普及強化パイロット活動キックオフ会合(Matanzas県、Cienfuegos県)

2019年4月

2019年4月29日に、Matanza県とCienfuegos県の2県にて、農業普及強化のパイロット活動のキックオフ会合を行いました。パイロット活動の実施に向けて、この会合には本プロジェクトのカウンターパート(C/P)である穀物研究所(IIGranos)より4名、IIGranosの地域試験場から2名参加し、Matanzas県においてはMatanzas穀物公社や普及協力農家などの約10名が、Cienfuegos県ではAguada穀物公社や関連協同組合職員、普及協力農家など約15名が参加しました。

同会合では、IIGranosによるパイロット活動を含む本プロジェクトの概要説明に加え、穀物公社側が生産量や面積などの生産システムと普及体制の概要、またこれらの課題を含む地域の特性について発表しました。このキックオフ会議を通じて、両件の普及実施体制は、既存の生産ゾーンに併せ、ゾーンごとに普及員が配置し、活動を取りまとめるユニットとして技術グループ(Grupo Técnico)を結成することが決定しました。両県においては、Matanzas県にて15名、Cienfuegos県にて20名の普及協力農家が選定されていますが、そのほとんどは各県にある公社の管轄下にあります。今後は、新たに形成された技術グループと、普及協力農家を含む各ゾーン担当の普及員の連携を実際に機能させるべく、作業を進めていく予定です。

両県の参加公社から挙げられた農業普及の課題としては、生産資材の不足に加え、交通手段や教材の不足があります。これは、キューバでは国家レベルで物資不足が慢性化しており、農業生産に対する影響も大きいためと考えられます。そのため、SEGRANOSに対する教材提供への期待は高くなっていますSEGRANOSとしては、今後も現場のニーズを注視し、必要に応じて普及の内容に反映させていく所存です。
(農業普及システム(普及実施促進):吉野 倫典)

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パイロット・プロジェクトの概要を説明するC/PのRaico
出典:キューバ国基礎穀物のための農業普及システム強化プロジェクト・チーム

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普及システムの問題点について説明する穀物公社職員
出典:キューバ国基礎穀物のための農業普及システム強化プロジェクト・チーム