最終TWG会合を開催し、シラバス改訂版・主要テキストを完成

2021年3月16日、当プロジェクトの最終TWG(Technical Working Group)会合を開催しました。2016年1月の第1回会合以降、コロナ禍に伴う専門家の日本への一時帰国中のオンライン開催を含め、開催回数は39回となりました。

ここで話し合った内容を基に、各職業訓練校のメンバーが宿題として持ち帰り、成果品として標準カリキュラムの案や実際に学生指導する際に活用されるシラバス、主要テキストが完成しました。また、ゼロベースから開始した、学生向けの最終実技試験の実施についてもこの会合で意見を交わし、情報共有、試行錯誤をしながら進めていきました。

シラバスについては、2021年2月から3月にかけて改訂版をまとめることができました。また、テキストは同コースの28科目のうち要となる5科目(電気工事、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)、電気モータ制御、電気保全及びパワーエレクトロニクス)について、3校が主担当を分担してまとめられました。

TWGの開催に当たっては、プロジェクトの電気専門家が内容面の調整をおこないつつ、会場を3校のローテーションとして司会を任せるなど、運営面でも工夫をしてきました。参加者の主体性をいかした結果、英語のみならず、クメール語が飛び交う活発なやりとりが見られました。時には職業訓練校や指導員の間での考え方の違いなどにより足並みがそろわないこともありましたが、それぞれの特徴、強みや共通基盤を認識したうえで、標準化の取組がなされてきました。パイロット校が参画して現場からボトムアップをしていくアプローチは、プロジェクトが実践的な職業訓練を企画し運営していくうえでの原動力となりました。

2020年以降、コロナ禍が続いていますが、各校はそれぞれの取り組みを試みており、その情報を共有して良い取組を活用していこうとするなど、自発的・能動的な動きが見られるようになりました。3月12日のPIG会合(プロジェクトニュースを参照)では、3校の出席者から、TWGの仕組みを継続していきたいとのうれしい発言も聞かれました。

プロジェクト活動期間を通じて能力を高めたパイロット職業訓練の指導員は、TVETの発展のための貴重な人材です。これからもカンボジアの職業訓練校をリードする3校の指導員の情報交換・共有、調整などのコミュニケーションの機会が継続的に確保され、お互いに切磋琢磨をし、現場での活動がますます盛り上がっていくことを期待しています。

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シラバスの表紙

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シラバス「電気モータ制御」の一部抜粋

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テキスト「パワーエレクトロニクス」の表紙

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テキスト「パワーエレクトロニクス」の一部抜粋

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最終会合の様子

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最終会合に参加した指導員、プロジェクトメンバーの集合写真