国立科学センターでは、局長代理のシドニー・ナルベ氏が先生方の訪問を歓迎する挨拶をした後、一人ひとりの先生が英語で自己紹介を行い、その後センター職員の案内で施設や事業の見学をしました。まず見学したのは、日本の貧困削減戦略支援無償資金協力で建設中の新しいセンターの建物です。建物の完成後は、STEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics)研修センターとして、理科、数学、技術家庭、工学分野の教員研修を行う施設として活用するという職員の説明を聞きながら、建物内部の研修室や実験室を見学しました。次に、初等・中等学校向けにセンターが製作している「移動式実験キット」や「実験用テーブル」「方眼黒板」などの製作工程や完成品を見てもらいました。これら製品の一部も日本の無償資金協力で製作し、地方の学校に配布しています。見学を終えた後、国立科学センターの役割やJICAの支援に関して、職員によるプレゼンテーションを行いました。その中で、技術協力プロジェクトによる教員養成校と初等・中等学校の連携活動の支援や、第三国研修としてセンターが実施している他アフリカ諸国の教育関係者への研修など、日本の具体的な技術支援についても紹介がなされました。

センターを見学した日本の先生方からは、「途上国への支援はこれまで青年海外協力隊しか知らなかったが、それ以外にも様々な種類の支援事業があることがわかった」、「国立科学センターの職員が日本の支援に感謝していることを知ることができてよかった」といった感想が共有されました。最後に、センター内の食堂にて、ザンビアの主食であるシマを食べて、ザンビアの食文化も体験してもらいました。先生方は、8月に日本に帰国した後、ザンビア訪問で得た情報・経験をもとに各学校で授業を行う予定ですが、今回の訪問がその一助になれば大変嬉しく思います。

建設中の新研修棟を見学する日本の先生方

建設中の新研修棟を見学する日本の先生方

移動式実験キットの製作工程を見学

移動式実験キットの製作工程を見学

職員によるセンターの役割と日本の支援についての説明

職員によるセンターの役割と日本の支援についての説明

ザンビアの主食シマとおかず

ザンビアの主食シマとおかず