EIA(環境影響評価)タスクフォース会議の開催

本プロジェクトの成果2である「技術的なガイドラインの整備と環境省及び関連省庁への共有」の達成に向け、11月28日にEIA(環境影響評価)タスクフォース会議を環境省において開催しました。今回の会議では、検討を継続してきたEIAセクターガイドライン(道路分野および鉄道分野)の進捗確認と、今後のスケジュールについて協議を行いました。

EIAセクターガイドラインは、今後カンボジアにおいて開発需要が高まることが期待される分野ごとに異なる環境影響の特性を踏まえて、どのような点に着目して環境社会配慮を行っていくべきかの指針となる文書として作成されてきました。別途、検討しているEIAレビューマニュアルと共に、環境省のEIA審査能力向上に資する重要なツールとなります。これまでの活動を通じて、道路分野と鉄道分野のガイドライン案が作成されており、カンボジアのEIA規則にしたがいそれぞれの分野ごとに1)比較的大きな影響を及ぼし詳細な報告書が必要となる案件と、2)やや環境影響が小さい案件とにわけて、それぞれ2種類の文書を作成するようにしております。

タスクフォースでは、記載内容に加えて英語版とクメール語版の精度を合わせて向上させる必要性が確認されました。その後、2019年2月~3月を目途に、道路や鉄道事業に関連・関心のある個人・団体を招聘して公聴会を開催することでカウンターパート(EIA局)と合意しました。公共事業運輸省などの政府機関から、環境に関連したNGO、カンボジアで支援を行う開発パートナーなどを対象とした公聴会を行う予定で、参加者によるグループ討議や事前にテーマを決めての議論など、効果的なワークショップ形式のあり方についてカウンターパートから提案が行われました。こうした対外的な参加型のプロセスは、EIAセクターガイドラインに客観性を持たせると同時に、環境省の透明性と信頼性の向上にも資する活動として位置づけられます。

今後は上記の道路・鉄道分野のセクターガイドラインの精緻化に取り組みながら、すでに草案が出来ている工業分野と経済特区分野のセクターガイドライン、ならびにEIAレビューマニュアルの検討も継続的に行っていきます。カンボジアでは、昨今、シハヌークビルなどの沿岸地域における大規模開発や水質問題などの報道が増加傾向にあります。本プロジェクトの成果が、こうした社会的なニーズに応えられるように、引き続きカウンターパートと共にEIA審査能力向上に取り組んでいきます。

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会議の様子

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発表中のJICA専門家

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発表中のEIA部職員