母子保健サービスの向上のため、8か国の参加者と共に学ぶ知識共有プログラムを実施

2023年9月10日~14日、インドネシア国政府(外務省、国家官房庁、保健省)と本プロジェクトは、8か国の参加者を西スマトラ州パダン市へ招聘し、2007年以降14回目となる知識共有プログラム(Knowledge Sharing Program、以降KSP)を開催しました。本プロジェクトでは、コロナ禍のため過去3回オンラインでKSPを実施してきましたが、2023年は初めてオフラインで実施する運びとなりました。カンボジア、ケニア、ラオス、マダガスカル、タジキスタン、東ティモール、タイ、ベトナムの8カ国を代表する16名と、プロジェクトで母子保健の中核拠点となっているCenters of Excellence(CoEs)である西スマトラ州、北スラウェシ州、中部ジャワ州、ジョグジャカルタ特別州、西ヌサ・トゥンガラ州から10名の参加者が参加しました。

今年は「母子手帳を活用したセクターを超えた連携による母子・新生児保健のための継続ケアにおける家族のエンパワーメント」というテーマで、母子手帳の活用を強化しながら、家族のエンパワーメント(特に、医療従事者がどのように家族のエンパワーメントを促進しているか、セクター間の支援・調整の方法)及び母子保健サービスの標準化について情報交換・議論が行われました。

参加者はプログラム初日に、各国(あるいは各州)の母子保健サービスの概要を説明し、何が課題となっているか、本プロジェクトで何を学びたいのか、また昨年のKSPで立案されたアクションプランの進捗状況を発表しました。参加者はパダン市の高次医療施設である国立Dr. M ジャミル病院(RSUP Dr. M Djamil)を訪問したほか、ソロック市では、コミュニティが運営する統合保健ポスト(Posyandu)や第一次医療施設であり地方政府保健局管轄である地域ヘルスセンター(Puskesmas)、ソロック市独自に母子保健サービスを包括的に提供している医療施設キッズ&ママ・ケア、タナダタール県では、10世帯ごとにグループを形成しているダサ・ウィスマ(Dasa Wisma)との協働による 母子保健活動を見学しました。各国の参加者は、毎日何を学んだのかを同僚やファシリテーターと共有し学びを深めることで、最終日に発表するアクションプランの策定に生かしていました。

プログラム開催中に、インドネシア保健省カウンターパートから、ぜひフォローアップ会議を開催し、アクションプランの進捗状況を共有し合おうと声が掛かると、各国・各州の参加者も同意していました。今後、参加者同士での情報交換がオンラインで実施される予定です。

なお、本プログラムは2023年9月21日じゃかるた新聞(有料)ほか、下記のメディアでも紹介されました。

▲西スマトラ州知事公邸で行われた開会式で、開会を宣言するマヒェルディ・アンシャルラ西スマトラ州知事(左)、ダンテ・サクソノ・ハルブウォノ保健副大臣(中央)、安井毅裕JICAインドネシア事務所長(右)。 

▲西スマトラ州知事公邸で行われた開会式で、開会を宣言するマヒェルディ・アンシャルラ西スマトラ州知事(左)、
ダンテ・サクソノ・ハルブウォノ保健副大臣(中央)、安井毅裕JICAインドネシア事務所長(右)。 

▲ソロック市のWijaya Kusuma 5 Tanjung Paku村落統合保健ポストにて、日々の活動の説明を受ける参加者たち。写真は、母子健康手帳を活用した両親学級(子どもの健康)実施の視察中。

▲ソロック市のWijaya Kusuma 5 Tanjung Paku村落統合保健ポストにて、日々の活動の説明を受ける参加者たち。
写真は、母子健康手帳を活用した両親学級(子どもの健康)実施の視察中。

国立ジャミル病院にて、小さい赤ちゃんが緊急搬送されたケースについて説明する医師(上)と、説明に聞き入る各国参加者たち(下)。

▲国立ジャミル病院にて、小さい赤ちゃんが緊急搬送されたケースについて説明する医師(上)と、
説明に聞き入る各国参加者たち(下)。

▲Koto Tangahダサ・ウィスマにて、妊婦がいる家庭に貼付されている「出産準備と合併症への備え」スティッカーについて説明する保健省アリオ医師(上)と「出産準備と合併症への備え」スティッカーの英訳(下)。

▲Koto Tangahダサ・ウィスマにて、妊婦がいる家庭に貼付されている
「出産準備と合併症への備え」スティッカーについて説明する保健省アリオ医師(上)と
「出産準備と合併症への備え」スティッカーの英訳(下)。

▲最終日に、ファシリテーターとアクションプランをつくるケニアからの参加者。

▲最終日に、ファシリテーターとアクションプランをつくるケニアからの参加者。