新型コロナウイルス対策(COVID19 and Diabetes)の実施

2020年3月、バングラデシュ政府は新型コロナウイルス(以下、コロナウイルス)感染拡大の予防措置として、国民に対し自主的な隔離措置を行うよう要請し、全ての政府機関は業務停止、および一部を除く市場、公共交通機関も休業となりました。医療機関においては時間を短縮して診療を実施し、患者数を制限する病院がある中、受診による感染を恐れる住民も多く、人々の病院へのアクセスが困難となりました。そのため、継続的な治療を必要とするNCDの患者においては、治療が中断してしまう状況が発生しました。糖尿病・高血圧患者のコロナウイルス感染リスク、また感染時の重症化リスクが高いことは、これまで多くの研究により示されています。本プロジェクトでは、このような状況下において、どのように糖尿病・高血圧患者が健康を維持しつつコロナウイルス感染を予防できるのかを、カウンターパートやパートナー機関と協議し、対応を行ってきました。

具体的な取組みの一つとして、医療従事者やコミュニティヘルスワーカー、そして患者とその家族向けに、ガイドブック『COVID19 and Diabetes』 を、カウンターパートである保健省NCDC課(Non-Communicable Diseases Control Programme)とBADAS(Diabetic Association of Bangladesh、バングラデシュ糖尿病協会)との協業で作成しました。

その後、この『COVID19 and Diabetes』を基にした”COVID19 と糖尿病”に関する社会的な認知(social awareness)の促進を目的に、Novo Nordisk(製薬会社)が本活動に参画、啓発活動のための動画やインフォグラフィックなどを作成しました。これら全てのマテリアルは、NCDC課、BADAS、Novo Nordisk、そして本プロジェクトのジョイントイニチアチブで立ち上げたオンラインプラットフォームで公開されています。

今後はこれらマテリアルの配布やトレーニングでの活用をカウンターパートと計画しており、NCDC課では当プロジェクトサイトを含む66の郡病院とコミュニティクリニックに配布予定です。また、これに関連して6月20日にオンラインセミナーを開催し、バングラデシュ事務所の河添靖宏次長もゲストとして参加しました。

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患者、ヘルスワーカー向けのガイドブック『COVID19 and Diabetes』

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患者、ヘルスワーカー向けのガイドブック『COVID19 and Diabetes』

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ジョイントイニチアチブ『COVID19 and Diabetes』の各機関からの参加メンバー

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『COVID19 and Diabetes』に関する啓発活動用のアニメーション

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『COVID19 and Diabetes』に関する啓発活動用の動画

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オンラインプラットフォーム『COVID19 and Diabetes- Our initiatives-』

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6月20日に開催されたオンラインセミナー『COVID19 and Diabetes- Our initiatives-』の様子

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『糖尿病と高血圧』に関する啓発活動用のアニメーション

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『糖尿病と高血圧』に関する啓発活動用のアニメーション