ニュースレター②

前回準備の様子をご紹介しました、「教育フォーラム」がいよいよ始まりました。フォーラムの開催と準備で忙しくしている現地の様子をお届けします。

8月22日~9月26日の間、1週間に1回の割合で6県でのフォーラム実施を予定しています。日本人専門家は遠隔で業務にあたることになったため、8月はほぼ連日、各州・県との準備会合を実施していました。オンラインでのコミュニケーションの質の低下により、会合時に州・県教育局局長に詳細な内容が正確に伝わらないことを想定し、伝達内容を全て文章化する、プロジェクト管理ユニット(UGP)と教育施設管理委員会調整課(SCGSE)メンバーからなる県別フォーラムチームとの事前ミーティングの回数を増やすなど工夫が求められます。

Kourwéogo県以外は、CEP合格率の維持や向上をテーマとしています。Kadiogo県、Oubritenga県、Bazéga県は2023年の合格率を前年比で10ポイント以上伸ばしており、この水準の維持が次の課題になります。よって、今年、合格率を伸ばしたCEB、コミューン、CCCの取り組みをグッドプラクティスとしてフォーラムで取り上げ、それに基づき合格率の水準維持・さらなる向上を話し合うことを目的としています。また、遠隔での実施のため、日本人専門家によるフォーラム時の討議内容のコントロールが難しいことと、課題で述べる県別フォーラムチームの能力・経験の問題から、複数の異なるテーマをフォーラムで扱うことは避け、ある程度テーマを統一することとしたという背景もあります。

8月22日にKadiogo県、8月30日にOubritenga県の教育フォーラムを開催しました。Kadiogo県フォーラムは6県フォーラムのオープニングと位置づけられ、教育大臣、日本大使、他県の知事、関連する州・県教育局長なども参加し、同フォーラムの様子は多くのメディアにより紹介されました。

Kadiogo県のフォーラムは、セレモニー的な要素があり、その対応・準備に時間が割かれたこと、最初の遠隔実施のフォーラムであっため、決議などの討議内容のコントロールを十分に行えなかったことから、内容には課題の残るフォーラムでした。しかしながら、日本人専門家がいなくとも、組織面で大きな問題もなく、大臣と大使が出席するプロジェクト史上最大規模のフォーラムを完遂できたことで、カウンターパート、ローカルスタッフ、再委託先が成功体験を積み、自信や互いの間に信頼関係が生まれた意義は大きいことです。Oubritenga県フォーラムでは、県局長との事前の打ち合わせを増やし、かつ、フォーラム時も県別フォーラムチームの責任者を通じて、討議内容をある程度コントロールすることができたこともあり、より具体的かつプロジェクトの意向を踏まえた決議を出すことができました。

表 1: 各県のテーマと決議一覧
テーマ 決議
Kadiogo県 2024年も初等教育修了試験(CEP)合格率を最低でも75%を維持・向上するための戦略の強化 1.CEB内に指導のための学校群を作り、教育指導を維持・強化する
2.全アクターとパートナーのコミットメントと責任を強化するためのイニシャテイブを作り出す
Oubritenga県 質の高い教育を行うためのCOGESの役割やアクターやパートナーのコミットメント/CEP合格率を2023年の70,14 % から 2024年には 72 %に上げるための関係者のコミットメントの強化 1.全コミューンでCEBによるCM1とCM2のクラスの教育指導を強化する
2.全校で自主給食を開始する
3.模擬試験、補習、宿題、監督付き自主学習などの学習活動の実施に向け学習者を支援する
Kourwéogo県 小学校での自主給食の促進/コミュニティの自主給食実施への貢献を2022-2023学年度の2,14% から、2023-2024年度は 15%まで上昇する 【9/5(火)に開催予定】
Ganzourgou県 CEP合格率の向上:困難と解決への道筋/CEP合格率を2023年の79,88% % から 2024年には 85%に上げるため県レベルの解決への道筋をつける 【9/12(火)に開催予定】
Bazèga県 2024年のCEP合格率の最低でも現状の76, 73 %の維持、あるいはさらなる向上のための戦略の強化 【9/19火)に開催予定】
Boulkiemdé県 CEP合格率を2023年の62,16% から 2024年には 70%に向上するために方策を考える 【9/26(火)に開催予定】

Kadiogo県フォーラム 全体集合写真

Kadiogo県フォーラム 全体集合写真

Oubritenga県フォーラム 全体集合写真

Oubritenga県フォーラム 全体集合写真